書簡；001119-2

縁の封筒が切れてきました。お願いします。
　チルチルミチルはありがとう。貴重品です。五月が起きているので、訊いたら、今日は
日曜日で病院は休みだと、－日飲んで暮らすしかないでしょう。昨日買った一升パックも終わりになるでしょう。不足かもしれない。水で薄めた酒は奇妙に食欲をそそるのです。

　自由に飲めとのことーー自由ほど素晴らしいことはありません。食欲なしです。五月は
奥田の車で老人ホームの義母をＭＩＭＡＩにゆきました。帰ってから私に食事を出すと。
ところが、無食欲です。パンシロンと太田胃散を服みました。そのあと自由酒ですから、
今日も断食です。固形物は入らないのです。テレビは無興味。「爽」度80はウソでしょう。5 0くらいかな。

　実は95でした。テレビを見ています。邪魔にならない。つまらないからのめり込むことはない、ＴＶは消しました。水酒つづいています。私は寝たい。ほかにすることがないから。

　ウツ度は80。2：56PM。昼寝はミン剤で2時間。なんのかんのと言ってのんでいます。
　「爽」度はこれも80。日曜日だから酒はもうすぐ切れます。あとは水だけです。
　「爽」と「鬱」は別の根から生えている二本の木です。なぜでしょう。

　だれもいないので、ゴマと梅干しと生卵で二杯食べました。あとは寝るだけです。

　11月27日午前10時40分。「爽」度70でこれを書いています、酔い始めると、盛んにこのクシャミが出ます。体を暖めてもだめです。一定の時間がたたないと止まりません。思想満溢とはゆきません。「鬱」度20です。だから、この手紙も書けるのですが、この二日ばかりは、やり切れず、ひるまにミン剤を服んで昼寝に逃げておりました。昼寝中「鬱」度は変わりません。却って落ちたりします。昼間は起きて動いているペきです。酒に逃げて「鬱」度が上昇したこともあります。躁鬱にかかわらず、ＴＶや新聞は面白くありません。静寂内向がー番です。酒は水と混ぜて飲んでいます。人間、変わりました。

　何が何だか分からないことが多くなりました。五月は買い物外出中です。昼飯の用意をしてゆきましたが、食べる“気”がしません。すこし酔うと眠たくなります。11：09AM。

　小憩していたら、松居君に起こされました。機械の翻訳のテクニカルタームlこついてで
す。そんなものはみな忘れたし、中村重雅に問い合わせるようにいいました。かれの友人に専門家がいるかもしれないから。みんなつまらないことをやっています。食うために。私は政府と世間から乞食して生きています。それが精一杯です。私の世間相手の仕事は終わりました。冥土からのお迎えを待つばかりです。完全な躁転があるものかどうか、わかりません。せめて自転車に乗れるくらい、体調が回復すればいいですが、希望薄です。老人で貧乏人だと人は馬鹿lこします。ホームヘルパーもそういうとこうがあります。

　五月はこのごろ酒の制限をせず、私に任せています。だから食欲がなく、今の体重は

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－3－

52．6キロです。

　酔いました。水と交互に飲んでも、酔うことは酔います。そして、床lこ入りたくなります。起きて働くということは、すでlこ私lこ無理だと思えます。寝て、合間に食事をし、ジョクソウ（床ずれ）を起こさぬよう用心するだけです。褥はワープロに出ましたが、ソウはでません。ヤマイダレに倉です。

　私の病気は、躁鬱病、ニコ中、アル中、ヘルニア、バーキンソン病、いぼ痔、脳外科後遺症、老人性弱視、そんなものかしら。これだけでも充分に健康を妨げるものです。

　「鬱」度は下がっていますガ、何もやりたくないという気持ちが強くて、床のなかに覚醒のまま1時間もおりました。不快感と呼んだほうがいいかもしれません。3時の第2食はご飯を 2杯半も食べました。不快感がどこから来るかわかりませんが、それは100％です。生きることそのものが不快。

　5時5分。五月が帰ってきました。元気そのものです。どうして私だけが不快感lこ悩まされているのでしょう。この不快感を今まで「鬱」と間違えていたのです。いるペきでない娑婆世界lこ住んでいるからでしょうか。あの世lこ行ったら、この不快感は消えるでしょう。生きているあいだは消えません。耐えるだけです。テレども映画も何の救いlこもなりません。

　操鬱はいろいろ反転しています。しかし、この根源的不快感とは関係がありません。今、電気屋がテレビの修理lこきました。「15年前のものですなあ」と吃驚していました。私lこは、古くても新しくても、リモートが利こうと利くまいとどうでもいいのです。

　早く夜が来て、ミン剤を服んで眠りたいです。生涯不治のこの根源病lこ気づいたのはついこの今です。今、奥田が朝鮮人の女を連れて玄関口に坐りこんでいます。不快です。一度破産し離婚された男です。五月にタバコをせぴります。長い時間をかけてから、不快男女は去りました。私は電灯を消して真っ暗闇のなかで我慢していました。

　奥田は五月から夕バコを5本、蜜柑を一個むしって行ったそうです。仕様もない男です。あれが命の恩人だと。私は五月を押しつけられた扶養者です。でも、五月のお陰はたくさん蒙っています。家政婦を雇ったら幾らかかるでしょう。

　6：39ですが、テレビに合わせて人生設計というのは無理です。8時からチャンバラものがあります。しかし、今ミン剤を服んで寝たいのです。時間的には早すぎます。酒で
時間を遺しますか。五月は南無妙法蓮華経と勤行を始めました。私は若いとき読みに読んだ法華経にあきて、一切の勤行をいたしません。