2001年 FM京都 α‐STATION α‐マンスリーカラーズ

 その後店員さんのところに行って「入ってなかったんだけど〜」て言って。「ええ?」って。「じゃあおまえどれなんだよ」つって。「知らない」って言うんですよね。「今コマーシャルで流れてるじゃん」って言うんだけど「知らない」って。全然そういうのに興味のない店員さんだったらしくて。一所懸命クチずさんじゃったりなんかして。15秒分のあの部分を「♪〜デゥ〜デァッヅダ〜ヅデュダッツダ〜ダ〜、みたいなやつだよー」とかって言うんだけど、判ってくんなくてですね「こんな素晴らしい僕のこの歌声に、なんでわかんないんだ」「すいません」え〜(笑)それでですね、まあ、でも、その店員さん、片っ端からかけてくれたんですね。「じゃあジョージ・ベンソンのアルバムをかけてあげよう」で、かけてくれて「ぁあったあ〜っ!」って言って喜んで「それっ!」って言って「よしっ」つって「じゃ、それ、買いに来るからねっ!」って言ったら、そしたら「ちょっと待てよ」。金が足んないんですよ。何故かって言うと、それ2枚組のアルバムだったんですね。だから、1枚組じゃないから高いんですよ。4〜5000円、5800円だったかな。なんか知らないけど、えらい高くて、それで買えなくってですね。また何ヶ月か貯めて、それでようやく手に入れたというのがあって、凄く思い入れが強いですね。そのジョージ・ベンソン「ターン・ユア・ラブ」と。それで、そっからどんどんどんどん今度ね、日本の音楽シーンがわりと、こうなんていうんだろ、アイドル全盛みたいになっちゃってて。わりと渋いサウンド好きだったんですかね。なんか、観てる分にはいいんだけど、音聴く分にはなんかどうしてもそっち側の方がいいなあっていうんで洋楽よりになっちゃって。中学時代はもう洋楽漬けですね。ず〜〜っとFM聴きっぱなし。んで、当時そん中でもね、今聴いても、たまにやっぱりCMなんかに使われたりしてんのは「あ、やっぱり、同世代かな」なんて思っちゃったりもするんですけど、これは結構その当時、斬新でしたね。「キャンッ!!」ていう音がね。これはもう、言わないで後で紹介しようかな。まあ聴いてもらいましょうか、その2曲。2曲続けて聴いてもらいましょう。ジョージ・ベンソン「ターン・ユア・ラブ」と、そしてもう1曲は、この「キャンッ」です。ちょっと聴いてもらいましょう。どうぞ。

ターン・ユア・ラブ(Turn your love around)」 ジョージ・ベンソン
ロンリー・ハート」 イエス

 んん〜っ、たまんないすねえ。この「♪〜キャンッ、ドコドコドコドコ」。イエスで「ロンリー・ハート」。
そしてその前はジョージ・ベンソンで「ターン・ユア・ラブ・アラウンド」を聴いてもらいました。じゃまたCMの後で。    

 織田裕二がお届けしています、10月のαマンスリーカラーズはですね、今夜は僕の「フェイバリット・ミュージック編」と題してですね、お送りしているんですけれども。
 さて、え〜まずはですね、ちょっとこう、こんな僕は少年だったよというところから。中学時代、こんなのに影響受けたりなんかした他にも実はたくさんあるんだよね。もう〜伝えきれないぐらいたくさん良い曲、好きな曲があるんだけども。そうですね。この辺でちょっと違う系統。ん〜例えば今まで聴いてもらった2曲ていうのは男性ボーカリストでしたけれども、そうだな、女性ではじゃどういった人が好きかって言うとね。例えば、もう何年か前になりますけど、交通事故から復帰したあのマイアミ・サウンド・マシンガンの彼女とか、いいですよねえ。「♪〜タタタラタッタ〜」何だっけ、名前が出てこない「♪〜タラッタタタラ〜タ〜」え〜〜〜〜グロリア・エステファーとか。ああいう明るいサウンドも凄く好きだし、なんかハッピーになれるしね。それとかボサノバ系で「ボシュボシュボシュボシュ」ってこうなってたり。特に、あの〜、なんていうんだろ。もっと僕「今、フランス語のミュージックでそういうカンジの、ないのかな」って、今ふと思っちゃったんだけど。あるのかな、やっぱり。知らないだけかな。
 なんか一時スウェーデン・サウンドってのがね、大流行りしてましたけど。あのフランス語でさあ、男だったらみんな解ると思うんだけど、耳元でね「(囁くように)クシュクシュクシュクシュ、ブォシュ、ブォシュクシュクシュ」ってこういう風にしゃべられたら「クニュクニャクニャクニャクニャフニャ(脱力…)」って骨がとろけるんじゃないかという(笑)ああいう、ねえ、フランス語の音楽って、僕あんまりそう言われてみると聴いてないなあ。英語って結構パキパキしてるんで、日本語も特にやっぱりパキンとしてるんで。フランス語のそういうボサ系とかね、ああいうのもあってもいいな。
 そういう意味ではちょっとタイプが似てるかな。え〜一番近いことでいうと、僕はこの曲が凄く好き。シャーデーで「スウィーテスト・タブー」。え〜これは、この頃のアルバムたまんないですね。あの色っぽさといい。そしてね、もう1曲はね、レディオ・ヘッド。これはちょっと両方とも懐かしいんで申し訳ないんだけど。「クリープ」。これもね、やっぱり聴いててね、ギターが入ってきて「デデデデデデデデ」てしゃべってる、ていうかまあ語ってるというか。そこから「ズギャンッッ!」とこう、ギターが入ってきたときから「ドキッ」とするんですね。「ギャギャッ、ギャギャッ、ギャギャッ」みたいな。
 これがたまんなく、僕は好きですねえ。で、なんだろうな。なんか僕の琴線というか、そこに引っかかるのは、どうしても、なんかこう、わりとね、リズム? 自分でもやっぱりこう、今もコンサートやってて、なにしろリズム体を最初に気にしますね。ドラム、ベース。で、それが例えばピアノのリズムであっても、ピアノが「タンタンタンタンタンタンタンタン、ダンダンダンダンダンダンダンダン」「ぅあおぅっ!」っていう、なんかその、なんかこう、なんていうんだろうな、わりとリズムを刻むような。で、そこのリズム感のなんていうか「ツッダッツダットツダッツダットン ツッダッツダッツツダットドドッツドド」ていうリズム感とか、ああいうリズムがもの凄く好きで。
 それで今回僕のライブでも実際にね「パーカッション入れたいな」って昔からの夢だったんだけど、それが叶いまして。今ブラジル人のですね、シルバという、フランシスにパーカッション叩いてもらってるんです。僕はパーカッション叩いてもらうだけでも凄く、充分嬉しかったんだけど、フランシスはクチ笛というかクチラッパとか、いろんな特技を持ってて。まあねこれね、聴いて、観てくれた人も判ってるかな? 判ってないと思うんだけど。最初、リハーサルで「あれ? なんでこの音出てんだ? 誰が弾いてんだ?」みたいな。シルバがクチで言ってるんですよ。「バビビビビ」って。これ真似できないんだなあ。これはねえ(笑)観てもらわないとね、聴いてもらわないとね、なんとも言えない。できないんだもん、だって、自分じゃ。不思議なことやるんだよね。それも加味されてて、非常に今楽しくツアーを廻らせて頂いておりますが。え〜、ま、そういう意味では、本当に今回のツアーメンバー、みんなテクニックはもう超一流だし、その上にまたお客さんを楽しませるのが好きな連中が集まってるんで、僕にとってはもの凄く心強いです。たまんなく嬉しくなる連中というかメンバーですね。非常に感謝しておるわけですが。
 え〜そういう意味ではね、このシャーデーのバンドなんかも「凄くいいバンドだな。一度レコーディングで使ってみたいな」なんてホント思ってたぐらい、いい、ホントに大好きな音出してくれるんで、ちょっと聴いてください。
シャーデーで「スウィーテスト・タブー」。そしてレディオ・ヘッドで「クリープ」。

スウィーテスト・タブー」 シャーデー
クリープ] レディオ・ヘッド

第1回 10月21日放送(2)