京都旅行記2004(後編)
さて、結局この日のフライトだが、
台風の影響で飛行機のキャンセルが決まってしまった。
この時点で翌日の仕事を休むことが決定。
離陸時間から待つこと90分(!)、挙句のキャンセル決定である。
飛行機内では、一人のスチュワーデスとも暇つぶしに二言三言しゃべっていた。
「私も8年乗ってますけど初めてですよ」「次の飛行機でまた会うかもしれませんね」まぁ気さくな人だ。
(「スチュワーデス」って本当は乗務員と言うのが今の風潮だ。今は片方の性を連想させる語は避ける傾向にあるようだが、
私などはスチュワーデスにせよ看護婦にせよ、なんでそれを避ける風潮にあるのか、いまだにわからない)
空港に隣接するホテルも満室とのことで、生まれて初めて空港のベンチで夜を過ごすことになった。
ちなみに私の後ろに座っていた女の人としゃべってみた。同病相哀れむ、といった心境だ。
聞けばその人は、新婚旅行でハワイに行く途中だったらしい。「せっかくなのに1日縮めないと」と嘆いていた。
空港から寝袋がもらえたものの、ベンチがなかなか見つからないし、やっと見つけたら寝袋のファスナーが壊れるし、
ベンチでは当然寝返りは打てないしで、散々な一夜を過ごすことになった。今までのなかで一番疲れた。
9日目。
今日も関西国際空港より。
ベンチでは思ったよりちゃんと寝れた(12時半ごろから結局6時半近くまで寝てた。途中何度か目を覚ましたが)。
朝ごはんを食べ、職場に電話を入れた。そりゃしょうがないから自習の措置を取る、と教頭に言われた。
ご飯を食べたところで暇なので、本を読んだりパソコンを出して論文を書いたり、このエッセーを更新しているところである。
関空から新千歳へのフライトは1日2本。11:15分発と、前の日欠航になった19:00発。
もう関西はおなかいっぱいってなくらい旅を満喫した。疲れていたので早く帰りたい。
そう思って11:15発のフライトを待った。
本を読んだりパソコンで論文を書いたりして待つこと2,3時間。
朝のフライトも欠航決定。
それにしても今回はタイミングが悪い。
前の日は西日本が台風の影響を受け、この日は東日本。
そして私は東に向かわねばならない。こんなタイミングの悪いことがあろうか。
さて、午前のフライトが運休となると、次のフライトまで8時間近くある。
8時間近くを空港で過ごすことを考えるだけでも、暇で苦しくなる。
すると、午前のフライトも欠航になったことを聞いたわが母が、どうせなら大阪に行ってきたら、と提案。
それもそうだな、と思い立ち、急遽大阪行きが決定した。
前置きが長くなったが、これが番外編である。
私は19時発のフライトの予約をしてから、大阪行きの手段を調べた。
バスで行く手もあったが、鉄道を使った。南海の特急ラピート号(ここの「ラピート号のすべて」をごらんください。一度見たら覚えます)。
座席指定でも、大阪難波まで1400円足らず。どうせならということで特急に乗ることにした。
列車も空いていて快適そのもの。40分ほどで難波に到着。
難波、といっても何か狙いがあって選んだわけではない。ただ特急の終点駅、というだけのことで選んだ目的地である。
そして難波に到着。仕方がないから地図を見る。
おっ、道頓堀がすぐそこだ。
ということで道頓堀に行くしかないでしょう。行ってきた。
昼時でもあったので、昼ごはんを食べる店を探していた。そうすると目に付いたのは、あのふぐの看板で有名なここ。
当然入ってきた。ふぐ定食を注文。1700円だが、ふぐのてんぷら、ふぐの前菜にたたき、ご飯、味噌汁がつく。
それにしても旅行先では金銭感覚が少々崩れる傾向にある。
普段の私なら、昼ごはんに千円以上かけようとは思えないくらいなのに。
その後も暑い中、道頓堀や周辺の小道を散歩した。まぁ道頓堀を散歩するというのは、
札幌でいうすすきのを散歩するようなものだと後になって思うが。
その後ちょっと本屋で涼み、地図を見て見つけたあるたこ焼き屋へ向かうことにした。
そこはアメリカ村にある三角公園の向かいのたこ焼き屋。
高校の修学旅行で、初めて大阪のたこ焼きを食べた店なのだ。
熱々でとろけるたこやきが美味くて、強烈な印象が残っているのである。
今回高校生以来、久々にその店に行った。11個入りで300円。大阪だと値段の相場はわからないが、
北海道なら安い方だと思う。いや、値段の相場を考えなくても、この美味さと数で300円なら絶対に安い。
久々に食べたそこのたこやきは、やはり昔のままだった。とろけるようなたこやきで、当然美味い。
今回は京都といいこのたこ焼きといい、タイムスリップをした感覚に時折陥る。来て良かった。
その後時間になったので再び関空に戻り、19:00発の飛行機に乗り、無事離陸、北海道に帰ってきたのだった。
しかし台風で欠航が決まったときは、多少パニックに陥ってしまった。私もまだまだだ。
でも次こうなったら、一度体験しただけに、今度は楽に考えられるだろう。多少疲れるが一日旅行日程が延びるのだから。
まとめよう。
前編は「道に迷って三千里(?)」
後編は「疲れと時間との戦い」
番外編は「行き当たりばったりの大阪」
となるだろうか。
まぁ8泊もすれば(最後の1泊は予定外だったが)、それなりにネタはたまるだろうと思っていたが、
こんなにもネタの豊富な、疲れたがしかし面白かった旅行も珍しい。
京都旅行記のエッセーも、3分割するとは思わなかった。楽しめましたでしょうか。
(2004年9月1日)