『AZ』 5号
と、よくもまあ出せるものだと、その精力ぶりに舌をまいています。マンネリズムにおちいらないよう、そしてもっと面白く読ませるよう工夫して下さい。そして余りに手をひろげて、資本のない銀行を作ったり、楽器もないのにバイオリンの教室を開いてみたり、英字雑誌を企図したりしないで、AZにもっとしんけんに取り組んで下さい。そしてスブドをもっと拡げるように努められては如何ですか。御健闘を祈る」(神戸市長田区二葉町7の8 松本正司さん)

☆ 新しい同胞を15人も紹介して下さった神崎きみ子さん(東京都港区青山樹町3)は、ずいぶん昔からのAZの読者です。惜しみなく物心の援助を捧げて下さったかたがたの一人。将来AZが大きな全国的運動となったとき、草創期の「すべてみな微なりし時代」を回顧して、当時の功労者、縁の下の力持ちを讃える感謝会をもよおしたいものです。
 「今朝は電話で失礼しました。AZ3号全頁感銘深く拝読しました。別紙住所へ御送本試みて下さい。この中には今朝新聞紙上で知った一面識もない人もあり、全部が私の知人ではなく、この点、大変無責任のようですが、AZに必ず共感される方々と信じます。
 ただし誌代の点が心配です。というのは自由価という新しい形式に不馴れなため、一応価格判断でとまどいます。とまどう時間が長くなるほど面倒くさいという気分におそわれ、その間には読みカスの本のこととて忘れてしまうという順序になりはせぬかと思うからです。
これは著者を尊敬するほど、このケイコウが強く出ると思います。
 話が横道にそれますが、私が人からAZの誌代で相談受けたと仮定しますと、まあ、百円ぐらいで良いでしょうねと言います。相談うけた人は百円と目安がついたのでホッとして、これに良心代百円プラスして二百円払込み、一応なんとなく良い気分になると、まあこんなふうだと想像します。払う人の気持は相当ふくざつなものがこんがらがっていると思います。
 私のように自分のふところ工合とだけ相談して相手の立場には目をつぶってしまえれば、大変らくなのですが、そうかんたんに考えられないのが普通だろうと思います。
 そういうわけで、別紙の知人も誌代払込みが相当ながびくと思いますが、大目にみて下さい。それで実費にも遠い額ですが、一冊百円保証します。これも只今の私のふところと相談して決めました。私は間違っても金持にはなりませんから、これ以上の保証はできないのですが、よろしかったらお手配下さいまし。
 3号誌代とも2千円同封します。                              かしこ」

☆ 名古屋市中村区五反城町1の49にお住まいの若い詩人村木正弘さんから――
 「リンサン(音のひびきが大好きです)、『AZ』3号ありがとうございました。1号から読んでおります。先日お送りした<もう一人のぼく>気に入って下さって、ほんとうによろこんでいます。しかも第6号『AZ』の章題につかって下さるとは。
 『AZ』なかなかむつかしく、ぼくには理解しにくい所が多いのですが、この片凡な頭にも、リンサンのさっそうたるスピーディーなアクションには、胸がすがすがしくなってきます。“よし、おれもやるぞ”そんな血潮が体じゅうをかけめぐってきます。ですから、ぼくが読んで好いと思う部分は雑言に入るような所が多いのです。
 ぼくは一大学生、英文科ですから、形だけはリンサンと同じ勉強をしているわけです。でも、心は児童文学(童話童詩)のほうにむいています。以前童話集“のぶどう”を2百部印刷したのがはじまりで、<もう一人のぼく>で二回目です。日本中の施設に送ることがこの上もないたのしみです。自由価自由期のAZ雑誌にくらべて、キボは小さくとも無料の小冊子をリンサンより早く出したのがぼくの自マンです。(でもいばれません。多分AZ単行本にシゲキされて出したのでしょうから)
 リンサンはぼくの昔からの知り合いです。雑誌宇宙の時代からですから。ぼくの友人の、いま“銀星ニュース”(もと地球神政府情報局)をやっている志水好夫君を通じて『宇宙』『空飛ぶ円盤ニュース』など全部読んでいます。
 ぼくにはスブドだのラティハンだの、ひいては宇宙人だの、霊界だの、テレパシーだの、ケーシーだのと、あまりわかりません。でもリンサンのすばらしいカツヤクを見ていると、何か自分にできることをしなくっちゃならないと思えてきます。
 ぼくは貧乏な学生、AZをささえるお金が送れませんが、リンサンの行動をいつも感心とよろこび心をもってながめています。
 リンサンはいつかおっしゃっていました。“本を出す時はラブレター”を書く気持だって。ぼくも小冊子の原紙を切ったり印刷したりしているとき、そんな気持がします。ぼくはぼくなりの作品を皆にたのしんでもらえたらと思って印刷しています。
 いそがしいと言って自分をあまやかせている人に、リンサンのつらをおがませてやりたいと思います。ぼくも時々おがまねばなりますまい。
 リンサンガンバレ。
 AZ ガンバレ。                                   むらき・まさひろ

☆ 三陸地方の海産物を大量に東京・横浜市場に出したいという同胞がいます。問屋さんや小売屋さん、またはその縁故のかたでこの商売をまとめて下さるかたはいませんか。利潤は適当に取っていただいて、私のほうの儲けはAZ出版に投じます。

☆ 私一人でよむのにもったいない手紙。リンサンにママがもう一人できました。

 何かしら予感があり、『大法輪』のなかで気付いたE・ケイシーの『奇蹟の人』をお送り下さるよう葉書を出したのは引越の数日前でした。
 「今度の引越は新しい人生の切かえ線だ」と思っていました。 
 引越先の住所もよく知りませんので、そこらしいという主人のいいかげんな話しをそのまま書きたくなりました。
 引越荷物が前より小さな室に持ちこまれ、一体どこにどう入れたらと、手伝いの人たちと荷物の真中に腰をおろして、ため息をしていましたら、ユウビン第一号で来ました。嬉しくてニヤニヤしながら、さてどこへ置こうかと室の中を見廻していましたら、主人が「ここに郵便物が直送されるなんて」と不思議そうな顔です。
 「おまえにか?」
 「そうですよ」
 裏を見た手伝いの若い者が、
 「奥さん、英語の勉強でも始めるんですか?」
 「まさかね」
 夕方、食事の支度で忘れるともなく忘れて、さあお食事ですよと主人に声をかけると、ウワの空で返事をしているので、のぞいて見ると、「おまえらしいな」とケイシーの本を拝見していました。
 それと同じ風景が二度ありました。第一回の『AZのスブド』をお送り下さった時です。
 やはり食事の支度ですぐ開封できずにおりましたら、主人のほうが先に拝見して、「世の中には変った人がいるようだ。ユカイなやつだなあ」と。(失礼)