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セッション2 研究所を壊滅せよ!(後編)
悪魔の計画(前編)
必要な機材を運んできてもらい、向かいのビル屋上から503号室の監視するPC達。
集音マイクや赤外線探知機を使えば、マンションに侵入する危険を冒すことなく外から中の様子を調べることができます。
はっきり言ってプロの手口。良い子のみんなは真似しちゃいけません(笑)
GM:部屋を監視すること1時間。彼女はバスルームに行ったよ。バスルームからシャワーの音や彼女の鼻歌なんかが聞こえてくる。
アストリア:よしよし。電話するなら今がチャンスだ。
メイル:フランクの携帯電話より、マンションの電話を使ったほうが効果的なんだが……フランク君が出ないかもしれないし、携帯にかけるか。
アストリア:(時代劇風に)大黒屋、そちも悪よのう(笑)
メイル:(やはり時代劇風に)いえいえ。お代官様には敵いません(笑) ふっふっふ。
カエデ:悪党が板についているわね。で、電話かけるのはどっちの悪党?
アストリア:誰が悪党やねん。俺は15才だからな。子供相手だと本気にしないかもしれないし……メイル、頼むわ。俺は探知機をチェックしておく。
メイル:むう、仕方がない。私がかけよう。フランク君の携帯番号をピッポッパ。
GM:しばらくコール音が続き、フランク君が出る。「……もしもし?」
メイル:やあ、フランク・クリーガー君。元気そうで何よりだ(笑)
GM:フランクは聞き覚えのないメイルの声に戸惑っているよ。「はあ、お陰様で……ええと、失礼ですけど何方でしたっけ?」
メイル:つれないな君は。ずっと近くにいたというのに気づいてくれなかったのかね? いろいろ小細工してご苦労なことだが、まったくの無意味なのだよ。
GM:なかなか怪しい言い方だな。そのセリフでピンときたらしいフランク君は怯えているぞ(笑)「だ、誰だ! 誰なんだあんたは! 僕になんの用だ!」電話口で怒鳴ってる。
アストリア:あまり大声出すと彼女に聞こえるぞ。
メイル:落ちつきたまえ、フランク君。そんなに大きな声を出すと、彼女に聞こてしまうよ? せっかくひとりになる時を選んだというのに、彼女を巻き込んで君は平気なのかね? まあ、我々はどちらでもかまわないのだがね。
アストリア:なかなか壷を得ているな。彼女のこと、部屋を監視していることをそれとなく教え、さらに選択権を与えたように錯覚させている。小心者には利くぞ(笑)
セーラ:メイルさんてやっぱり悪い人なんですねぇ。
メイル:だからしみじみゆーなって(笑)
カエデ:彼女は気づいた?
GM:その様子はないな。シャワーと鼻歌でフランクの声は聞こえなかったようだ。フランク君は「誰なんだあんたは」とか言ってる。もちろん小声になってるよ。
メイル:我々が何者かはどうでもいい。君達をどうするか、それを決めるのはほかならぬ君自身だ、フランク君。我々の質問に素直に答えてくれるなら君達の前から消えよう。無論、君にも周りの人々にも手出しはしないと約束しよう。だが万がいち……ふふふ。
GM:おまえ、ほんとに怪しいな(笑) 「僕が知ってることはすべて教える。だから、だから彼女だけは……」ほとんど涙声で言葉に詰まってるね。
メイル:よろしい。ではフランク君。マンションを出たまえ。もちろん一人でだ。
フランク:質問なら今すればいいだろう。僕をおびき出してどうしようというんだ!
メイル:やれやれ。君はまだ自分の立場というものを理解していないようだ。やがて彼女もバスルームからで出てくるだろう? 巻き込まないようにという我々の配慮を無駄にするつもりかね。5分後に迎えをよこす。迎えの車に乗ってくれたまえ。最後にもう一度だけ言っておこう。どのような選択であれ、決めるのは君自身だ。君の良心に期待しているよ。ガチャ。
アストリア:フランクの返事を待たず電話を切るところはさすがだ(笑)
GM:ええい、この悪党どもめ(笑)
フランクの呼び出しに成功したPC達は、人気のない場所に連れて行きます。
場所は港のはずれの倉庫です。念のために倉庫のまわりに整備班を配置し、トーアル研究所の手の者に対する警備を固めます。
ちなみにフランクを迎えに行ったのはカエデでした。
(カエデ:フランクにあたしの顔覚えられちゃうじゃない)
(アストリア:夜だし、大きめのサングラスをかけていれば大丈夫だって)
(メイル:男が行くより女が迎えに行ったほうが余計なプレッシャー与えずにすむんだよ)
(カエデ:むう)
セーラ:わたし思うんですけど、所長達の悪事を調べるより、手っ取り早く研究所襲撃したほうがいいんじゃないですかぁ? 研究所の戦力は判っているし、ISCの依頼は研究内容を調べることじゃなくて、研究所を壊滅させることでしょ?
アストリア:ふ、蒼いな。依頼の裏を取っておくのは長生きの秘訣だぞ。依頼人が裏切らないとは限らないし、騙すこともよくあるからな。傭兵は道具かもしれないが盲目である必要はない。「依頼は受ける。だが言いなりにはならない」と小説でも言っている。
メイル:前回それで大損こいたしな(笑)
GM:最初の契約時より儲けただろうに(笑)
カエデ:だけどとても損した気分になったわね(笑) せっかく苦労して拾い集めた金塊横取りされたし。
セーラ:なるほどなるほど。いろいろ考えておくべきなんですねぇ。
GM:ところでフランク君のほうはどうするんだ? 倉庫の中で一人ぽつねんとしているぞ。これからどうなるかとても不安そうだ。
メイル:やれやれ。怯えることはないよ、フランク君。君が我々の質問に素直に答えてくれる限り、君の安全は保障しよう。
カエデ:それってまるきり悪約のせりふ(笑)
悪魔の計画(後編)
フランクから聞き出した情報は恐るべきものでした。
トーアル研究所が開発していたメックの新しい制御システムは、人間の脳髄を使って機械では苦手な作業を有機的に処理させようというものです。このシステムを利用したセンサーをメックに搭載すれば、死の森の「結界」に妨害されることもなくなり、森の奥に進むことも遺失メックに対応することも可能になるでしょう。
当初はスラムの人間を誘拐して実験に使っていたのですが、成人も子供の脳にしても余分な情報が多く、満足な結果を得られませんでした。記憶を初期化する手間もかかります。
そこでさらに恐ろしいプランが考えられました。
慈善事業家の名の裏で私服を肥やしていたマルク病院のヒュー・スコット院長と手を組み、システムに適した脳を作為的に創ろうというのです。
栄養剤と偽った特殊な薬品を母体に注入し、胎児を造り変える悪魔の計画。
被験体はマルク病院に通う母体から無作為に選ばれました。無論患者の了解など取ることはありません。完全な人体実験です。
胎児を変えてしまう薬品が、母体に悪影響を与えないわけがありません。薬品が体にあわなかった母親が何人も亡くなりました。
事件が発覚せず病院の評判が落ちなかったのは、マルク病院に通う患者の数に対し、実験に利用された母体の数が少なかったためと慈善家という院長の表の顔のおかげでした。
外道な者達の非道な実験のため、この世に生まれてくることすら適わなかった胎児達。彼らは物言わぬシステムとして、死んだのちも利用され続けているのです。
アストリア:とんでもないことを考えやがる。吐き気がするぜ。
メイル:破壊でなく壊滅しろといった理由はこれか。ISCにしてみれば、そんな研究をしていた所に投資していたことを他企業に知られたくないわな。格好の攻撃材料になるからな。
カエデ:どこのメガコーポも汚いことはやってるでしょうけど、いくらなんでも酷いわね。ムカツクわ。
セーラ:ゆ、許せないですっ! 祝福されるべき新しい命を、人をなんだと思ってるんでしょう!
アストリア:金儲けの材料だろ。人の命に関しては傭兵家業の俺達がどうこう言えんさ。
メイル:単純に人殺しの数を数えれば、我々のほうが多いしな。キャラクターとしてはそう言う以外にない。
セーラ:うーうーうー!
カエデ:今回はえらくやな話ね、マスター?
GM:世界観や傭兵というPCの立場を考えると、勧善懲悪を期待するほうが間違ってるさ。依頼されればそういう連中を守る側になることもあるんだからな(とはいえプレイヤーが期待通りの反応をしてくれて嬉しいんだけどね。ゲームとはいえ、所長や院長達のやったことをプレイヤーが認めてもらっちゃ困るんだ。鬼畜なシナリオを作ったマスターが言うのもなんだけど)
フランク君は街で所長と院長を偶然見かけて不信を抱いたらしい。慈善家として名高い院長と出世欲しかない所長の奇妙なツーショットをね。
メイル:それでこそこそと調べて真相に行き当たったわけか。証拠とかないかな。
アストリア:フランクの地位と性格からしてそこまでは無理だろ。証拠をつかめなかったからひとりで怯えていたんだ。
GM:うむ。大体そんなとこ。それでフランク君はどうするね。
アストリア:聞きたいことは聞いた。もう用はない。
メイル:うむ。ではフランク君。君への質問は以上だ。我々のことを含め、今日のことは忘れたまえ。君はずっと彼女の部屋にいたのだよ。いいね?。
カエデ:じゃあマンションに送って行くね。
GM:という訳でカエデに付き添われ、フランク君は帰って行った。胸のつかえがとれたのか、どこかほっとした表情だ。これからの君達の行動を聞こうか。
アストリア:ネストに連絡して腕利きのハッカーを紹介してもらおう。研究所ハッキングして警備システムを無力化し、その間に海から接近するというのはどうかな?
メイル:砲台はともかく、機雷も無力化できるのかな?
GM:それでは補修/整備=一般振ってくれたまえ。成功した? 成功した人には判るが、システムを無力化しても、自己からぶつかって来ないだけで触れればやはり爆発するぞ。
カエデ:だめじゃん。
アストリア:砲台だけでも上出来だ。LAM20の雨を食らいたくないからな。――侵入ルートだが、やはり海からにしよう。港から島までの定期船のルートの海底を歩いて突破する。
セーラ:機雷はどうするんですかぁ?
メイル:定期船の航路には機雷なかっただろ。警備システムを黙らせることさえできればメックで歩いていけるさ。
メイル:決行はいつにする?
アストリア:研究所の警備状況は調べがすんでいる。今夜がいいだろう。
カエデ:ずいぶん急じゃない。もっと調べてからのほうがいいんじゃない?
アストリア:いや、今回は速きは力にしよう。ちょうど今夜は多くの研究員が戻ってきてるから、「事故」に巻き込まれる人間も少なくてすむ。それに、フランクに時間を与えるのは不安だ。
メイル:所長とマルク病院長の悪事を調べているガードとは思えないきな臭い連中がいる。しかし何日たっても何の変化もない。あの連中はいったいなんだったのだろう。ひょっとして決定的な物証を押さえようとしているのだろうか。それなら僕にもなにか手伝えることがあるかもしれない。いままで怯えるだけでなにも出来なかったけど、僕に出来ることがあるのなら――と、妙な勇気を出されたら困ると?
GM:(なかなか読みが深いな。フランク君から情報を引き出して何日後に行動するかで結末が変わるのだよ。ふふふ)
アストリア:いままでは運が良かっただけで、次は絶対ヘマするぞ。それに今日決行する理由はもうひとつある。この間のマルク病院での事件だ。あの胎児の脳を使って新型システムの実験が行われるはずだ。その証拠に、研究の中核にいる研究者は今回一人として街に戻ってこなかった。
カエデ:なるほど。今夜踏み込めば研究所だけでなく、研究そのものも潰せると。
セーラ:ぜひそうしましょう! あんな研究は絶対に許せません!
アストリア:落ちつけって。だからその相談をしてるんだって。そのためにも優秀なハッカーと屋とわないとな。
メイル:七割近くもがめられたとはいえ、幸いなことに我々には充分な資金がある。充分な報酬を用意できるから一流のハッカーを雇えるだろう。
暗い海を越えて
PC達はさっそく行動を開始します。
ネストに連絡し腕利きのハッカーを紹介してもらったカエデは、トーアル研究所へのハッキングを依頼しました。(GM:ダイス勝負に勝てば、何度かハックしたことあるハッカーにしてあげよう。そのぶん有利な修正がある)
(カエデ:ダイス勝負じゃなくて魅力度の能力値ロールじゃだめ?)
(GM:交渉するハッカーが研究所にハックしたことがあるかどうかは運なんだが)
(アストリア:ジロンに「お願い」して紹介してもらうんだから、いいんでないかい?)
(GM:(ちょっと甘いけど)うーん……まあいいか)
(カエデ:らっきー。じゃ利用経験点で目標値下げるね(笑))
(GM:……)
幸いなことに紹介されたハッカーは研究所に何度もハックした経験があり(笑)、余裕でシステムを掌握しました。
いつでも警備システムを騙せるようになったPC達は出撃準備を進めます。ただ残念なことに機雷そのものの無力化は不可能で、当初の計画どおり定期船の航路を海底から接近することにしました。
砲台の完全無力化に成功したのだから良しとしましょう。
アストリア:隊列はどうする?
セーラ:(トーンを下げて)私が一番メック操縦に長けている。私が先頭に立とう。
メイル:なんだ? セーラ、人格変わってないか?
GM:のーみそとろけそうな口調だったのに、えらくマジだな。
セーラ:(元に戻って)いつもの口調だと何かと変化なくてぇ。メックに乗ってるときは渋めにしようかなと(笑)
カエデ:あれね。普段は大人しいのに、ハンドル握ると人格が変わっちゃうのと同じパターンね(笑)
セーラ:あんなに攻撃的にはならないですよう。沈着冷静で、シャア少佐みたいに渋めに決めたいんです(笑)
GM:するとあれか? 傭兵の仕事がなくて建築現場でバイトしていたとき、金を稼ぐためとはいえメック乗りのプライドが傷ついて、「認めたくないものだな。若さ故の過ちというものは」とか呟いてたのか(笑)
カエデ:それって最高ー(笑)
一同:ははははははは(笑)
セーラ:それってあんまりですう(怒)
多少むくれ気味のセーラをはじめ、PC達は夜の海底を進んでいきます。
ハッカーが警備システムを掌握しているため、たとえセンサーにかかっても警備の人間は接近者の存在を知ることができません。
唯一気をつけなければならないのは機雷ですが、システムを掌握している以上、所詮は糸のついた凧。うまくやれば突破も可能です。
無事島に着けるかの判定は、操縦ロールを振ってもらいました。各自5回のロールをおこない、一度でも失敗すると機雷に接触することにしました。
機雷に接触しなければ奇襲が成功しますが、爆発すればさすがに警備の人間も気づき、一気にメック戦闘に突入です。
砲術はともかく操縦は苦手なプレイヤー達。一番操縦レベルの高いセーラを先頭に、なんとかパスして行きます。
GM:それでは3回目のロールを振ってちょ。
一同:(ころころ)
セーラ:(ころころ)ふふ。認めたくないものね。若さ故の過ちというものは(笑)
メイル:失敗してるじゃないか! 一番技能高いくせに!
セーラ:誰もが過ちを犯してしまう。大切なのはミスを責めることでなく、どう切り抜けるかという事でしょう(笑)
カエデ:ものは言い様よね。
GM:ははは(笑) 残念ながら奇襲失敗だな。ではメック戦闘だ(ごそごそとヘクスシートを取り出す)
アストリア:ちょっとまて。ひょっとして、ここで戦闘すると機雷に引っかかる可能性もあるってことか?
GM:ふはははは(笑)
カエデ:(GMがメックの駒を出すのを見て)大丈夫よ。条件はマスターもいっしょみたいだし。
セーラ:それはどうかしら。GMの手にしている物をよく見なさい。
アストリア:……コンドル戦車。
メイル:……ホバー戦車が2輛も。
セーラ:生き延びたいのなら、もうすこし観察力を養うのね。
一同:おまえが言うな!
セーラ:ふふ(笑)
戦闘
いよいよメック戦闘の始まりです。
前回戦車をあっさり沈められたマスター。その無念をはらそうと再び戦車で挑みます。もちろんメックもいます。
果たして雪辱を果たせるのでしょうか(笑)
カエデ:うきょー(悲鳴) 操縦ロールに失敗しちゃった! 右足に機雷がぁ!
メイル:このこの。戦車のくせにうろちょろするんじゃない! ああ、機雷が……
アストリア:このままでは埒があかん。みんな、まずはコンドル戦車に集中攻撃だ。き、機雷接触ぅ!?
GM:ふははははは(笑)
機雷に接触したかどうかは操縦ロールで判定しています。移動ごとに判定をおこない、操縦ロール(しかも修正付き(笑))に失敗すれば機雷に接触してダメージを受けるのです。しかも脚に(笑)
GMの策略で、次々と機雷に引っかかるプレイヤー達。ただセーラだけが、高い操縦レベルのおかげで無事でした(笑)
(セーラ:操縦ロール成功。次は射撃フェイズよね? コンドル戦車に攻撃、命中!)
(カエデ・アストリア・メイル:……)
しかし、おごれる者は久しからずと申します……
GM:では次のラウンド。相変わらずイニシアチブは取れんな……本当に暴力的な主導権ボーナスだ。まずシャドホ動かず、と……なにしてんだカエデ?
カエデ:(ルールブックから顔を上げて)え? ちょっとね(セーラになにやら耳打ち)
セーラ:(うなずいて)次はこちらの移動ね。敵メックに向けてジャンプ。
GM:おや? その位置だとこちらの集中攻撃を受けるぞ?
セーラ:かまいません。
GM:(何か企んでいるな。まあ、いいか。戦車で撹乱してやる)コンドル戦車A前進。
アストリア:(これまたカエデに耳打ちされて)俺も前進だ。
GM:(アストリアも前進か。しかもセーラを援護できる位置じゃないか。移動修正を便りに戦車を突っ込ませても、アストリアの腕では万が一ということもあるし。何よりあのハリネズミのように武装したウルバリーンに近づくのは不安だ。コンドルAは移動修正に賭よう)
アストリアは自分のメックを弄くり倒し、徹底的にカスタマイズしました。装甲を配置しなおし、重い武装を取っ払って中口径レーザー*5門(!)、小口径レーザー*6門(!!)を搭載しています。
遠距離攻撃能力は皆無ですが、そのぶん接近すればかなりの脅威となります。やばめの個所が多い戦車ではかえって不安増大です。
GM:(アストリアには装甲の厚いウルバリーンをぶつけるとして……コンドルBはカエデを叩くか。45トンのヴィンディケイターは装甲薄いし、支援用だから近距離での攻撃力はしれている。思いきって近づいて痛い目に会わせちゃる)
コンドルB、カエデに接近だ。こいつはSRM6装備だからな。とっても痛いぞ。
プレイヤー一同:ふふふふふ。
カエデ:かかったわねマスター(笑) ヴィンディケイター、真上からの飛び降りで突撃っ!
GM:なにいいいいいいぃぃぃぃぃぃーーーーー!
メイル:慌てるにはまだはやい。私もコンドルAに飛び降り攻撃だ(笑)
GM:――!
マスターはあまりのことに声も出ません。
射撃フェイズが終了し、いよいよ格闘フェイズです。
頼みの綱の移動力修正も利用経験点の前には手も足も出ず、カエデとメイルの攻撃はことごとく命中しました。
幸いダメージはあちこちに散り、致命的な一撃となりませんでした。むしろ飛び降り攻撃で右脚の中枢にまでダメージを受けたカエデのほうが被害は大きかったのです。飛び降り攻撃は攻撃側の脚にもダメージを受けます。
しかし――真の恐怖はこれからはじまるのです。
GM:(ちょっとビビッた)幸いなことにたいした被害じゃない。むしろそっちのほうが受けたダメージは大きいな。イニシアチブは――やっぱり取れんか。さっきのお返しに戦車で突撃かましちゃる!
カエデ:(にやにや)どうやって?
GM:どうやってと言われても……まっすぐ走って行ってぶつけるんだが。
メイル:(にやにや)だからどうやって?
GM:?
カエデ:よく考えてみなさいマスター。あたしとメイルは真上からの飛び降りを成功させたのよ?
GM:解かってるよ。ちゃんとダメージ受けたもんな。距離のこと言ってるのか? それならコンドルAをカエデに、コンドルBをメイルにぶつければ突撃距離を出せるだろ?
アストリア:解かってないなマスター。ふたりは真上から飛び降りをしたんだ。ちなみに戦場はどこだ?
GM:どこって……海だけど?
セーラ:海に浮かんでいる戦車に飛び降り攻撃したのよ(笑)
GM:――!
一同:海上で真上から飛び降りられたら、当然沈むよなあ(笑)!
GM:――うそおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
かくして悪は滅びました。
撹乱用の戦車は海の底。生き残ったメック2機ではプレイヤー達の物量に対応しきれるわけもなく、早々に撃破されていきます。
その後、5ランドともたずマスター側は全滅。
しかもマスター側のウルバリーンは頭部を破壊され、ほぼ無傷のまま鹵獲されてしまいました。
とほほほほ。
傭兵
GM:ああ、やってらんねぇや。
メイル:くさっても仕方ないだろう(笑) さて、敵は全滅したし施設を破壊しようか。
セーラ:ここは愚連隊リプレイにしたがって光学兵器のみで攻撃しましょう。
カエデ:節約モードに入るわけね。まあ今回は依頼料以外に報酬入らないし。
GM:君達は島に上陸したんだね。守備隊が全滅し、研究所はひっくり返したような騒ぎになっている。建物から飛び出してきた研究員が、見なれない君達のメックを見て慌てて逃げて行くね。建物に逃げ込む者、施設から逃げ出すものそれぞれだ。いよいよ攻撃しようとした時、無線が入る。
アストリア:ひょっとして所長か?
GM:うむ。その通り。「君達はいったい何者だ! 私の研究を邪魔する者は許さんぞ!」だそうだ。
メイル:まるきり状況が見えとらんな。
アストリア:愚か者は気にするな。攻撃を開始する。
セーラ:建物の中には人が残っているよ?
アストリア:運が悪かったと諦めてもらおう。施設を破壊する。
GM:アストリアはトリガーを引き絞った。ウルバリーン改から放たれた幾筋もの火線が夜の闇を引き裂き、研究所の施設を次々と破壊していく。
誰かの放った一筋の光がビルに吸い込まれ、やがて建物の奥から炎を呼び起こした。爆風にあおられ、机や事務用品だったものが外へと吹き飛ばされる。その内にはたしかに人の形をしていたものも含まれていた。
建物のなかで荒れ狂う炎から逃れてきた人々を、崩れ落ちた瓦礫が押し潰していく。
爆発の火炎が闇を照らし、怒号と悲鳴が響き渡る。
カエデ:……やな描写ね、マスター。
GM:ゲームでの出来事とはいえ、自分達の行動がどんな結果をもたらしたか知っておく必要があるだろ? 現実と違うバーチャルの世界とはいえ軽んじることはできない。闘えば人が死ぬ。たとえそれが正義のための闘いであろうともね。
メイル:まして我々は傭兵だ。正義のためでなく金のために闘っている。
アストリア:どんな奇麗ごとで飾ろうと、俺達傭兵は死を呼ぶものであることに違いはない。だからこそ、自分達のしたことをちゃんと理解しておかなけりゃな。
GM:そういう事。無線からも所長の声に混ざって爆音や悲鳴が聞こえてくる。「なぜだ!? 私の偉大な研究が……」やがて途切れ途切れになり、ついにザーという雑音しか聞こえなくなった。
カエデ:終わった?
アストリア:まだだ。研究所には地下施設があったよな。確かメイルが持ってたっけ。
メイル:持ってるよ。施設の図面をみんなのディスプレイに転送する。
GM:補修/整備=一般技能振ってくれる?
一同:ころころ
セーラ:わたしだけ成功。
GM:ふむ。ではセーラは地下施設の効果的な破壊ポイントが幾つかわかった。そこを攻撃すれば、施設だけでなく島そのものに致命的な被害を与えることができる。
カエデ:おおぜい死ぬね。
アストリア:仕方がないとは言わない。正義の悪もない。だがそれが俺達の仕事だ。アストリアとしても、抜身の剣をさげているだけでは意味がないんだ。攻撃する。
一同:(それぞれうなずく)
GM:研究所は島ごと壊滅したよ。そこかしこから炎が吹き上げ夜空を焦がしていく。
セーラ:生まれることのできなかった魂への、せめてもの送り火ね。
GM:ま、何人か生き延びた者もいるさ。さて、君達はどうする? このままここにいると人工島といっしょに海の底だぞ。
メイル:早々に引き上げる。ランドシップに向かえに来てもらおう。機雷原を抜けるのはもうこりごりだ(笑)
GM:了解。どうせ近くまで呼んでたんだろ(笑) ランドシップに帰還した君達は、沈みゆく島をあとに夜の海に消えていった。
ちょっと暗くなったけど、今回のシナリオはこれまでだ。お疲れ様。
一同:お疲れ様でした。
カエデ:次回は明るいシナリオを頼むわね。暗いのはもうこりごり。
GM:考えとくよ(笑)
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