料理用に五月が焼きナスにショウガを掛けていました。私はそれをかき交ぜるという一般常識に欠けていたため、アット・ランドムにそこらの一片を食べたら、飛び上がるほど辛かったのです。あとで、そのことを五月に言ったら、笑われました。混ぜるのですって。食事中、堂本正成さんから電話が入りました。今日、ここに来るそうです。このあいだのご馳走がよほど美味しく、五月の腕に惚れたのかもしれません。
 ド−モトさんが毎日ここの食事をあてにしたら、センセイの家計を荒らしますよと五月が言いました。そりゃそうでしょう。また、彼はそこまではやりますまい。宗教団体では信者間の金銭貸借を厳重に禁じているという教団もあります。考え方によっては、カネが宗教の主軸になっているところがあるということです。全信者が一つの同胞であれば、カネの貸し借り、やり取りは大した問題でもありません。キリスト教会で、荘厳な音楽を奏でながら献金をさせるのを嫌う人もいます。私も嫌いなほうです。音楽は詐欺の一手段のようにすら感じます。私がその場に出会うと、ポケットのバラ銭からひと摘み、たとえそれが5円か6円であろうと袋に入れたものです。神社のお賽銭を上げたことはありません。カネで神と取引するみたいなことが嫌いだったからです。でも、神社の維持のために氏子は賽銭や寄付を出すのでしょう。
 "気"のままに、はわがままかしら? 私にはわかりません。私とつき合った人か、私の本を読んだ人が決めることです。


堂本正成さん入浴中
                 在橿原平成12年5月1日午後6時42分
 ド−モトさんが来て、夕食をすまし、今は私の風呂で入浴中です。着替えも持ってきて、そのつもりだったようです。五月はバナナ二本とミカンと梅干し一箱をお土産にすると言っています。二人とも客を大切にするところがよく似ています。日本人ですなあ。

 そして今は、堂本正成さんも帰り、その後来た奥田さんも帰り、五月は隣室で寝支度を始めました。午後9時58分です。五月のお陰で不思議に食が進み、今体重は57.4キロとなりました。過去にないことで、むしろ肥満を心配しています。肥えた仙人というのは聞いたことがありません。料理女の同居で仙人は諦めないといけないのかな。

 眠くならないのは相変わらずで、目下酒を飲んでいます。これを不眠症と受け取るか、眠らなくてもいい身体になったと受け取るか、それも分かりません。私の回り、分からぬことばかり。酒を飲んでも酔わない。めしはご馳走で一日3食たべられる。一体、何がどうなっているのか。もう最後のペ−ジになりました。 

 ゆっくりどころではない、手早い本となりました。何でも思うようにはいかない。思うようにやろうは心(MIND)の領域。心を動かしているのは"気"です。"気"はこれを霊と言っても、魂と称してもよろしい。気主頭従はSoul  controls Mind.と訳せるでしょう。日本人には英訳など要らないけれども。

 何も心のなかに無いのです。その状態で来客にも接します。向こうには沢山言うことがあります。ド−モトさんなど放っておけば、25時間もしゃべり通すでしょう。さすがに、こちらも参って居眠りをするかも分かりません。人々はメッセ−ジ・言論のかたまりです。私は無です。一人になると、退屈なので、ああいうことがあった、こういうこともあったと、記録書きをするだけのことです。皆さんの共感を誘おうとはしません。

 北のサッシュを開けても、室温22度。暑くてたまりません。栄養分も行き亘って、身体も熱いのです。どうしていいか分かりません。零時まで起きていて、それからミン剤を飲む−−その位の知恵しかありません。昔は自分の知恵に自信がありました。それがゼロ化しました。このZEROはサバサバもしていますが、同時に不安です。慣れていないからです。老年に慣れるには結構ヒマがかかります。それは今の若い人もいずれは体験することですよ。
 物金・名誉・食欲に囚われると、少々苦しい老年と死が先に待っているでしょう。そして、若い人はこんな縁起でもない本を読まされて損をしたと思うでしょう。

 堂本正成さんが独特の治療術(骨を動かす)で五月の喘息を治そうとしましたが、施術中、五月が怖がって身体を引き締めたので、あまり効かなかったようです。相手の心を溶かしてからでないと、どんな術も駄目ですね。私は、何の術も使わないから、気が楽です。私は亡父より霊気療法の伝授を受けました。手のひら療法です。だから、人を治すこともある程度できますが、このごろはやりません。親族とか特別の人にかぎります。もちろん、無料です。根本は同じかもしれませんが、最近「レイキ」という治療技術がビジネス化して。流行っています。あの霊術でカネを取るようになったら、おしまいです。

 無欲で与え放しが最上です。それをやっているつもりの人でも、本心は相手が感謝しないとか、お返しをくれないとかで大不満です。私はそういう人に意見をしません。しても通じないからです。諦めているのですね。棺桶に片足を突っ込んでといわれても、怒りません。それはそうだからです。霊気療法の伝授は、やってくれと言われれば、無料でいたします。無料が一番いいですね。二番目は妥協して自由価・お志。

      改めて何が新たか調ぶれど よくは分からぬ人生の秘よ


       ジュ−ビシリン  電話 0744−28−4731



後記 この小鹿版の前のほうで、橿原の橿を間違えて樫にしてしまったところが沢山あります。どうかご訂正ください。その間違いの発見は、ヘルパ−の一人でした。
ゆっくり