南国ワーク(2000夏・シンガポール)その2(携帯版)


晩飯を食いに街に出る。
ビッチリと軒を並べる、怪しい中華街風食堂。
ウマそうだけど・・
呼び込みのニイチャンも張り切って声を掛けてくるけど・・・
だ・誰が食うか!!ふざけるなぁ!!!!
な・なんと、殆どの店がルービを置いてないのだ!!!
「ドリンク?コーク?」
ば・ばかやろう!!!海鮮中華をコーラで食えるか!!
地元のおっちゃん&にいちゃんねえちゃん!
いいオトナが、ルービも無しで晩飯を食うなよお!
ヘンなジュースで語り合うなよう!!!
ルービの看板が有るのは、店内が見えないアヤシゲな店ばかり。
高級な店には、当然ルービの一つや二つは置いてあるのだけれど・・・
駄菓子菓子!!!
公共の室内は全て禁煙なのだ!!!
なめるなよう!!!
こちらのタバコを愛するシトビトは、汗をダラダラ流しながら、屋外のテラスでグッタリと飲み食いするしか無いのだ。


今日も良い天気!
と言っても、スコールさえ来なけりゃ殆どが晴なのだ。
朝から快調にタクを拾い、快調にA社に到着。
さあ、快調にシゴトでもおっぱじめるかぁ・・・・・
ゲッ!!
きょ・今日の守衛は、あの「巨体黒人・ネームカード君」だぁ!!
そう。
初日にワタクシの事を散々と叱り付け、イヤってほどバカ扱いしてくれた御人である。
なんかイヤな予感が・・・・・
『オラぁ!名刺を出しやがれ!!め・い・し』
ま・まただぁ!!!
名刺を忘れたワタクシ、名前入りのビジターカードなる物を作られ、帰る時に守衛小屋に返し、朝に受け取る仕組みになっていたのだ。
「あ・あのぉ、小屋の中にビジターカードが・・・」
『何を言っていやがる!このやろう!名刺を出せって言ってるんだ!』
小屋から飛び出してくるネームカード君。

皆様は、相手を見下ろしながら怒っている黒人の恐怖を御存じだろうか。
しかも、確実に自分に対して怒っているのだ!!
小屋の中に残っていた、マレー系の老守衛、
『おいおい!コイツ、こないだのバカだよ』
そう言いながら、名前も聞かずにワタクシのビジターカードを取り出す。
ホッ、ありがたや&情けなかぁ!!
ところが・・・・
受け取ろうとしたら、ネームカード君に取り上げられてしまったぁ!
『これはキサマのか?キサマの名前を言ってみろ!!』
「ホ・ホントに、み・みーのですぅ・・・・」
ネームカード君はカードを手渡しながら建物を指差し、
『ケッ。おらぁ!!これを付けて、キッチリ働いてきやがれ!!』
く・くやしいよう!!!


10時の休憩。
怪しい言葉が飛びかう、混み合った喫煙ルーム。
おんやぁ?なじぇか奥の方だけが空いているぞぉ?。
向かってみると、あっ!!ここ、A社の社長様!!(日本人)。
なんでこんな作業員用の喫煙室に???
思わず御挨拶。
「お久しぶりです」「おおっ!キミかぁ!!」
なじぇワタクシ如きが大会社の社長と面識が有るのかと言えば、ワタクシがA社の親会社の末席を汚していた時期、所属部署の当時の本部長様だったのだ。
その後こちらに就任したことは知っていたのだけれど、当時だって300人からの部署、面識があった程度だし、わざわざ御挨拶に出向くなんて図々しい事はしなかったのだ。
でも、久々の日本人との会話!
馴れ馴れしくても何でもいいのだ!!
喫煙室内の目が、こちらに注がれる。
『おい!あの国籍不明の作業員、なじぇウチのボスと会話を・・・』
ざまあみろなのだ。
キサマらに散々バカ扱いして頂いた奴は、キサマらのボスの知り合いなのだ!
「今日は何時まで働く?よぉしっ。ヤキトリ屋にでも連れてってやる」
「あ・ありがとうございますぅ!!」
重ねて、ざまあみろなのだ。
水戸黄門に付きまとっているだけの理由で、ついつい威張っちゃう「うっかりはちべえ」の心境なのであった。


グフフ!!
17時半が楽しみなのだ!!
なんたって社長様と同行!!
きっと黒塗りの高級車が待っているに違いない。
インド系の運転手がターバン巻いてデコに赤いポッチかなんかつけて、ドアを開けて待っているのも確定的であろう。
こちとらVIPなのだ!
コキタナいナリしてると言っても、社長様に招待されているのだから仕方あるまい。
おっと!門を出るときはビジターカードを返さねば。
まてよ?こちらはVIP。
わざわざ守衛小屋の前で降りて返しに行く事もあるまい。
守衛がクルマまで取りに来るべきなのだ。
なんたって、くどいけどVIPなのだ!
カードを取りに来る守衛??グフフフフフ・・・・・
そりは「巨体黒人・ネームカード君」意外に誰が居る??
イヤだったって、御指名で呼んじゃうのだ!!!!
『キ・キサマ!な・何でボスのクルマに?????』
驚きやがれ!!慌てやがれ!!
後ろでアゼンとしているマレー系老守衛!
キサマも散々な事を言ってくれたな!
「彼らとなにか有ったの?」
おそらく社長はそう聞くだろう。
その時・・・・・
ぶひょひょひょひょお!!!!楽しみばいっ!!!!
そんなラッキータイムが、まもなくやってくるのだ。

まあ、今までの我が人生をかえりみても、実際にはヒサンな結末が待っていそうな気はするのだけれど・・・・

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