愛美通信
え自由に創造していく喜びをもとうよ。頭だけでいろいろこねくりまわして観念のおユウギに熱心な小リコウのインテリさんも頭が第一と思い込んでいるらしいけど、アタマが大きくなったってそれにかえって振りまわされてる始末でどうにもならない。いっそ頭の中をカラッポにしてバカになってごらんなさい。ホントのことが、スパスパ見えてくるから。
 さてさて好き勝手なことを書いてきたらこれでもう原稿紙8枚目、許される枚数はあと一枚。
 さて今愛美本邸2階0の間で、新しいレコード(スクリーン・ミュージック)をバックに気踊りを終わったところ。気踊りとは文字通り気の踊り、気とは面白いもの、元気とか勇気、病気、気分と「気」がつく単語は多くあるように「気」です。頭で考えたり一定の規則にはまって踊るのではなくてその時の気で踊るのです。あなたも愛美本邸にいらっしゃいません? 気踊りやらいろいろと面白いことばかりですヨ。この通信を読んだあなた、アタシに逢いにいらっしゃいません? アタシ達、21世紀を先取りして生きてます。思想も哲学も宗教も、おカネも、権力も、国家も資本主義も共産主義もなくなってしまう素晴らしい21世紀を。
 アタシ達、あなたを待っています。何かを押し付けるんじゃなくて本当に仲よくあなたと手を握り、ウサギダンスを踊りたいんです。そして世界中が国家とかいうワクをはずして手をとり合って踊れる世界を待ってるんです。
                                            (1975.2.4.)
如について
                                        火水霊人(かみひと)
 人々を救おうとすること自体が業の催しと気がついてから、もう何年の月日が流れたことであろうか。
 私は日ましに楽になり、この世というものを相手にして、特になにもしなくなって来た。
 もちろん、私に触れ、私の教えを聞かなくては先にすすめないという人は沢山いるだろう。この国にも、外国にも。そういう人々は、何としてでも、つまり私がことさらに幟(のぼり)を立てたり狼煙(のろし)を上げたりしなっくても、私をさがし当てて会いに来るだろう。手紙や電話で気のすむ人もいるだろう。
 そういう人々が接触してくれば、オートマチックに私の反応が出てくる。ていねいに導く場合もあろうが、剣もほろろに素っ気なく突っぱねることもあろう。
 ヒューマニズムとか「人に親切に」とか、その種の浮世のモラルや思想は、私にはあまり関係がない。私には外側の規尺・ものさしというものがないから、一々なにかに当てはめて自分の言動を律する必要も消えている。
 と言っても、孔子風に、何才になったから矩をこえずと威張りくさっているわけではない。矩とか枠とかいうものは主観的なものだから、超えたとか超えぬとか言ってみたところで、人によって見方はさまざまで、統一的見解などはどこにも出てくるはずがない。
 孔孟や老荘や、釈迦、キリスト、ソクラテスなどの聖賢はみな立派だが、これを外に置いて崇め奉っても、それによって本人(つまりあなた)が少しでも上等になるものではない。
 偶像崇拝とは、木物金仏をどうこうということだけではなく、観念上の偶像にこそ気を付けねばならない。
 しかし、これも言うだけヤボな話である。一生けんめいに或る偶像に執着している人々に「その手を放せ」と言ったところで、かれらはかえって強くしがみつくだけのことである。
 自由にしてやろうというという作用をおこすから、当然、自由になるまいという反作用が生じる。はじめから放置すれば何もおこらない。平々坦々として無事である。人々は安心してそのなかにその迷いのなかに住み続け、夢のまた夢にひたりこんで涎(よだれ)を垂らす。本当を言えば、私はだれにも教えようとは思っていない。目をさまさせようとも考えていない。何でもそのままでいいと突きはなしている。
 そういうのを「如」と言い、仏教の極意になっている。
 サンスクリットでは tathata と書くそうだ。タタターと、勇ましいことばではないか。
第六子快産記録
1974年2月6日に私三十一才のおなかからの主の御子天子(あまこ)姫誕生。私にとって第六番目の子であり、長女の真実ちゃんから下はゾロゾロと男の子であったので、天子姫の誕生はまことに大きな喜びでありました。
 お産は女にとって最大の浄化のチャンスであります。私にとっても一人一人と子を出産するごとに大きく清められる体験をいたしました。
 生れ出ようとする赤ちゃんと気持ちを合わせて、あせらずリズムにのって全身の力を出しきったとき、新しい生命は快喜の声を上げておりました。俗にいう陣痛の痛みもいたみには感ぜず、それはまことにおごそかな母と新しい生命との息の合った力強い二重奏でありました。
                                             (1975.2.3)
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