UNDAM ENTINEL RPG ―OutLaws Edition―

ルールセクション


【ニュータイプ】 (選択ルール)

 『機動戦士ガンダム』シリーズのメインテーマであり、最大のキーワードの一つ「ニュータイプ」を『GUNDAM SENTINEL RPG OE』に導入するためのルールです。このルールは選択ルールとして扱いゲームに慣れた段階で使用して下さい。
 ここでの「ニュータイプ」に関する概念は、映画『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』の劇中において、レビル将軍がアムロの質問に答えている「直感力と洞察力に優れた人々」を引用してルール化しています。
 そのため、宇宙的な視野、認識力などの概念は反映していません。また、ニュータイプ同士の意識の同調による会話、プレッシャーなどについてはGMが適当であると判断できるPCの行動によって効果を決定して下さい。

1.ニュータイプ値の獲得

 キャラクターを作成した時点で、その作成されたキャラクターは、1度だけニュータイプ覚醒判定を行えます。
 ニュータイプ判定は2D6を行い、目標値12以上で成功となり、ニュータイプ値(以下「NT値」に略す)を0レベルで獲得します。
 ただし、ニュータイプの前提として、宇宙生活者であることが絶対の条件となります。出身地に関わらず、宇宙(コロニーまたは月面都市)で長期間生活していた人間でなければならないのです。それぞれのPCに、ニュータイプ覚醒判定を適用させるかは、プレイヤーのキャラクターについてのバックグラウンド(生い立ちなどの背景設定)によって、GMが判断して下さい。
 キャラクター作成時以外では、基本として二度とニュータイプ覚醒判定は行いません。例外としてNT値を1レベル以上持つNPCと遭遇、交戦し、そのMSを撃墜できなくとも、十分に善戦したとGMが判断した場合、シナリオ終了して無事に帰還したときに、ニュータイプ覚醒判定を行うことができます。また戦闘以外でも、ニュータイプのNPCとの劇的な出逢いや交感によって、ニュータイプに覚醒する場合もあります。

ニュータイプ覚醒判定の修正

条件 修正値 備考
キャラクターが未成年 +1 作成時の判定のみ
木星輸送団参加者 +2 作成時の判定のみ
NT能力者との遭遇 0〜+2 GMのシナリオ設定による
NT能力者との交戦 0〜+2 撃墜、または善戦した場合(GMの判断による)

2.ニュータイプ値の使用

 ニュータイプ値(NT値)を戦闘で使用する場合、NT値1レベルにつき1回だけ、戦闘ラウンドのいつでも自分の振るサイコロに1D6分の修正を付けることができます。
 例えば命中判定で、各種通常の修正後の数値が、目標値に対して2足りなくて命中しなかった場合、NT値1レベルであるキャラクターがNT値を使用することにした場合、ただちに1D6を行い、出目が2以上だったら外れたはずの命中値にその修正を加えて命中したことにできるのです。その他にも、各種技能判定や、格闘武器の受け判定、イニシアチブの決定、命中箇所判定、追加ダメージ判定、気絶判定など、自分のキャラクターの行う行動のすべての判定に適用されます。
 また、例外として判定だけでなく、回避値にも修正を付けることができます。例えば、NT値1レベルのキャラクターが搭乗しているMSの各種修正後の回避値が42に対して、攻撃が45で命中したとします。この場合、NT値を使用すれば、1D6で3以上の出目を出せば、回避値をその瞬間だけ45以上となり、命中であった攻撃は外れたことにすることができます。
 ただし、1ラウンドの内で、NT値のレベルと同じ回数しかNT値は使用できません。例えば、NT値1レベルのキャラクターが、先行をとるためにイニシアチブや、攻撃の命中のためにNT値を使用した場合、続く後攻で敵機の攻撃が命中したとしても、回避値の修正にNT値を使用することはできません。

ニュータイプ値の使用方法

ニュータイプ値の使用方法 効果 備考
判定サイコロへの修正 ±1D6 修正を付ける前にGMに宣言が必要
回避への修正 +1D6 修正を付ける前にGMに宣言が必要
サイコミュ兵器の稼動 使用NT値×2基稼動 行動パターン「サイコミュ」を選択する

3.ニュータイプ値の上昇

 ニュータイプ値は、シナリオの度に上昇する可能性があります。
 主にシナリオ中で、他のニュータイプNPCと遭遇した場合、GMの指示によってシナリオ終了後に判定を行えます。
 ニュータイプ値上昇判定は2D6を行い、目標値12以上で上昇します。各種修正については覚醒判定に準じます。
 なお、ニュータイプ値の上限は6レベルとなります。

4.強化人間

 強化人間とは心理的な刷り込みや薬物投与によって強化された人工ニュータイプのことです。数少ないニュータイプ能力者の驚異的な戦果に着目した各軍部が、一年戦争後に研究を行い、主にグリプス戦役以後にて戦線に投入されています。
 ルール的な扱いとしてはニュータイプに準じますが、強化人間は強化の段階でかなりのストレスを受け、精神的に不安定なものが多く、戦闘中の強力なストレスから一時的な戦闘不能状態になる場合があります。

4−1.強化人間の作成

 強化人間は基本的にNPC用です。PCが強化人間を選択するにはGMの許可が必要となります。
 強化人間にはレベルがあり、そのレベルによって使用できるNT値が決定されます。強化レベルが高くなるとNT値も高くなりますが、精神的に不安定になってゆき、行動不能になる確率も上がります。
 強化人間はNT値が全くないか、NT値0レベルのキャラクターがなることができます。強化レベル毎にNT値と、精神力を除くすべての能力値が1ずつ上昇します。また、副作用判定の目標値も−1されます。

4−2.強化による副作用判定

 強化人間は強化の段階でかなりのストレスを受け、精神的に不安定なものが多く、戦闘中の強力なストレスから一時的な戦闘不能状態になる場合があります。これを表現するのが、副作用判定です。
 副作用判定は、強化人間がNT値を使用する度に行います。2D6を行い、目標値12以上の出目を振った場合、強化人間はひどい頭痛と吐き気によって、次のラウンドの行動がまったくできなくなります。通常、強化人間は強化レベル2レベル(NT1レベル)以上強化されていることが多く、目標値は10以下であることがほとんどです。

 


※GMからの注意事項

 ニュータイプのキャラクターは戦闘のバランスを劇的に変容させます。例えばNT値1レベルを獲得しただけでも、そのキャラクターの戦闘力はパイロットレベル(PL)にして3〜5レベル相当跳ね上がるためです(特に、行動ポイントへのNT値振り足しの効果が大きいため)。
 そのため、複数のPCをニュータイプにしてしまうとPC側の戦力が飛躍的に向上するために、シナリオ上の戦闘バランスを調整するのが難しくなります。高レベルのNT値を持つキャラクターもまた同様です。
 そこで、このニュータイプルールを採用する場合は、初心者プレイヤーのPCにNT値1レベルを与え、熟練プレイヤーに対するハンディキャップとするなどの限定的な使い方をお勧めします。また、その場合でもPCのNT値レベルの成長は、1〜2レベルくらいまでを限度とした方が良いでしょう。

 参考までに、『GUNDAM 0079 RPG』に掲載されていたサンプルキャラクターを以下に紹介します。

キャラクター名

PL

NT値 備考
アムロ・レイ 9レベル 5レベル ア・バオア・クー攻防戦時
セイラ・マス 4レベル 1レベル ア・バオア・クー攻防戦時
シャア・アズナブル 15レベル 3レベル ア・バオア・クー攻防戦時
ララァ・スン 3レベル 5レベル ソロモン撤退戦時

 


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