THE MOVIE「湾岸署史上最悪の3日間!」
その2




秋SPでこじれた室井と青島が再び信じ合う、ふたりの心情に注目。
和久と副総監との間に青島と室井と同じような約束があったことが判明する。これを知った上で秋SPのPC室での「すみれの監視を命令するシーン」の和久の表情を見ると、また感慨深い。
秋SPで制服支給の列に並んでいたメガネの男は署内窃盗犯であった。冒頭からよく見てみるとあちこちで署内をうろつく彼の姿がみつかる。最初の登場は接待ゴルフ帰りの青島が署長のゴルフバッグを渡した男。
署内窃盗の現場検証で、緒方警官の「行きなさい」は署長逮捕のシーンの「行きなさい」に繋がる。
誘拐犯の坂下始とその仲間は、冒頭の青島たちが接待ゴルフへのお迎えのシーンから登場している。また、クイーンズスクエアのカフェで、青島たちが回りを見まわす中に坂下始がいるのを見逃すな。
接待ゴルフでは、神田署長はちゃっかり副総監と同じ組になっている。一体どんな手を使ったのだろうか。
タイトルバックの映像は「過去・現在・未来」がテーマ。過去の映像と本編が始まる直前のシーン、そして未来を暗示するシーンで構成されている。真奈美が持っているクマのぬいぐるみがUFOキャッチャーで釣られていたり、メスや拳銃が映っていたりするのをチェック。また、冒頭すみれが捕まえてくるのは歳末SPの車上荒らしと同じ人物。
青島が和久の赤い煙をみつけた(と思われる)後、刑事課から警務課と交通課の間を突っ切り走っていくシーンは圧巻。「踊る」ならではの巨大なセットをワンシーンで目一杯使ったシーンである。
真奈美が署内に現れたとき、雪乃に呼ばれて駆け付けた青島が、あっさり身を翻して逃げてくる姿が微笑ましい。やっと眠ろうとしたものの袴田課長に起されて寝ぼけまなこの青島の演技は絶妙。
青島が刺された後室井が「肩組み」で連れてくるが、本当は腰を刺されたときはそういう運び方は厳禁らしいのだが、見た目のカッコよさをとって、「戦場帰りのふたり」のイメージで敢えてあの形にしたらしい。
和久の赤い煙を見た青島が「天国と地獄だ」とつぶやく。これについては黒澤事務所に承諾までとって使ったという話。また、和久の閉じ込められたゴミ置き場に「黒澤塗料」の缶があるのと合わせて、黒澤監督へのオマージュである。
公開前から青島が死ぬのかどうかが話題となったこの作品、「青島が死んだと思ったら寝ていた」というのは君塚氏が実体験を元に探り出した苦心の末のオチであったらしい。
青島の見舞いに来たふたりの見舞いの品、和久の盆栽と室井の封筒はTVシリーズの真下への見舞いの品とのリンク。封筒の中身はおそらく「労災の申請書」。




感動のTHE MOVIE。とにかく面白い、久しぶりにニョロの足を映画館へ向けさせた傑作。それも結局3回行きました。少ないね。その分、ビデオで数えきれないくらい見ました。今でも見ます。
スタッフのみんながとにかくひたすら面白いものを作ろうと、その気持ちが作った素晴らしいエンターテインメントです。
見れば見るほど、見れば見るたび新しい発見をする。そんな感じで、何度でも楽しめる。そう思います。
よくぞ、この作品を作ってくれたと、スタッフ・キャストの皆さんに感謝します。
「踊る大捜査線」は、例え誰がなんと言おうと、傑作です。見る人を楽しませようと作られた、観客の方を向いた素晴らしい作品だと思います。
でも、完全版収録のわさびラーメンのカットは本編でいれて欲しかったなあ。

(キャラ)

(ツボインデックス)

「被害者のために頑張るんだぞ。」
「自分の信念貫いて、人の希望になってやれ。・・・なんてな。」


(ツボインデックス)

(Movie1)

(Movie1)