於天神920515/1017
 縦書きだと、コロンが使えません。たとえば、今の時刻を10:18AMと表現しても妙な点々になります。中点一つでいいのかもしれない。
 ジョセフィーナの来天が決定しないようですが、私は天川に7月15日一泊を予約しました。私の六六歳誕生日を記念して、重陰ともいうべき 「まどゐ」#2を開催したいのであります。来られそうな人にお知らせください。
 16日は土佐卯之助さまの大教会詰所に泊めていただき、翌17日に新幹線で帰清のつもりでおります。
 6月になりましたら、少数の人々にその旨の 『天神だより』を送るつもりでいます。もちろん、ジョセフィーナの39会が同時開催の運びとなれば、私が彼女に通訳をプレゼントします。そのこと、ハワイにFORWARDしてください。
 私と縁が深い臨済宗のもう一人の傑僧に、
     至道無難 (1603〜76)
がおります。彼の 「仮名法語」 は未読なので、7月の旅で大阪で捜してみるつもりでいます。なければ、大阪図書館に暫時こもります。盤珪永啄より19年早く生まれており、禅の大衆化という点では同じ道を進んだ人ですが、この二人を継承した人はその後出てい
ないように見受けます。現代では曹洞宗が幅を利かせているようです。公案は臨済禅のものですが、永啄も無難も公案から抜けたのに、円覚寺派あたりが主流になっているのではないかしら。外人は公案は取りつきにくいので、やはり永平寺に流れるでしょう。只菅打坐です。
 座禅は臨死体験に近い状態に人を持ってゆきますが、盤珪禅師は座禅をもあまり重視せず、ことばで呼吸を伝えようとしました。無難もおそらくそれでしょう。後者については深く知らないので、これ以上は言えません。
 あなたの得度は真言宗と思いますが、密教はどうも混ぜ物のように思えてなりません。
加持祈祷や護摩行などには、ゾロアスター教やいろいろのものが入りこんでいるのではありませんか。弘法大師は天才でしたが、彼からの流れに真の傑僧がいますか。この辺の消息は、得度後のあなたが究めると思うので、後日いろいろこちらから伺わねばなりません。密教はオカルティズムに傾斜しやすく、即身成仏に到るまでに、さまざまの迷路が出てくるのではありませんか。
 法門は数々あれど、どうかオープンな態度を保って、他宗をも研鑚してください。日蓮のように馬車馬的に視野を狭めるのは、あまり感心しません。
 法華経には大迦葉の成仏因縁が細かく解かれています。ネンゲミショウの首位の仏弟子とされている大迦葉にもふさわしい授記が説かれています。
 盤珪ほどになると、経典の詮議すら第二義のものにされていますが、私は「目をつぶす経文読み」にはなりませんが、跡付けとして、余生は精々主要な経典に接しようと思っております。
 庶民は永啄や無難の方向を進めばいいのですが、仏教内の、いわばプロのための開眼にはやはりある程度の準備が必要です。これはヒンヅー教やキリスト教に対する場合も同じです。
 話が固くなったので、これにてとどめます。

                     南無釈迦牟尼仏!

                                               日輪鈴十
真人的外さま!
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