2002年12月8日更新

研究編

とりあえずは,覚え書き程度で御勘弁を(笑)

【研究環境編】
【研究内容:オブリゲーション編】
【研究内容:基礎編】
【研究内容:成果発表編】
【学会等参加編】

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【研究環境編】
1.総論 Top
 僕のいる農学部キャンパスは正式名称をFaculty of Land, Food, and Leisureといい,農業というより環境,食料,観光というキーワードが前面に出ています。御他聞にもれず脱農学色が強いと言えるでしょう。僕はDepartment of Land Use and Rural Managementという部署(学科・専攻に相当)におり,さらにRural and Tourism Research Group(研究室・ゼミに相当)に属しています。
2.各論 Top
図書館:小さいです。他キャンパスの図書館などからの「取り寄せ所」といった方が近いかも。「取り寄せは通常2〜3日でできるから便利」とのこと(試してないけど)。
PC:キャンパス内のネットワークにつながっているPCは全てNT4。したがって教官の部屋に行くとPCが2台あり,インターネット接続用のボロPCとまともな作業用PCとを使い分けてます。僕の場合,雑記帳にも書きましたが,持参PCがネットワークにつなげないので,メールの読み書きは学生用のPC室を利用。今は休みだからガラガラですが,新学期が始まったら学生がたくさんいて使いにくくなると予想。
コピー:まともなコピー機は図書館と学部に1台ずつ。一応コピーセンターのようなところがあり専属の担当者がいますが,そんな人いらないからまともなコピー機を増やせと言いたい(笑)。
プリントアウト:ネットワークにつながっている関係もあり,プリンターは学部に2台(笑)。プリントアウトを実行したら,プリンター室に出向き,プリペイドカードを差し込んで取り出すという仕組み。もちろん,そんな面倒なことをしていられない人はローカルでプリンタを持っています。
電話:専用の電話番号がもらえ,Pay-as-you-useベースで使えます。ただし,平日5時以降と土日はローカル地域とトールフリー以外はかけられません。国際電話は不可。
3.時間の流れ Top
 日本と違い,夜遅くまで作業する人は皆無(夏休みだからかも)。5時には蜘蛛の子を散らしたようにみんな帰宅します。5時半頃に大学を出ると,駐車場には僕の車しかいません(笑)。
 朝は9時には皆揃っています。わがResearch Groupは10時半くらいに20分ほど朝のコーヒーブレーク。12時半から昼食+コーヒーで雑談を1時間ほど。3時頃にティブレークを20分ほど。実働6.5時間程でしょうか? 週30時間台が基本のようで。キャンパス内にスタッフ用のCommon Roomがあって,コーヒー・ティのセット一式が揃っています(1杯20p(37円)を箱に入れておく)。
 土日にキャンパスにいるのは警備員くらい(笑)。僕は何度も土日にキャンパスに行っているので,警備員とすっかり仲良しになってしまいました。
 郷に入れば郷に従えといいますが,朝9時出勤の習慣には従っても(実際8時半には出勤している),その他は従うまいと思っている次第。
4.自分の立場 Top
 Visiting Postdoctoral Research Fellowという肩書き。日本語でいうと「客員ポスドク研究員」。ただし,大学からは研究スペースの提供を受けるだけで,給料がもらえるわけではありません(逆に大学にVisiting Feeを払っている)。ただし名刺はタダでゲット(笑)。とりあえずはSTAFFとしての扱いを受けていて,駐車もSTAFF専用スペースでOK(ステッカーにSTAFFと明記)。コーヒーを飲みたいときも上記STAFF用Common Roomに入室可能(笑)。
 指揮系統は,とりあえずResearch Groupのボスの指揮下に入っていますが,別に彼の指示通り働かなければならないというわけではなく,彼の研究に協力をしながら,アドバイスを仰ぎつつ独自に研究を進めるという感じでしょうか。その具体的内容は下記に。

【研究内容:オブリゲーション編】
1.総論 Top
 結局のところ,国を問わず農業経営の大多数はFamily Businessであり,それに付随して経営継承問題が避けられないという先進国共通の課題が存在します。こっちのボスが取り組んでいるのは,農業経営継承の実態を各国毎に調査し,データベースを蓄積していこうというプロジェクト(“FARMTRANSFER”)。現在までに,イングランド・フランス・カナダ(オンタリオ/ケベック)・米国(アイオワ/バージニア)・日本の調査が終了していて,さらにオーストラリア・韓国・ポーランドでも調査を実施しようという話が進行中。
2.タスク Top
@このデータベース構築の実務作業をすること。A調査項目の充実を図ること。この2つが自分に課されたタスク。これ自体はあまり生産的な作業とはいえないが,誰かがやらないといけないし,データベースを触らせてもらえるので喜んでやるべきだろう。
 余談だが,ここにはSPSS9しかなく,WinXP上で動作保証されているのはSPSS11のみ。俺のPCでSPSS使えないぞ!という問題も発生中(もはや苦笑いするしかない)。
(2002年9月3日追記)9月2日にて,データベース構築の基本作業終了。データの詳細についてはもう少しこちらのスタッフとつめないといけないのだが,一通りわかったので追加や修正は楽でしょう。SPSS使えない問題は,データベースに載せる前段階としてデータベースと同じ構造のエクセルファイルを作り,それをSPSSファイルに変換,コピペで貼り付ける,という単純な手法で対応。分析をかけたりしなければSPSS9のままなんとかOK。
(2002年12月8日追記)上記の時点で,基本的な作業はほとんど終わったと思っていたのだが,加工元のデータそのものを見直さないといけないことが判明。つまり,@アンケートの回答どおりにきちんとインプットされているのか,A回答自体に矛盾がある場合,どのように修正すべきか,の2点をやらないといけない。当初は入力ミスはチェック済みという話だったのだが,いざ見直してみると明らかに入力ミスと思われる箇所もあり,@については日本からの修正版が届くのを待ち,その間Aのチェックリストを作成,といったところ。年内にはデータを確定し,年明けからはバンバン分析できるようにしないと。
 また,SPSS問題は,大学図書館がSPSS11を入れてくれたことで解決。やれやれ。


【研究内容:基礎編】
1.総論 Top
 大きな話で言えば,「英国農業の現状と展望を自分なりに見極め,日本農業の変革に生かしたい」というのが大目標。英国農業に関する研究はさかんだが,農業革命をはじめとした歴史的な考察が多く,現状を扱った研究は少ない(もちろんないわけではないが)。
 ただし,これは言うは易し,行うは難し。「現状を把握する」ことくらいつかみどころのないものはない。「把握」したつもりが,単に自分の思い込みに過ぎないということはよくある。現場重視型の研究者が必ずぶつかる壁と言ってもいいかもしれない。
2.各論 Top
 大目標は果てしなく遠いので,とりあえず足元を見つめることから。
@英国農業に関する研究成果をサーベイする(日本にも多くの研究蓄積がある)。
 時間の節約上日本語文献を効率よく読み,さらに踏み込んだ理解が必要だと思われる分野やさらに進展が見られる分野については,原著を当たりフォローする。
A農業経営者を訪れ,現場の声を聞く。
 2〜3の農場を毎月ペースで訪れ,農場について経営者に話を聞く。年間を通じて農場がどのように運営されていくのかを肌で感じることで,より英国農業のイメージがつかみやすくなる。


【研究内容:成果公表編】
3.Agricultural Economics Society Annual Conference(2003年4月11〜13日:Univ. of Plymouth, Seale-Hayne)
Yanagimura,S/Uchiyama,T/Errington,A/Lobley,M: Characteristics of Farm Transfer in Japan: An International Comparison
(分析中)
2.東京大学大学院農業経営学ゼミ報告(2002年10月22日)
 農業経営学会報告をベースに,3ヶ月間の研究成果と今後の計画について報告[PDF]。
1.日本農業経営学会個別報告(2002年10月13日:岡山大学)
報告課題:我が国における農業経営継承の特質−日英仏加米の国際比較研究から−[PDF]
 こちらのボスが春に英国農業経済学会で報告した英仏加米の比較分析に新たに日本を加えたシンプルな報告。先進各国の中で日本がどう位置づくか,まずはラフに見てみましょうというもの。
0."Carry On Farming?" Conference報告(2002年9月11日:Univ. of Plymouth, Seale-Hayne)
Title: Recent Agricultural Policy in Japan -De-regulation of Farmland Ownership-
 報告予定だった日本の先生の参加が急遽キャンセルになったため,ピンチヒッターでプレゼン。ペーパーだけではどうにもならないので,パワポで日本農業の基礎データや日本の農村の写真,はたまた農地法に関する議論の整理など,突貫工事で仕上げて発表。初めての英語のプレゼンで緊張したものの,いい経験になりました。


【学会等参加編】
1.Rural Economy and Society Study Group Conference(2002年9月18日:Cardiff University)
 農村部の経済社会に関するトピックは何でもあり,という趣旨で集まった研究会。今回の会議では,@Food, Animal and Farming,ARural Environment,BGender,Sexuality and Rurality,CRepresenting the Rural,DRural Governance,Power and Democracy,という5分野。自分に関係の深いのはやはり@。動物福祉の問題に始まり,Sustainable Agricultureの社会的意義とは?,口蹄疫後のフードシステムはどうあるべきか,などなど。自分は聴衆として参加しただけだったが,英国での農村部研究の感じがつかめたという点で有意義でした。



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