GUNDAM SENTINEL RPG ―OutLaws Edition―
ルールセクション
【経験と成長】
いま、シナリオが終了しました。これで一つの作戦は終了したわけです。無事に帰還したPCは、今戦ってきた実戦での経験を積んだ事になります。これは経験値を獲得するということで表現されます。
・経験値の獲得
経験値はシナリオが終わって、無事帰還した場合に集計します。経験値は以下の条件を満たすことによって得ることが出来ます。
1−1.シナリオによって得られるシナリオ設定点
これはシナリオを終了した時点で得ることが出来るように規定された点数で、それがどの位の点数なのかについては、シナリオ毎に設定されています。また、シナリオによってミッションの失敗によって減少したり、特別な行動をした場合に増加したりすることもあります。
1−2.撃墜したMSによるもの
敵のMS(MAも含む)を撃墜した場合、撃墜した敵MS1機につき(耐久力)×(敵パイロットレベル)を経験値として得ることが出来ます。例えば、ザクIIのパイロットレベル(以下PLと略す)1と、ドムPL2を1機ずつ撃墜した場合には、23×1=23と33×2=66を合計した89が得られる経験値になります。
1−3.撃沈した艦船によるもの
撃沈した敵艦艇についてもMSと同様に経験点を得ることが出来ます。ただし、艦艇の場合は常に、耐久力×3が得られる経験値になります。
1−4.その他の敵戦闘兵器の破壊によるもの
敵の要塞砲や、ミサイルエレカ、バルカン砲装甲車などの戦闘車輌、戦闘機などを破壊した場合にも経験値が得られます。ただし、基本としてそれらの兵器は耐久力がそのまま経験値になります。中にはパイロットが乗り込むことでPLによって乗することもあります(コアファイターやコアブースターなど)。
1−5.GMによる特別なボーナス
GMが特別に良く戦ったり、戦闘状況をよく掴み、的確な判断をしたPCに、特別に与えるボーナス経験値があります。これはGMの判断によって点数は色々です。
こうして得られた経験値をシナリオ終了時に集計します。そして、今まで得られた経験値と合計します。もちろん最初はまったくありませんから得られた分だけになります。
この合計した経験値がキャラクターのレベル毎に定められた次のレベルになるために必要な経験値以上になれば、キャラクターのレベルは1つ上がり、キャラクターは成長します。
2.次のレベルに上がるために必要な経験値の算出
それではキャラクターレベルが2に上がるために必要な経験点を算出します。
まず、キャラクターの能力値をすべて合計します。修正値は合計しませんので注意して下さい。これが2レベルに上がるために必要な経験値です。そして3レベルになるために必要な経験値は、先の合計値を2倍した数の経験値が必要です。さらに4レベルになるためには、その数値をさらに2倍にします。こうして、レベルが上がれば必要になる経験値は倍倍で増えていきます。
例として7つの能力値の合計がちょうど70のキャラクターが2レベルに上がるためには、70経験値が必要です。3レベルに上がるにはその倍の140経験値、4レベルに上がるにはさらに倍の280経験値が必要となります。
こうして次のレベルになるために必要な経験値は能力値の合計した数値を倍にしていくことを繰り返していくことで算出します。注意しなくてはいけないこととしては、キャラクターが成長するにつれて、能力値も上昇するため、最初の能力値とは異なってくることです。最初の能力値の合計値は忘れないように控えておくことをお勧めします。
次のレベルに上がった場合、それまで蓄積した経験値はその時点で消費されます。しかし、その時点で余った経験値は次のレベルに上がるために持ちこされます。
例えば2レベルに上がるのに70経験値必要なキャラクターが100経験値を得たとします。100点のうち70点は2レベルに上がるために消費されますが、残りの30点は残ります。3レベルに必要な経験値は140経験値なので、あと110点の経験値が必要です。
PCは色々な形で経験を積み、その結果実戦を生き抜いた歴戦の戦士となります。つまり、新兵よりも遥かに強く、生き残りやすくなる訳です。もちろんその分危険度の高いミッションを命じられるようになる訳ですし、そのミッションの作戦における重要性も高くなっていくわけですが……。
RPGでは、キャラクターのレベルが上昇する度に、キャラクターの能力値や技能レベルが上昇する可能性があります。このようにしてキャラクターの能力が高くなることを「成長」と表現します。
経験を積み、キャラクターレベルが上がり、成長することになったならば、それぞれの能力値で1度ずつ1D6をします。そして、それぞれの能力値の修正値より大きい出目だった場合は、その能力値が1だけ増加します。
この能力値の増加で修正値が変化するならば、その修正値も変化させます。こうして能力値は上昇していきます。
なお、能力値の成長限界は40までです。どの能力値も41以上にはなりません。
また、体力が増加すれば、当然ですが耐久力も増加します。
4.上昇係数
能力値が21以上になると、修正値は6になる訳ですが、1D6しても6が最高なのですから、どうやっても7以上の数値はでません。
また、1より大きな数を出すことは非常に簡単で、可能性も高いのですが、それに比べ、5以上の数値を出すということは遥かに難しく、可能性が低いことです。もちろんいずれの場合でも、運が悪く1の目が出てしまえば、能力値は上昇しません。
このように、成長のために振った1D6が、能力値の修正値以下の数値だった場合には、次にキャラクターのレベルが上がり、成長する場合にその数値を繰越し、成長のための1D6に加えることが出来ます。この数値を上昇係数と呼びます。
もし、非常に運が悪く、次の成長でのサイコロの目が小さく修正値以下であった場合には、その2度目のサイコロの値も上昇係数に加えて、さらに次の成長のときに繰り越すことが出来ます。こうして上昇係数は、能力値が増加できるまで加算され続けます。やがて成長して、能力値が増加できた場合、上昇係数は0に戻ります。
そのため、各能力値の上昇係数は次の成長までキャラクターシートに記録しておいて下さい。
(例) 体力値は16、その修正値が4のキャラクターが、レベルが上がり成長するための1D6を振ってみた。出目は最低値の1。もちろん修正値の4には程遠く、その1を上昇係数として記録した。またレベルが上がり、成長のために1D6した。今度は上昇係数の1を足すことが出来るので、4以上の出目で能力値は上昇する。ところが、今度も出目は1だった。上昇係数は2となる。またレベルが上がり、成長の1D6すると今度は6を振った。上昇係数を足すまでもなく能力値は上昇し、17になり、修正値も5に上がった。しかし、上昇係数は0に戻ってしまう。
5.MS関連技能の修得と技能レベルの上昇
MS関連技能は、作成の場合とまったく同様に、PCの射撃力、格闘力、操縦力の3つの能力値の修正値を合計し、その平均値(端数は四捨五入)を算出して、その数だけ新たな技能を修得するか、既に修得している技能のレベルを上昇させることが出来ます。
ただここで注意しなければならないのが、レベルの上昇によって、同時に能力値も上昇していることもあります。そのため修正値も上昇している可能性があるため注意が必要です。
技能レベルは対応する能力値の修正値レベルまでしか上昇させられません。
シナリオを終了することで、経験値以外にも獲得するものがあります。作戦におけるミッションの成功や、その作戦を成功させた要因となったり、自軍を勝利に導くような英雄的な行為を行った人物に対しては、ただ弾が切れて逃げ帰ってきた人物とは比べ物にならない程の信頼や優遇を得られるはずです。その人物はその軍隊にとって、数多くの功績を上げたことになるわけです。
それをこのゲームではシナリオで得た「功績ポイント」を消費するということで表現します。つまり、功績ポイントとは、消費することでPC所属軍、もしくは配属されている部隊内で、そのキャラクターが優遇されるようになります。またそれを表わすための単位です。例えば、一年戦争における優秀なパイロットであったシャア・アズナブルをゲーム的に考えてみます。彼はその大戦果によって大量の功績ポイントを獲得しました。そして、功績ポイントを獲得したことで、若くして異例の昇進を遂げます。また、搭乗するザクIIも他の機体とは異なり、特別にチューンを施され、オリジナルのカラーリングにされています。そしてその専用機を駆ってさらに戦果を上げ、功績ポイントを獲得し、また功績ポイントを得ることで、新しいMSに次々に乗り換えていくことが出来ました。と、こんな感じになります。
この様に、PCも戦果を挙げることで功績ポイントを得ることができ、得られた功績ポイントを消費することで、その部隊、しいては所属軍から優遇されるようになります。
7.功績ポイントの獲得
先に書かれたように功績を上げることで功績ポイントが獲得できます。具体的には以下のような行為をした場合に功績ポイントを得ることが出来ます。
7−1.シナリオによって得られるシナリオ設定点
7−2.撃墜したMSによるもの
7−3.撃沈した艦艇によるもの
7−4.その他の敵戦闘兵器の破壊によるもの
7−5.GMによる特別なボーナス
つまり、基本的には経験値とまったく同じです。具体的な内容も経験値の獲得方法と同じです。ただし、追加して獲得できる場合もあります。
7−6.撃墜したMSに指揮官もしくは特別なパイロットが搭乗していた場合
基本的にあらかじめシナリオで設定されている場合です。
7−7.撃沈した艦艇が旗艦だった場合、特別な人物が搭乗している場合
前項と同じく、基本的にあらかじめシナリオで設定されている場合です。
7−8.撃墜できなかったもののダメージを与えた敵MSによるもの
この場合、与えたダメージ分がそのまま功績ポイントとなります。PLを掛けたりはできません。
7−9.撃沈できなかったもののダメージを与えた敵艦船によるもの
前項と同じく、与えたダメージ分がそのまま功績ポイントとなります。また、艦船には破壊した部分により、特別なボーナスがあります。
・主砲1門破壊するごとに、その火力分が功績ポイントになります。
・副砲1門破壊するごとに、その火力分が功績ポイントになります。
・カタパルト1基を破壊するごとに、搭載MS機数分が功績ポイントになります。
・ブリッジを1つ破壊する度に基本として10ポイント、旗艦だった場合は総てのブリッジを破壊すると与えたダメージによる功績ポイントを3倍する
・航行不能にする 与えたダメージによる功績ポイントを3倍にする。
こうして獲得した功績ポイントをシナリオ終了時に集計します。そして、いままで獲得して消費していない功績ポイントと合計します。もちろん、最初はまったくありませんから得られた分だけになります。
8.功績ポイントの消費
得られた功績ポイントは、シナリオ終了時にプレイヤーが好きなように消費することができます(中には好きでなくても消費しなくてはならない場合もあります)。
功績ポイントは、非常に分かりやすく例えるならば、「お金」として考えると理解しやすいと思います。例えば、お金を払って車を買うように、消費することで新しいMSに搭乗することができるようになります。実際には、それだけの戦果を上げた人物であるからこそ、新しいMSを駆使して更なる戦果を上げてくれるだろうということを期待されて、搭乗する許可を得られたことになる訳です。
いずれにせよ消費する具体的な内容については以下のような事項があります。
8−1.新しいMSへの搭乗
例でも取り上げられているように、新しいMSに搭乗したい場合に消費します。具体的なMSによる消費しなければならない功績ポイントについては「データセクション」のMSデータに、それぞれのMSについて設定されています。ただし、所属軍の異なるMSについては、原則として搭乗することはできません。シナリオをデザインしているGMが用意している範囲で選択して下さい。
また、そのMSの功績ポイントを消費すれば、功績ポイントのところがカッコされている武装は、標準装備か固定装備されているとして装備された状態で付いてきます。そのカッコの外に×2のようになっている場合は、その数だけ標準装備されています。
なお、EWACネロやアイザックなどの索敵機は基本的にNPC専用なため、PCの搭乗はできません。GMはシナリオで使用するときのみ、PCに搭乗させて下さい。また、分離・合体型MSのパーツ機(SガンダムのGアタッカーやGボマー、ZZガンダムのコアトップ、コアベースなど)は単体として搭乗することはできません。合体している状態のMSを複数のプレイヤーで功績ポイントを出し合って搭乗した場合に、各パーツ機にそれぞれ搭乗することは可能です。
8−2.MS武装の追加
現在搭乗しているMSで、「データセクション」のMSデータで、装備のうち、功績ポイントがカッコされていない武装を装備するために消費します。それぞれの武装には、それらを装備するために必要な功績ポイントが設定されているので、その分のポイントを消費すれば、その武器が装弾された状態で装備されます。
注意しなければならないことは、それらの武装は1基装備するのに必要なポイントであり、装備能力が2基、4基ある場合は、その数の分だけ功績ポイントが必要になります。
また、ミサイルの装弾数については、4×4などと記載されていますが、最初の数は1回の射撃で撃てる最大数で、×4というのはその最大数を発射した場合に何回撃てるかを示しています。つまり、ミサイル自体は4×4となっていた場合は、総数は16発あり、1回のミサイル発射では4発まで発射できるということを意味しています。なおダメージは、ミサイル1発あたりのダメージなので、命中した場合は命中数分のダメージを算出します。
基本として、他のMSの武装は装備できません。ですが、携行型の実体弾兵器(バズーカやクラブなど)に関しては例外とします。
また、装備できる武装には限界があります。詳しくは各MSデータの装備能力の項目を参照して下さい。
8−3.MSのチューンナップ
現在搭乗しているMSを自分専用に特別に改良を加えてもらうために消費します。次のような改造が可能です。
○耐久力の増加
耐久力を1増加させるの毎に、そのMSの基本功績ポイントの10%の功績ポイント(端数四捨五入)が必要です。ただし、耐久力を増加させることで消費した功績ポイントをそのMSの基本功績ポイントに加えます。さらに耐久力を上昇させる場合は、以前に増加させた分の功績ポイントを加算した基本功績ポイントの10%が必要です。耐久力の増加限界は+10までです。
(例) ザクIIの基本功績ポイントは70です。ザクIIの耐久力を1増加させるには70の10%の7功績ポイント(端数四捨五入)が必要です。2増加させる場合は、さらに70+7=77の10%の8功績ポイントが必要です。つまり、ザクIIの耐久力を2上昇させる場合は7+8=15功績ポイントが必要となります。その後、このザクIIの基本功績ポイントは85となります。
○装甲値の強化
命中箇所判定の装甲値を高くします。ひとつの欄の装甲値を+1する毎に、そのMSの基本功績ポイントの10%×命中箇所の数字(つまりダイスの目に対応する数字)の功績ポイントが必要になります。ただし、13+となっているところの装甲値は増加させることができません。くわえて、ひとつの欄を+2以上に増加させることはできません。13+の欄を除く総ての欄の装甲値を+1ずつ増加させなければ+2以上にすることはできません。装甲値の強化限界は+3までです。
(例) ザクIIの基本功績ポイントは70です。1の欄の装甲値を+1するには70×0.1×1=7(端数四捨五入)の功績ポイントが必要です。さらに1の欄を+1したい場合は、まず1から12まで総ての欄を+1するのに7+14+21+28+35+42+49+56+63+70+77+84=546功績ポイント。さらに1の欄を+1するので7功績ポイントが加算され、合計553功績ポイントが必要になり、このザクIIの基本功績ポイントは623となります。
○局地戦仕様
それぞれの戦場に適応した改造を施します。代表的な改造としては水中戦仕様があります。水中でも戦闘が可能なようにMSのボディ全体を気密にしたり、水圧に耐えられるような改造を施すことができます。これによって水中機動力が得られます。
この他にも、砂漠の砂塵を遮断する防塵フィルターを装備した砂漠仕様や寒冷地での活動用に断熱加工を施した寒冷地仕様があります。GMはPCの要求する色々な地形に対応する改造を考慮して、可能かどうかを決定して下さい。
適応地形 | 必要功績ポイント | 特典 |
砂漠 | 20% | 「砂漠」での地形修正−1を無視できる。 |
寒冷地 | 20% | 「雪原」での地形修正−1を無視できる。 |
熱帯 | 20% | 「湿地」での地形修正−1を無視できる。 |
水中 | 40% | 水中機動力を得られる(地上機動力の1/2)。 |
○機動力の強化
MSの機動力を向上させることができます。そのMSの基本功績ポイントの10%の功績ポイント(端数四捨五入)が必要です。ただし、機動力を増加させることで消費した功績ポイントをそのMSの基本功績ポイントに加えます。さらに機動力を上昇させる場合は、以前に増加させた分の功績ポイントを加算した基本功績ポイントの10%が必要です。機動力を上げた場合、そのMSの活動できるすべての領域の機動力がすべて同時に上がります。機動力の増加限界は+5までとなります。
(例) ザクIIの基本功績ポイントは70です。ザクIIの機動力を1増加させるには70の10%の7功績ポイント(端数四捨五入)が必要です。2増加させる場合は、さらに70+7=77の10%の8功績ポイントが必要です。つまり、ザクIIの機動力を2上昇させる場合は7+8=15功績ポイントが必要となります。その後、このザクIIの基本功績ポイントは85となります。この改造によってザクIIの基本機動力は陸上3/宇宙4でしたが、それぞれに+2され、陸上5/宇宙6となります。空中と水中の機動力は無いため、上昇しません。
○武装ラッチの増設
武器を装備するためのラッチをMSの外装に増設します。1ラッチの増設によって小型の装備(弾倉、グレネードなど)を1つ装備できます。2ラッチの増設によって銃器などの大型の武装を装備できます。ラッチは1つにつきMSの基本功績ポイントの10%の功績ポイントが必要です。すでに装備能力が多く、十分(増設できそうな場所が無い)と思われるMSはラッチの増設はできないとしても構いません。
○外装のモールド/カラーパターンの変更
どちらも、そのMSの基本功績ポイントの20%を消費することによって自由に変更できます。特に外装をオリジナルカラーやモールドにしてもゲーム的には何の修正も付きません(気分的な問題だけ)。同じくパーソナルエンブレムやノーズペイントも可能です。
また、この他にも特別に行いたい改造や変更がある場合はGMと相談の上、必要な功績ポイントを決定して処理して下さい。
8−4.損傷MSを修理する/消耗武装を装填する
シナリオ終了時にダメージを受けているMSは、プレイヤーが新しいMSに搭乗することにしない限り、必ず修理しなければなりません。また、ミサイルやグレネードのような消耗品の再装填も行わなければなりません。それらにも功績ポイントを消費する必要があります。
○ダメージの修復
量産機と高級機によって消費する功績ポイントが異なります。量産機とは功績ポイントが1000ポイント未満のMSを指し、高級機とは1000ポイント以上のMSです。
量産機は、受けたダメージと同じだけの功績ポイントを消費します。
高級機は、受けたダメージ1点に付き、2ポイントの功績ポイントを消費します。
○二次被害判定による特別な損害の修理
受けた追加ダメージの種類によって消費しなければならない功績ポイントが異なります。基本としてそのMSの功績ポイントの15%が必要となります。しかし、サブスラスター破損などの−1のペナルティ程度の軽微な損傷の場合は、そのMSの功績ポイントの5%を消費します。
○弾倉、エネルギー、推進剤の充填
戦闘から帰還したMSは必ず整備を受けなければなりません。整備を受けるためには、そのMSの基本功績ポイントと標準装備以外の追加装備の功績ポイントをすべて加えた総功績ポイントの1%を消費する必要があります。それによって、推進剤や装備されている総ての武装の弾薬、エネルギーの充填を行えます。
○使い捨ての武装、失った武装の再装備
弾倉やEパック、グレネード、ミサイル、クラブ(シュツルムファウスト)、プロペラントタンクなどはすべて使い捨ての武装です。これらは戦闘で使ってしまった場合は、また改めて功績ポイントを消費して装備する必要があります。普通、これらの装備は戦闘中に使用した場合、デッドウェイトとなるために切り捨ててしまうからです。グレネードやミサイルなどは、1つの装備に2発以上の弾が装填されているため、全部使い切っていない場合には、これらの装備は功績ポイントが1発単位で割り切れるようになっているので、1発単位で再装填して下さい。
二次被害判定などによって標準装備を失ったり、固定武装が破損した場合には、カッコの中の分の功績ポイントを消費することで再装備できます。
8−5.その他の特別な待遇
PCが負傷した場合、医務室での集中治療を受ける場合に消費したりします。集中治療の1日に付き、30ポイントの功績ポイントが必要です。
そのほかには、PCが望む特別待遇に対して消費することができます。例えば、新しい船室に場所を替えてもらうためとか、部隊の編成を変えてもらうためなどです。どんなことでも構いませんが、PCのそういう要求に対して、それが可能なのか、可能ならばその行為に対して必要な功績ポイントをGMが判断して決定して下さい。
9.功績ポイントの減少とマイナス
所属している軍隊に貢献した場合に功績ポイントを獲得しますが、逆にその軍隊にとって益とならない行動をすれば、当然功績ポイントがマイナスされます。代表的な例としては、何の明確な理由も無く、出撃したMSが作戦途中に帰還した場合には、敵前逃亡とみなされ、シナリオで得られる功績ポイントは得ることができません(シナリオ失敗とみなされます)。この他、上官命令に対する違反や軍隊内規律の違反、サボタージュなど、GMが判断してその軍にとって益にならないような行動(またシナリオを崩壊させるような行動)をしたPCからは功績ポイントを減少させて下さい。
功績ポイントがゼロで、MSを破壊されてしまった場合には、功績ポイントをマイナスとしてその所属軍での最低限のMSに搭乗することができます。また、何とか帰還できたものの、何ら功績を上げられず、MSのダメージを回復させたり、整備するための功績ポイントが足りない場合には、これもまた、功績ポイントをマイナスすることで修理、整備することができます。しかし、功績ポイントをマイナスにして武装を追加したり、改造を施したりすることはできません。
GMは、功績ポイントがマイナスとなってしまうPCの今までの貢献度や、階級から判断して、たとえ功績ポイントを獲得できないうちに(不幸にも)撃墜されてしまったとしても、チャンスを与えるようにマイナスにしないで適当なMSを与えても構いません。
PCが所属しているのは軍隊です。軍隊には厳しい上下関係を現す「階級」といわれるものがあります。基本として、階級差は軍隊において絶対です。上官の命令は、それが常識のある遂行可能な命令であるかぎり厳守しなければならないのです。もっとも『機動戦士ガンダム』の世界ではあまり階級は意味を持っていないような雰囲気ですが……。
ゲーム上では階級が大きく影響を及ぼすことはありません。ただし、GMのシナリオ上での影響は十分に考えられます。例えば、階級が上がれば友軍の支援を容易に受けられるようになるだとか、部下を持つことになり、MS戦隊の指揮官になることなどです。
PCも軍隊内で一定期間を過ごした場合は、自動的に昇進し、階級が上がります。ただし、こうして過ごすだけで昇進するのは下士官までです。士官になるためにはその軍に貢献し、戦果を上げなければなりません。つまり、多くの功績ポイントを獲得することで昇進するのです。これは獲得するだけでよく、消費する必要はありません。
1つのシナリオを終了し、その獲得した功績ポイントがある一定のポイント以上だった場合に階級が1つだけ昇進します(「生者に二階級特進無し」の慣例から、基本的に二階級以上の飛び越し昇進はありません)。
具体的な期間や功績ポイントについては以下の通りです。PCの階級は「伍長」から始まりますが、参考のため兵卒も記載します。
<兵卒> | 期間 | 功績ポイント | |||
三等兵 | 6ヶ月 | 30 | |||
二等兵 | 6ヶ月 | 50 | |||
上等兵 | 6ヶ月 | 80 | |||
<下士官> | 期間 | 功績ポイント | <士官> | 期間 | 功績ポイント |
伍長 | 6ヶ月 | 100 | 少尉 | ―― | 1000 |
三等軍曹 | 6ヶ月 | 200 | 中尉 | ―― | 1500 |
二等軍曹 | 9ヶ月 | 300 | 大尉 | ―― | 2000 |
上等軍曹 | 12ヶ月 | 400 | 少佐 | ―― | 3000 |
三等曹長 | 12ヶ月 | 500 | 中佐 | ―― | 4000 |
二等曹長 | 12ヶ月 | 600 | 大佐 | ―― | 5000 |
上等曹長 | 12ヶ月 | 700 | |||
准尉 | 12ヶ月 | 800 |
現役のパイロットがなることができる最高の階級は大佐までです。大佐になってからも、5000ポイント獲得する度に記録し続けて下さい。10回以上獲得した場合は、パイロットを引退したときに階級が上がり、准将になれます(なったからといってゲーム上ではまったく影響はありませんが……)。
また、戦死した場合には、二階級特進します(なったからといって別にゲーム上ではまったく意味がありませんが……)。
追加ダメージ判定の結果や搭乗していたMSを撃破された場合、まれにパイロットは負傷します。負傷には4段階があり、軽傷、中傷、重傷、重体です。1度の負傷でキャラクターが死ぬようなことはありません。つまり、重傷などでダメージが大きく、耐久力を超えてしまったとしても、最低1ポイントの耐久力は残っているものとします。もちろん、1度の負傷では戦死しませんが、2度、3度と負傷が重なり、残っている耐久力を超えるダメージを受けた場合は、そのキャラクターは死亡します。また、すでに負傷してダメージを受けているときに重体になった場合は、直ちに2D6をして体力の修正値以下の数が出なければ死亡します。
いずれにせよ、ダメージを受けて耐久力が減少した場合には、治療を受けて、回復するまで休養する必要があります。耐久力1ポイントを回復させるのに1日の静養が必要です。休養している間は当然、MSの操縦は無理です。もちろん、負傷したまま出撃することはできますが、耐久力が1/3以上減少している状態の場合、総ての能力値は1/2(端数切捨て)とみなし、修正値も下降します。また、攻撃を受けたり、急激な加速による衝撃を受ける度に、気絶判定をする必要があります。具体的にはGMが判断して判定等を行って下さい。
集中治療を受ける場合は、1日に1D6の耐久力を回復します。
いずれにせよ、耐久力が完全に回復するまでにかかった日数が、1週間以上かかった場合と重態になった場合には、怪我が治ってもパイロットとしてのリハビリテーションをしなければならない可能性があります。リハビリ判定チャートで2D6をしてその期間を決定します。その期間中は、パイロットとして戦闘に参加することはできません。
戦闘マップ上で撃墜されたり、推進剤を使い切った場合は、そのPCは漂流します。
撃墜された場合に脱出に成功してさえいれば、他のキャラクターのMSがそのヘックスに移動して、1ラウンド費やすことによって、回収してもらえます。推進剤を使い切って漂流した場合は、その戦闘中に撃墜されなければ、他のMSに回収してもらえます。
全PCが撃墜された場合は、状況によってGMが判断し、友軍に回収されたか、敵軍に回収され捕虜になったかを決定します。
『GUNDAM SENTINEL』本編のストーリー中で、ブレイブ・コッドが通常のパイロットでは到底躱し切れないFAZZ小隊のミサイルの雨をかいくぐるシーンがあります。そこでブレイブは、無理な急降下によって、奥歯を噛み砕いてしまうほどの重圧を受けるのですが、それでも反撃に転じて、FAZZ小隊を単機で全滅させます。そんな事ができるのは、そのパイロットの精神力、言い換えるのなら「根性」ではないでしょうか?
当ゲームでは、PCが何か非常に困難な局面を迎えた場合、例えば、敵の攻撃が命中し、命中箇所が装甲の一番薄い場所になってしまったり、後一発しか残弾の無い、最後の射撃を外してしまったり、最も有り得るケースとしては、撃破されたときの脱出判定に失敗してしまった時などに、「根性」=「精神力」を消費することによって、その結果を無効として、もう一度判定のサイコロを振り直すことができます。
また、そういう局面のときに、あらかじめ判定のサイコロに修正をかけることもできます。
「根性」で行える効果としては、以下のようなケースがあります。
「根性」効果 | 消費精神力 | 備考 |
判定サイコロを振り直す | 1D6ポイント | 振り直しは任意回数可能 |
判定時に±の修正をつける | 加算する修正値分 | 精神力の数値と同値分修正値に加えられる |
NT値の代わりに使用する | 1D6ポイント | サイコミュ兵器の運用時は最大2基のみ制御可能(NT1扱い) |
「根性」を使用する場合、「根性」を使用すると宣言の上で行って下さい。
「根性」は精神力がある限り、何度でも使用できます。ただし、精神力が0以下になってしまった場合、Zガンダムのパイロット、カミーユ・ビダンの様に廃人となり、キャラクターはパイロットを引退することになります。
低下した精神力は、心底リラックスできる状態でしか回復しません。例えば、船室で1日中静養した場合は1ポイント回復します。その他にも寄港したコロニーでの休暇や恋人とのデートなどによっても精神力を回復することができます。GMは適度にPCの精神力が回復できるように調節して下さい。
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