GUNDAM SENTINEL RPG ―OutLaws Edition―
ルールセクション
【GMセクション】
本ゲームのゲームマスター(以下GMと略す)をするためのルールです。プレイヤーをするだけの場合は読む必要はありません。
GMとはゲームを遊ぶ上で、シナリオを規定する監督であり、ストーリーを演出する演出家、参加するプレイヤーの行動を判定するレフリー、PC以外の登場人物を演じる役者でもあります。
この章では『GUNDAM SENTINEL RPG OE』のGMを行うためのルールを解説します。
1.GMについて
1−1.GMの仕事
GMはシナリオを作成し、戦場を設定し、PCたちにミッションを与え、敵となるPC以外のキャラクター(ノンプレイヤーキャラクター、以下NPC略)の役を演じます。また敵以外のNPC(例えばPCたちの上官、MS整備兵、作戦を指示するオペレーターなど)の役も演じます。
とにかく、ゲーム上のあらゆる出来事を司り、PCの行動の結果を判断し、ゲームの進行を円滑に進行する役割を担当します。つまり、それだけ大きな権限を持っています。GMが、PCに「ダメです」といったら、それは実行できないのですから! ゲーム上に限定するなら、GMは神にも似た権限を持ちます。なにしろ、戦場におけるPCの生殺与奪権を握っているのです。
しかし、何よりも大切なのことは、GMも含めてゲームに参加した全員が、楽しくプレイできるということがGMには要求され、その責任もGMが負うのです。
1−2.GMの判定
ゲームをプレイしている内に、さまざまなルールでは規定されていない出来事も行えます。PCは自分の思いつくままに、非常に特殊な行動を実行しようと望むことができます。GMはその行動の成否を判断しなければなりません。例としては、MS戦闘中にPCが行動パターンに無い行動「とんぼ返り(『逆襲のシャア』劇中でのクェスの様に)」をしたいと宣言したとします。GMはまずその行動を実行可能か、あるいは実行不可能であるかを決定します。つまり、PCの行動を許可するか、却下するかを決めるのです。「実行不可である」とするのは簡単です。しかし、PCの行動は出きるだけ制限しない方が良いでしょう。完全に不可ではなく、かなり可能性に乏しくても、可能性を与えた方が、PCの感じ方、受け止め方もかなり変わります。
能力値を用いての判定は、能力値の修正値+2D6で基準値10を上回れば成功です。基準値には適度に修正値をかけて下さい。この判定を用いずに、単純に「運」だけで決定する判定もあっても良いかもしれません。ケース・バイ・ケースでGMが決めて下さい。
もちろん、PCの無謀な(ふざけた)行動に対しては、ピシャリと「そんな行動はできない」と却下して下さい。たとえば、戦艦のエンジンノズルに取り付いて自爆する、といったあまり有り難くない行動に対しては、自爆装置が無いとか、対空砲火が激しくて取り付けないだとかの理由を付けて、却下して下さい。リラックスするような適度な笑いは必要ですが、シナリオを崩壊させるような悪ふざけは、他のプレイヤーにも悪影響を与えます。そういう時は、容赦なく制裁をあたえましょう(「白いMS」に遭遇するとか)。
2.NPCについて
2−1.NPCのデザイン
PCを助ける同じ部隊のパイロットや、PCの搭乗する戦艦の艦長や作戦司令官。MS戦隊の隊長や、上官。PCの家族や恋人など。このような味方のNPCは、GMにとって間接的にミッションを成功させるためのヒントを与えたりするのに「使える」キャラクターです。逆に、敵のパイロットや、敵の戦艦の艦長などもまたミッションの障害として「使える」NPCです。GMはこれらNPCを「それらしい」演技で使い分け、外見や個性などを演出して、シナリオを盛り上げる脇役として活用しましょう。忘れてはいけないのがNPCは「脇役」であるということです。PCの見せ場をサポートし、主人公としてシナリオを進行させる手伝い役であるということを徹底させましょう。脇役が出過ぎてしまっては、主人公が霞んでしまいますから。
2−2.NPCの作成
パイロットであるNPCは、PCと同じような能力を持っていますが、必ずしもサイコロを振って作成する必要はありません。GMが、シナリオやPCのキャラクターレベルなどのバランスから、適当と思われるレベルを設定し、作成する事ができます。こうしてNPCでも敵役として作成されたパイロットは、完全にPCと同じように、行動ポイントを持って、GMの決定する行動パターンによって、PCのMSと戦闘します。
しかし、シナリオで出現する総てのMSを、GMがPCと同じような作業で戦闘を処理するのは、まず不可能です。シナリオでは何回の戦闘も行うため、通常の戦闘を行うと時間と手間がかかります。そこで、シナリオに大きく関係するNPCを除く「名もない一般兵」の搭乗するMSを「ザコMS」と呼び、簡単に戦闘処理ができるようにします。通常の能力を持つNPCは、シナリオにライバルとして数名か、指揮官として中隊(12機)に1機ほどで良いでしょう。
2−3.ザコのMS
シナリオでは、実に多くの敵MSが出現します。ですが、そのほとんどがいわゆるヤラレ役である「ザコMS」です。これらザコMSは通常のMSの様に装甲値を持たず、専用の簡略されたデータを使用します(「ザコMSデータリスト」を参照)。また、パイロットレベル(以下PL略)といわれるレベルが与えられており、射撃、格闘、回避の修正値を持ち、行動回数と弱冠の技能を所持します。これは参考例なので、シナリオレベルやキャラクターレベルによってGMが変更を加えても構いません。特に行動回数は、行動ポイントに換算してあまりポイントを消費しない行動なら、組み合わせて行っても問題ありません(例えば、「速射」と「通常移動」や「速射」と「回避行動」など)。あやふやな基準なので、GMが臨機応変に判断して決めて下さい。
行動回数 | (行動P) | 射撃修正 | 格闘修正 | 回避修正 | 技能 | |
PL1 | 1 | 4 | +3 | +3 | +2 | |
PL2 | 1 | 5 | +4 | +3 | +3 | |
PL3 | 2 | 6 | +4 | +4 | +3 | |
PL4 | 2 | 7 | +5 | +4 | +4 | 反応機動1(4) |
PL5 | 3 | 8 | +5 | +5 | +4 | 反応機動1(5) |
PL6 | 3 | 9 | +6 | +5 | +5 | 反応機動2(6) 受け1(5) |
PL7 | 4 | 10 | +6 | +6 | +5 | 反応機動2(7) 受け1(6) |
PL8 | 4 | 11 | +7 | +6 | +6 | 反応機動3(8) 受け2(7) |
PL9 | 5 | 12 | +7 | +7 | +6 | 反応機動3(9) 受け2(8) |
PL10 | 5 | 13 | +8 | +7 | +7 | 反応機動4(10) 受け3(9) |
2−4.ザコの武装
装備されている武装についても、特に回数制限がない限り何発でも撃てるものとします。また、ナンバーされている1がそのMSの主力となる武装で、他はナンバー1の武装が破損、弾切れになった場合に順次切り替えて使っていくものとします。
2−5.モラル
ザコパイロットには、モラルと呼ばれるそのパイロットの戦う意志を表わすパラメータがあります。戦闘で、そのパイロットが恐怖したり、戦意を喪失した場合には、モラル判定を行います。具体的には以下のケースが考えられます。
・その部隊の指揮官のMSが撃墜された場合
・そのMS部隊の半数以上が撃墜された場合
・艦船の護衛をしていたMSがその艦船を撃沈された場合
この他にもPCの行った行動によって、必要に応じて行って下さい(例えば、PCが白兵戦(近接戦)時に「自爆するぞ」と威した場合など)。
モラル判定は2D6を振り、基準値8以下だった場合、敵MSは撤退します。適宜、GMは修正を付けて判定を行って下さい。
3.PCの昇進と権限
PCが昇進することで士官になった場合には、小隊や中隊の指揮官になることもできます。GMとしては、プレイヤーの人数が少ない場合以外は、部下としてのNPCを付けるべきではないでしょう。PCだけによる部隊を編成して、そこで階級が一番上のPCが指揮官をしている。としておくことが無難です。PCの中には、指揮官だからといって目茶苦茶な命令を出したがる人もいるでしょう。そういう場合には、その命令が原因で戦闘において損害が出た場合には、指揮官の能力が問われることにして、降格処分を行うと良いでしょう。指揮官とは、自分の指揮下にある兵士の生命を預かるという重大な責務があるのですから。
4.シナリオのデザイン
GMの重要な仕事のうちに、シナリオのデザインがあります。白地図のシナリオマップに、敵の戦艦や、MS部隊の配備状況、隕石群の場所や、残骸の漂う空域を設定します。つまり、PCたちの戦う戦場のセッティングを行うのです。シナリオデザインに必要な項目としては、以下のようなものがあります。
4−1.ミッション
PCたちが戦場で達成しなくてはならない任務(目的)です。敵を全滅させる、敵を駆逐するといった単純なものから、友軍の偵察用MSの護衛、シナリオマップ上を横切って突破する、シナリオマップの特定の空域を占領するなど。さまざまなタイプのミッションが想定できます。
4−2.ミッションレベル
いわば戦況と、敵の「質」です。敵が勝ち続け、良く訓練された強力な部隊なら高く、貧弱で敗北しかかっている敵なら低いのです。PCのキャラクターレベルと同じか、それよりも1つか2つ低めぐらいでしょう。
ミッションレベル | 想定される作戦 | 備考 |
0 | 訓練 | 危険性のない訓練 |
1 | 遭遇戦 | 遭遇戦程度の小規模な交戦 |
2 | 迎撃戦 | 包囲陣形での迎撃戦 |
3 | 突入戦 | 敵の布陣の完了した戦場に突入する |
4 | 制空戦 | ある戦闘領域を制圧する中規模戦闘 |
5 | 艦隊戦 | 複数の艦隊を投入する艦隊戦 |
6 | 総力戦 | 戦局を大きく左右する大規模戦闘 |
4−3.制圧レベル
プレイヤーがイニシアチブを取れる難易度を表します。GMが戦闘毎にイニシアチブを決定する手間を省くために設定します。プレイヤー側がイニシアチブを決定するためのダイスの出目が制圧レベルを上回ると先行となります。
基本的にミッションレベル+7となります。シナリオの難易度に応じて上下しても構いません。また、シナリオで設定されたエースパイロット(NPC)と遭遇した際など、シナリオの途中で再設定しても構いません。
4−4.敵MS部隊と配備状況
敵のMSの種類とその数、そしてザコMSならばそのPL、加えて敵指揮官や特別なNPCの設定です。また、それらがシナリオマップ上の何処にいるかその場所も決めます。ヒストリカルなシナリオにするなら、敵軍のMSの機種は限定されることになります。
4−5.敵艦隊およびその位置
敵MS部隊と同様にその艦種や数、シナリオマップ上の位置、さらに必要があれば敵艦長の設定を含みます。
4−6.シナリオマップの場所、ヘックスの地形
GMが想定する戦場にふさわしい地形を設定します。本ルールでは地形はすべて「平地」または「宇宙空間」に設定されていますが、必要とあれば「密林」「砂漠」「小隕石空域」などの特殊な地形を作成して、「地形コスト(そのヘックスを移動するのに必要な消費機動力)」と「地形効果(そのヘックスにいる場合にかかる回避値修正)」を決めて下さい。
4−7.シナリオによる経験値と功績ポイント
キャラクターのレベル、撃墜されることが予想されるMS、艦艇によって与えられる経験値と功績ポイントを考慮し、基本となる経験値と功績ポイント決定します。これは、ミッションの成否やミッションレベルによって増減することにしても構わないでしょう。例えばミッションを失敗した場合、経験値と功績ポイントを半減させるなどです。シナリオ全体として、経験値の数量は1〜4レベルまでは1シナリオで上昇しても構いませんが、それ以降では1シナリオではレベルが上がらずに、2〜4シナリオでレベルが上がるペースがお勧めです。功績ポイントは、次の出撃に困らない量で、新しい追加装備がある程度充実できるほどが良いでしょう。3〜5シナリオほどで、新型MSに搭乗できる位が適当でしょう。
ミッションレベル | 経験値/功績ポイント |
1 | 50 |
2 | 100 |
3 | 200 |
4 | 400 |
5 | 800 |
6 | 1600 |
4−8.特別なイベントなど
シナリオマップ上で、特定の場所にきた場合やある一定の時間(ターン)が経過した場合に発生するイベントなどです。例えば、残骸のMSのマシンガンが使用可能だったり、友軍の補給艦とランデブーして弾薬補給できたり、宇宙機雷が散布されていた宙域だったなどです。この他にもGMの考え得る劇的な効果のあるイベントやボーナスイベントを設定して下さい。
(例1)宇宙機雷原 : 宇宙機雷が散布されています。このエリアに侵入したMSは、目標値10の操縦力判定を行います。失敗した場合は、触雷したこととなり、機雷のダメージ3D6を受けます。(目標値はミッションレベルに応じて修正を加えてください)
(例2)濃ミノフスキー粒子 : 高濃度のミノフスキー粒子が散布されています。このエリアでの戦闘では中距離以遠の対象への射撃に−3の修正を与えます。また、ディスクレドームもその効果を発揮できません。
4−9.その他のシナリオ/イベント
このゲームは、MSでの戦闘を主眼としていますが、必ずしもそれだけのシナリオしかできないわけではありません。例えば「休暇中に彼女とデートしていたコロニーで、突然敵MSが暴れまわる惨状に巻き込まれる(敵MSの目的はそのコロニーに隠された新型MSの奪取または破壊)」や「艦内に潜入したコマンド部隊を撃滅する」「部隊内の人物に敵スパイがいることが発覚し、秘密裏に逮捕する」などができると思います。「キャラクターの日常」の項にある「一般技能」などを上手く活用して、PCの日常生活をテーマにしても良いかもしれません。
5.戦況 (選択ルール)
たいていの戦争は、一度や二度の戦闘で終戦することはありません。数多くの作戦でその勝利の積み重ねによって、相手を完全に戦えない状態にまで追いやることができた時、ようやくその戦争に勝利したことになるのです。つまり、個々のシナリオでの成功が、最終的には戦局を大きく変化させ、総合的に勝利することへとつながるのです。
このゲームでも、そんな戦争の流れるような変化を「戦況」として再現します。戦況は、PCのシナリオでのミッションレベルや、ミッションの成否によって、少しずつ影響し、最終的には全体の勝利か敗北にも影響していきます。
なお、このルールは選択ルールとして扱い、GMは自分のシナリオ運営に適しているかを判断した上で導入してください。
5−1.キャンペーンポイント
PCの所属する軍が、その戦争で勝利するために、より多く獲得しなくてはならないポイントです。プレイヤーは、キャンペーンとしてゲームを開始するとき、基本的に10ポイントを持っています。そして、ゲームを続けていくうちに、キャンペーンポイントがある一定の量まで増加すると、その戦争で総合的に勝利したことになります。逆に低下することで、敗戦することになるのです。
勝利するために必要なキャンペーンポイントは、GMが決定します。目安としては30ポイントほどにしておけば、おおむね短くもなく、長すぎもせずにキャンペーンは終了するでしょう。もちろん、もっと大きな数値でも小さな数値でも構いません。プレイする時間に応じて勝利に必要なポイントを設定してください。
5−2.キャンペーンポイントの変化
シナリオが終了する度に、戦況変化決定チャートで2D6をすることで、上下するキャンペーンポイントが決定されます。このチャートへの修正としては、ミッションレベル、ミッションの成否、PCの敵MS撃墜数、PCの敵艦撃沈数が関わります。
つまり、PCの働きによって、顕著に戦況に影響が出るのです。PCが安易な作戦を選んで楽をすれば、他の場所では友軍が非常に厳しい敵の攻撃にさらされていることになるわけです。また、PCが敵MSに出遭っても、逃げてばっかりでは、敵の戦力が減少せず、その分だけ友軍のMSが多くの敵と遭遇することになり、損害がでることになるわけです。PCは、危険を顧みず、それだけ困難な戦闘に勝ち残り、自分の属している軍を勝利へと導かなくてはならないのです。
戦況変化決定チャート (2D6)
出目 | 戦闘結果 | 効果 |
1 | 完全な敗北 | −10 |
2 | 圧倒的敗北 | −5 |
3 | 大敗北 | −4 |
4 | 敗北 | −3 |
5 | 僅差での敗北 | −2 |
6 | 限定的な敗北 | −1 |
7 | 劣勢 | +0 |
8 | 引き分け | +0 |
9 | 優勢 | +0 |
10 | 限定的な勝利 | +1 |
11 | 辛勝 | +2 |
12 | 勝利 | +3 |
13 | 大勝利 | +4 |
14 | 圧倒的勝利 | +5 |
15 | 完璧な大勝利 | +8 |
<修正>
未確認部隊が1つ戦線を突破した度に | −1 |
PCが参加したミッションレベル1 | −2 |
PCが参加したミッションレベル2 | −1 |
PCが参加したミッションレベル3 | +0 |
PCが参加したミッションレベル4 | +1 |
PCが参加したミッションレベル5 | +2 |
PCが参加したミッションレベル6 | +3 |
ミッションの成功 | +1 |
ミッションの失敗 | −4 |
PCの敵機撃墜数(平均) 3機以上 | +1 |
PCの敵機撃墜数(平均) 6機以上 | +2 |
PCの敵機撃墜数(平均) 9機以上 | +3 |
PCの敵機撃墜数(平均) 12機以上 | +4 |
PCの敵艦撃沈数 巡洋艦1隻につき | +1 |
PCの敵艦撃沈数 戦艦1隻につき | +2 |
特殊パイロット(NPC)の撃墜1につき | +2 |
5−3.戦況の悪化
もし、PCが手を抜きすぎたためか、運悪く、戦況が芳しくなく、敗北ばかりで、キャンペーンポイントが減少していくと、いろいろな弊害が出ます。そして、最終的には敗北してしまうことにもなります。弊害には以下のような事項があります。
1)キャンペーンポイント0以下になった場合
シナリオではミッションレベル1の作戦が提示されることがなくなります。
2)キャンペーンポイント−10以下になった場合
戦況は劣勢にあり、MSの残機数に余裕がなくなるため、新しいMSに搭乗するためには、通常の倍の功績ポイントが必要となります。シナリオではミッションレベル2以下の作戦が提示されることはなくなります。
3)キャンペーンポイント−20以下になった場合
戦況はひっ迫してきており、MSの装備、部品も不足してきます。先の状況に加えて、装備の追加、失った標準装備や固定武装の補充に必要な功績ポイントも倍必要になります。戦況変化決定チャートでの修正に−3します。また、シナリオではミッションレベル3以下の作戦が提示されることはなくなります。
4)キャンペーンポイント−30以下になった場合
戦況は敗戦色が濃くなり、まともな補給も受けられなくなります。先の状況に加えて、消費する功績ポイントについては、総てが(整備から集中治療まで)通常の倍必要になります。戦況変化決定チャートでの修正に−6します。また、シナリオではミッションレベル4以下の作戦が提示されることはなくなります。
5)キャンペーンポイント−40以下になった場合
戦況の立て直しは不可能と思われ、全軍撤退を開始します。先の総ての状況が適用され、加えて新しいMSへの搭乗ができず、チューンナップすら行うことができなくなります。シナリオでは必ずミッションレベル6の作戦が提示され、防衛戦を行います。もはや戦況変化決定チャートは使用しません。そのミッションの成否によってキャンペーンの終末が決定されます。
・成功
友軍は若干の損害を出しつつも、速やかに戦場を撤退することに成功しました。増長する敵を食い止めるため、新たな艦隊(師団)を再編成し、数週間後にはまた戦場に出発することになるでしょう。今度こそ敵を撃滅するために……。
・失敗
残念ながら撤退は失敗しました。敵軍は勝利し、PCは非常に残念ながら捕虜として捕えられます。ですが、数ヶ月後には捕虜交換によって自軍に帰還することができるでしょう。ただ、帰還したとしても自軍が圧倒的に不利な状況が変わることはありませんが……。
5−4.負傷休養と休暇中の戦況
負傷休養中でも刻々と戦況は変化します。そのため、休養している1日につき1D6を行います。もし、出目が6であった場合は、戦況変化決定チャートで1度チェックしなくてはなりません。その場合は、キャンペーンポイントの減少による修正のみで2D6をして変化するキャンペーンポイントを決定します。
6.MSの特殊な装備について
ここではMSに搭載できる特殊な装備について説明します。
以下の装備は非常に強力なものが多いため、シナリオで採用するどうかは、各GMが決定して下さい。
一年戦争末期に地球連邦軍技術部のモスク・ハン博士が実用化した技術で、MSの関節部に特殊なコーティング処理を行うことによって、関節部の駆動摩擦を減少させ、運動性と機動性を向上させる効果があります。この技術は特殊処理を定期的に行う必要があるため、専門の技術者と専用の器材が必要となります。
マグネットコーティング処理を行ったMSには「回避値+1・各機動力+1」の修正が追加されます。なお、この処理を行うにはMSの基本功績ポイントの30%の功績ポイントが必要で、処理を施した後、基本功績ポイントに加算されます。
なお、このマグネットコーティング技術が普及する80年代以降のシナリオにおいては、エース専用チューンという扱いで、同様の効果を得られることにしても構いません。
グリプス戦役中期に、エゥーゴのフラグシップマシンであるZガンダムに試験的に採用されたサイコミュ・システムの一種。コクピット周辺に搭載され、パイロットのサイコウェイブを感知し、機体の駆動系に伝達させることによって追従性を高める効果があります。
このセンサーを搭載したMSにニュータイプ・パイロットが搭乗した場合、NT値を使用する際に、NT値の効果に+1の修正が付きます(つまり、NT値の効果が1D6+1となる)。バイオセンサーを搭載する場合は1000点の功績ポイントが必要になります。搭載後、MSの基本功績ポイントに加算されます。
※『機動戦士Zガンダム』劇中のZガンダムが発現したオーバーロード現象(ジ・Oの挙動を止めた)や『機動戦士ガンダムZZ』劇中のZZガンダムが発現したオーバーロード現象(分離したコアブロックがコアトップ、コアベースを引き寄せて合体した)などは、本システム上では再現できません。
グリプス戦役時に地球連邦軍ニュータイプ研究所で開発されたサイコミュ・システムの一種で、主にサイコガンダム系の機体に搭載されています。パイロットのサイコウェイブを検知し、機体制御に反映させることによって、追従性を向上させます。しかし、その代償としてパイロットに多大な精神的負担を与えます。
このシステムを搭載したMSにニュータイプ・パイロットが搭乗した場合、NT値を使用する際に、NT値の効果に+2の修正が付きます(つまり、NT値の効果が1D6+2となる)。なお、この強化人間がこのシステムを使用した場合、副作用判定に+1の修正が付きます。
第二次アクシズ紛争(シャアの反乱)時に開発されたサイコミュ機能を備えた構造材。コクピットの外装フレームに金属粒子レベルに縮小されたマイクロチップを封入し、サイコミュの搭載スペースを減らすと同時に、パイロットのサイコウェイブを感知し、機体の駆動系に伝達させることによって追従性を向上させます。
このフレームを搭載したMSにニュータイプ・パイロットが搭乗した場合、NT値を使用する際に、NT値の効果に+2の修正が付きます(つまり、NT値の効果が1D6+2となる)。サイコフレームの搭載には2000点の功績ポイントが必要になります。搭載後、MSの基本功績ポイントに加算されます。
※『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』劇中のνガンダムが発現したアクシズ落下を阻止した現象(いわゆる“アクシズショック”現象)などは、本システム上では再現できません。
コスモ・バビロニア建国戦争の開戦直前にサナリィの開発したシステム。パイロットのサイコウェイブを感知し、各種機器の統制・制御を支援する操縦系サポートシステムで、機体をパイロットに最適な状態にセッティングします。
バイオコンピューターを搭載したMSに搭乗した場合、行動ポイントおよびイニシアチブの決定にそれぞれ+1の修正が付きます。
さらにバイオコンピューターを搭載することを前提に開発されたガンダムF91とクラスターガンダムは、システムが最大稼動した場合に、システムの強制冷却の副産物として「金属剥離効果(M.E.P.E.)」を起こし、触媒があたかも実体を持った分身のように認識される「残像回避」が行えます。
なお、バイオコンピューターの最大稼働する条件としては、以下の状況が当てはまります。
・僚機が撃破される
・機体の耐久力が1/2以下になる
・追加ダメージを受ける
この状況になる度に、バイオコンピューター起動判定を行います。判定は2D6を行い、目標値12以上の値が出た場合、バイオコンピューターは起動します。起動に失敗した場合、起動条件を満たす度に、さらに目標値に−1をした上で判定を行います(最終的に目標値は2以下になるので、必ずバイオコンピューターが起動します)。
またバイオコンピューターが最大稼動した場合、NT値を使用する際に、NT値の効果に+3の修正が付きます(つまり、NT値の効果が1D6+3となる)。さらにガンダムF91とクラスターガンダムは「残像回避」を行い、命中した攻撃を2/3の確率で無効化します。
コスモ・バビロニア建国戦争時にクロスボーン・バンガードによって開発された最新のサイコミュ・システム。パイロットの頭部に専用インタフェースを接続することによってサイコウェイブを直接機体と同調させて、パイロットの思考のみで機体制御させることが可能です。
このシステムを搭載したMSにニュータイプ・パイロットが搭乗した場合、NT値を使用する際に、NT値の効果に+3の修正が付きます(つまり、NT値の効果が1D6+3となる)。
さらにサイコミュ兵器を運用する際に、使用するNT値1に対して3基のサイコミュ兵器を同時に稼働させることが可能となります。
ジオン公国軍のニュータイプ研究機関、フラナガン機関出身のクルスト・モーゼス博士の開発したシステム。ニュータイプの発するサイコウェイブを感知すると、MSの動力を暴走させ、驚異的な機動力と攻撃力を発揮させる対ニュータイプ迎撃用システムです。しかし、暴走したMSの機動はパイロットの心身に多大な負担を与えます。
このシステムを搭載したMSが戦闘マップ上でニュータイプもしくは同じEXAMシステム搭載機と遭遇した場合(友軍機も含む)、起動判定を行います。判定は2D6を行い、7以上の数値が出ると「暴走」状態になります。もし「暴走」しなかったとしても、毎ターンの先頭で、起動判定を行います。起動せずにターンを重ねるごとに目標値に−1の修正が付きます(最終的に目標値が2以下になれば確実に起動します)。
システムが「暴走」すると、ビーム兵器によるすべての攻撃ダメージに+4、回避値+2、各機動力+3の修正が付きます。ただし、毎ラウンドの最後に搭乗しているパイロットは耐久力を1点ずつ消費します。耐久力が半分以下になった場合は、リミッターが作動してEXAMシステムは停止します。
Sガンダムに搭載された人工知能システム。搭乗者であるパイロットから多くの情報を吸収し、独立した人格を持つに至ります。
搭載された機体及びパイロットの生命に危険が及んだ場合、ALICEは起動し、機体のコントロールを自律的に支配します。ALICEが起動する条件としては、以下の状況が当てはまります。
・パイロットが気絶する
・僚機が撃破される
・機体の耐久力が1/2以下になる
・追加ダメージを受ける
この状況になる度に、ALICE起動判定を行います。判定は2D6を行い、目標値12以上の値が出た場合、ALICEは起動します。起動した場合、その戦闘が終了するまで、ALICEが機体をコントロールします。起動に失敗した場合、起動条件を満たす度に、さらに目標値に−1をした上で判定を行います(最終的に目標値は2以下になるのでALICEが起動します)。
ALICEは全能力値40(修正値10)、全MS技能10レベルを習得したパイロットとして扱います。ただし、基本的に護身的な行動しか取りません。自機や僚機に攻撃を加える目標に対しては、自衛的な攻撃を仕掛けます。GMは「彼女」を母性的な人格あるNPCとして扱って下さい。
ユニコーンガンダムとナラティブガンダムに搭載された特殊システム。機体を構成するサイコフレームと連動しており、パイロットのサイコウェイブを感知して、機体制御に直接的に反映させることが可能です。これによって、パイロットの思考速度並に高速な機体追従性が実現されます。ただし、そのあまりにも先鋭的な機動はパイロットの心身に多大な負担を掛けます。
なお、NT−Dの起動条件としては、以下の状況が当てはまります。
・ニュータイプ(強化人間)パイロットと交戦状態となる
・僚機が撃破される
・機体の耐久力が1/2以下になる
・追加ダメージを受ける
この状況になる度に、NT−D起動判定を行います。判定は2D6を行い、目標値12以上の値が出た場合、NT−Dは起動し、機体はデストロイモードに変形します。起動に失敗した場合、起動条件を満たす度に、さらに目標値に−1をした上で判定を行います(最終的に目標値は2以下になるので必ずNT−Dが起動します)。
デストロイモード時は、すべてのMS行動判定(イニシアチブや行動ポイントの決定、各MS技能判定など)に+2の修正が付きます。またユニコーンガンダムの場合、各部に収納されていた増加スラスターが展開され、高機動型MS扱いとなります(移動に特典が適用されます)。しかし、毎ラウンドの最後に搭乗しているパイロットは耐久力、精神力を1点ずつ消費します。耐久力が半分以下になる、もしくは精神力が0になった場合は、リミッターが作動してNT−Dは停止します。
なお、パイロットが対G薬剤投与システム内蔵の専用パイロットスーツ(功績ポイント50)を着用していた場合は、耐久力の消費はありません。
またパイロットとサイコミュの親和性を向上させる増加サイコフレーム装備「アームドアーマーXC」を装備している場合、NT−D起動判定の目標値には−2の修正が加えられます。またナラティブガンダムが「サイコパッケージ」を装備している場合、NT−D起動時の目標値には−1の修正が加えられます。
NT−Dが起動している間、戦闘マップ上に展開している敵MSのサイコミュ兵器(ファンネルやビット)のコントロールを奪い、自機の武装として利用することが可能になります。この行動はサイコミュジャックと呼ばれ、「サイコミュ兵器」の行動パターンを選択することによって行えます。サイコミュジャックによって掌握したサイコミュ兵器の効果や特典については、通常の「サイコミュ兵器」と同じように扱います。なお、一度ジャックしたサイコミュ兵器はNT−Dが起動している間、掌握し続けることが可能です。
※『機動戦士ガンダムUC』劇中のユニコーンガンダムおよびバンシィが発現したサイコフレームの共振による緑色の発光現象やその際に発生した幾つかのサイコフィールド現象、サイコシャード発生(結晶化)現象などは、本システム上では再現できません。
グリプス戦役時に地球連邦軍ニュータイプ研究所で開発された準サイコミュ・システムの一種。ニュータイプ能力の低いパイロットの微弱なサイコウェイブを増幅して、機体制御に応用させるシステムです。
このシステムが搭載されたMSに搭乗したパイロットがNTレベル0以下だった場合、疑似NT値1レベルを使用することができます。疑似NT値の効果は1D6ではなく、1D3となります。通常のNT値と同じくあらゆる判定に使用することが可能です。
搭乗したパイロットがNTレベル1以上の場合は、バイオセンサーと同じくNT値を使用する際に、NT値の効果に+1の修正が付きます(つまり、NT値の効果が1D6+1となる)。
ガンダムδXに搭載されているサイコミュ・システム。ニュータイプ能力の低いパイロットの微弱なサイコウェイブを機械的に増幅して、サイコミュ兵器の起動を可能とするシステムです。ただし、強制的なサイコウェイブの増幅によって、パイロットの精神には多大な負担が掛かります。
このシステムが搭載されたMSに搭乗したパイロットがNTレベル0以下だった場合、疑似NT値を使用することができます。疑似NT値を使用するたびに、精神力1を消費します。同一ラウンド内で疑似NT値は特に制限なく使用することが可能ですが、消費する精神力はそのたびに1点ずつ増えていきます(つまり、最初に疑似NT値を使用する際は、精神力1を消費し、二回目に疑似NT値を使用する際は、精神力2を消費する。以降、3回目は精神力3とだんだん増えていく)。なお、ラウンドが変わると、また精神力1で疑似NT値が使用できるようになります。
一年戦争末期に地球連邦軍オーガスタ研究所で開発された特殊システム。
EXAMシステムの“暴走”を意図的に再現するシステムで、強力な敵意を感知するとMSの動力を暴走させ、驚異的な機動力と攻撃力を発揮させます。しかし、暴走したMSの機動はパイロットの心身に多大な負担を与えます。
このシステムを搭載したMSが戦闘マップ上で、搭乗しているパイロットよりPLの高い敵NPCが搭乗したMSと遭遇した場合、起動判定を行います。判定は2D6を行い、7以上の数値が出ると「暴走」状態になります。もし「暴走」しなかったとしても、毎ターンの先頭で、起動判定を行います。起動せずにターンを重ねるごとに目標値に−1の修正が付きます(最終的に目標値が2以下になれば確実に起動します)。
システムが「暴走」すると、ビーム兵器によるすべての攻撃ダメージに+4、回避値+2、各機動力+3の修正が付きます。ただし、毎ラウンドの最後に搭乗しているパイロットは耐久力を1点ずつ消費します。耐久力が半分以下になった場合は、リミッターが作動してHADESは停止します。
なお、HADESの試作品にあたるZEUS、AREUS、THEMISも同様の機能を有することとします(なお、AREUSのみパイロットが任意でシステムを起動することが可能です)。
一年戦争末期にジオン公国軍の開発したMS制御システム。パイロットの脳が自身の四肢を動かすための信号を、そのままMSの動作に変換します。これによって、パイロットの思考速度並みに高速な機体追従性が実現されます。このシステムは、欠損した四肢に義肢を装着しているパイロットのみが運用することが可能です。
リユース・サイコ・デバイスを搭載したMSに搭乗した場合、すべてのMS行動判定(イニシアチブや行動ポイントの決定、各MS技能判定など)に+2の修正が付きます。
ネオジオングに搭載されているサイコミュ兵器で、両肩部とスカート側面に装備された発生器をリング状に展開して、光の結晶体“サイコシャード”を発生させます。サイコシャードは、サイコフィールドに限りなく近い現象を意図的に発生させることが可能です。
サイコシャードを使用するには行動パターンで「サイコシャードの起動」を選択し、行動ポイント5を消費することによって、システムを起動することができます。また、サイコシャードの起動にはNT値を使用する必要があります。
発現した疑似サイコフィールドの作用によって、同じ戦闘マップ内にいる任意の目標MSに対して任意の追加ダメージ(二次被害)を与えることができます。同時に追加ダメージを与えられる目標MSの数は、使用したNT値の数と同じとなります。
また、サイコシャード起動中はジャック機能が使用できます。サイコシャード起動中に「サイコミュ兵器」の行動パターンを選択して有線式ビットを使用する場合、オールレンジ攻撃を行う代わりにジャックを行えます。通常のオールレンジ攻撃と同様に命中判定を行い、攻撃が命中した場合、通常のダメージを与える代わりに目標MSのコントロールを奪うことができます。コントロールを奪った後は、有線式ビットの代わりにその目標MSの武装を使用して攻撃することが可能です。なお、一度ジャックしたMSはサイコシャードを起動している間、コントロールを掌握し続けることが可能です。
6−15.サイコスーツ
サイコフレームを組み込んだパイロットスーツの上から着用するウェラブルデバイス。サイコウェイブを増幅させて、ノーマルのパイロットでもサイコミュを利用できるようにする機能を備えます。
サイコスーツを着用したパイロットがNTレベル0以下だった場合、疑似NT値1レベルを使用することができるようになります。疑似NT値は通常のNT値と同じくあらゆる判定に使用することが可能です。
ただし、サイコスーツはかなりの重量をもった重装備であり、着用しているだけで装着者の体力を消耗させます。1回の戦闘ごと(戦闘終了時)に耐久力を1点ずつ消費します。
6−16.マシンヘッド
ダグ・ドールに搭載されているサイコミュの増幅システム。システムを起動させると、サイコミュの情報伝達・処理演算能力を機械的に引き上げ、ニュータイプ能力が低いパイロットでも多数のサイコミュ兵器を同時使用することが可能となります。ただし、システムの運用中はパイロットの精神に多大な負担が掛かります。
マシンヘッドを起動すると、その戦闘ラウンド中、パイロットのNT値を二倍に拡張することができます。代わりに拡張されたNT値と同じだけの精神力を消費します。(例えば、NT値2レベルのパイロットがシステムを起動した場合、その戦闘ラウンド中NT値4レベルとなる。そして、精神力4点を消費する)ただし、ニュータイプ値の上限である6レベルを越えて拡張することはできません。
6−17.ミダスタッチフラッシュシステム
ミダスに搭載されているコンピューターウィルス発信システム。MSの基本OSのバグを突いたコンピューターウィルスであり、複雑な光信号を発信することによって、効果範囲内すべてのMSの光学系センサーを通じてコンピューターウィルスに伝染させ、MSの動作を強制停止させることができます。光学系センサーに予め対策を施していない限り、この攻撃を回避することはできません。
ミダスタッチフラッシュを使用するには行動パターンで「ミダスフラッシュの使用」を選択し、行動ポイント6を消費することによって、システムを起動することができます。システムが起動すると同じ戦闘上にいる敵味方を問わずすべてのMSを強制的に動作停止させることができます。
このシステムを搭載したミダスは二系統の光学系センサーを装備しており、自身の発する光線によって動作を停止することはありません。このシステムに対抗するためには、ミダスタッチフラッシュシステムの概要を理解した上で、同様に光学系センサーを二系統に改造して対策を行う必要があります(その改造にはMSの基本功績ポイントの20%の功績ポイントが必要となります)。
6−18.ギムレットビット
カオスレルに搭載されているサイコミュ兵器。ビット自体には攻撃能力はなく、宇宙細菌「エンジェルコール」を敵MSのコクピットに注入して、パイロットを殺害することを目的としています。ビットにはMS遠隔操作機能が付与されており、パイロットを失った目標MSをビット代わりに操作することが可能です。ただし、ギムレットビットの貫通力はさほど高くはなく、高速で動くMSのコクピットに正確に突き刺さることは困難なことから、随伴するミダスの「ミダスタッチフラッシュ」によって動作停止した状態で使用することを想定しています。
6−19.システムセイレーネ
テラ・スオーノに搭載されている広域マインドコントロール装置。グリプス戦役当時、地球連邦軍のライプチヒ研究所で開発されテラ・スオーノに搭載されました。搭乗するニュータイプパイロットのサイコウェイブを増幅し、同じ戦場に居る友軍兵士のマインドコントロールを行い、理性を失わせることによって死を怖れない狂戦士とさせることを意図して開発されました。
システムセイレーネを使用するには行動パターンで「システムセイレーネの起動」を選択し、行動ポイント5を消費することによって、システムを起動することができます。システム起動後、同じ戦闘マップ上にある目標MS(ザコMS)をコントロール下に置くことができます。コントロールを奪った後は、サイコミュ兵器(ビットやファンネル)の代わりにその目標MSの武装を使用して攻撃することが可能です。なお、一度コントロール下に置いたMSはシステムセイレーネを起動している間、コントロールを掌握し続けることが可能です。
6−20.オフェンスモード
シスクードに搭載された高速機動戦闘形態。機体に設けられたリミッターを解除することによって、超高速戦闘が可能となります。しかし、その加速に伴うGは強烈で、身体機能を強化した強化人間でも耐えられないほどのものです。
オフェンスモードはパイロットが任意で起動させることが可能です。オフェンスモードとなると機体の性能(回避値、機動力)が一時的に向上します。しかし、毎ラウンドの最後に搭乗しているパイロットは耐久力を2点ずつ消費します(強化人間であれば耐久力を1点ずつ消費する)。耐久力が半分以下になった場合は、リミッターが作動してオフェンスモードは停止します。
6−21.ファブニールシステム
デスパーダに搭載されたサイコミュ通信システム。サイコミュを応用したサイコウェイブを用いた双方向通信システムで、本来はテラ・スオーノが感知した情報を護衛機であるデスパーダが同期して、護衛を効率的に遂行するために開発され、実装されたシステムでした。しかし、これを応用することによって、テラ・スオーノに搭乗している高いニュータイプ能力者のニュータイプ能力を強引に借用することが可能です。ただし、システムが未完成のため、送信元のテラ・スオーノのパイロットには大きな精神的負担が掛かります。
ファブニールシステムを起動すると、任意のタイミングで同じ戦闘マップ上にあるテラ・スオーノに搭乗しているニュータイプパイロットからNT値を一方的に借用して利用することができます。ただし、NT値を借用されたテラ・スオーノのパイロットはその都度、精神力に1D3のダメージを受けます。
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