■最彼探訪記 〜最終兵器彼女を訪ねて〜 (小樽旅行記)

 ・1日目(その1 地獄坂・旭展望台 〜シュウジの約束の場所〜)

小樽駅前にある長崎屋で、ゴム長を購入する。この先、除雪されていない道を歩く可能性が高いので決断したのだ。店員にあまり雪に慣れていないので、雪道に良い長靴がないかと聞いたら、

「お客さん、内地から?」

そうです。と答えたが、本当に本州のことを「内地」って呼ぶんだと感動した。店員さんもやはり北海道訛りで、ちせとよく似たようなしゃべり方だった。とりあえず、積雪状態が良く分からないので一番安い1,900円のゴム長を購入。これより深い積雪の場合はもはや諦めるしかあるまい。

小樽駅から東へ国道5号線沿いにやや進み、右折して函館本線を跨ぐ。歩道は除雪が簡易的で雪が固めてあるだけになっており、滑りやすい。またこの道、小樽商科大学へ通う人も通るで若い人の通行量が多い印象を受けた。女子高生も通ります。小樽商業高校(ちせの学校)があるからね。制服は最終兵器彼女とは違うけど、スカートの丈って名古屋も小樽も一緒だね。あんなに短くて寒くないの?道産娘強し。ブーツ着用なのは雪国らしいね。

道路標識1
小樽警察署
函館本線またぐ道路。 札幌方面・小樽警察署
旭展望台標識
女子高生
旭展望台を示す標識 小樽の女子高生

小樽警察署を過ぎて、社会保険事務所を越えると、法務合同庁舎があるのだが、ここを斜め左へ曲がる。直進でも地獄坂に合流できることは、翌日実証できたのだが、除雪の程度を考えると左の道を行った方がいいかもしれない。そして、斜め左へ曲がると目に入るのが旭展望台を示す道路標識。結構アピールされている。それを横目に少し歩けば、「緑1丁目・商大通り交差点」という信号で右折したところから、「地獄坂」と呼ばれる傾斜のきつい坂が始まる。この坂は最終兵器彼女では一つのキーワード。ちせとシュウジが毎日この坂を上り、学校へ行き、また展望台へと向かったわけなのだ。愛称は「花穂中央線」とか言うらしい。(多分、根拠は花園地区と稲穂地区の中央を抜けるからだと思う。)

地獄坂1(クリックすると拡大します。)
地獄坂2(クリックすると拡大します。)
コミックと同じ地獄坂! 車道主体の道路です。

地獄坂はこの坂を通う学生がずっと昔に名づけたらしい。急傾斜に加えて、真冬は海からの冷たい風がまさに地獄だという。今日は風が強くなったが、雪道に慣れていない自分は、この傾斜でこの道を歩くのが少々怖かった。それに加えて、車道の雪を歩道側へ積んでいるため、また、建屋側の雪も歩道側へ積んでいるので歩道幅は坂道を上へ進んで行けば行くほど、狭くなる。ちなみにこの地獄坂を示す標識、アニメでは坂に向かって右側に立っているが、実物は坂に向かって左側にある。自動車は左側通行だから進行方向の左側に看板があるのは当たり前であって、アニメの方が間違っているわけだ。もしアニメで地獄坂の標識を右に設けるのが正しいとしたいのなら、字の書いてある方を坂の上の方へ向けるべきなのである。(余談でした。)

地獄坂3(クリックすると拡大します。)
地獄坂4
地獄坂を振り返る。 歩道が雪で狭く…
地獄坂5
地獄坂6(クリックすると拡大します。)
いよいよ! 地獄坂が埋まってるぅ〜

傾斜もだんだんきつくなっているような感じを受けながら、先へ先へと地獄坂を登る。左手前方に小樽商業高校らしき建物が見えてくる。この高校こそが最終兵器彼女の舞台となった高校。戦争勃発後、陸上自衛隊の駐屯地にもなった場所でもある。この高校と相対する道路が「市道松山線」とかいういわゆる旭展望台への道である。ここで嫌なものを目にする。それは以前から知っていた事実なのだが・・・

商業高校
市道入り口
小樽商業高校 やはり、通行止め…

旭展望台への道(市道松山線)は12月1日から4月9日までは積雪のため、通行止めとなる。これは毎年のことで。積雪の有無に関らず、この期間で行われる。知っていたことなのだが、やはりショックである。ちせのためにここまで来た訳だから諦めて帰れません。事実、地元の人や、高校の授業でこのコースは通っているらしい。さぁ、雪中行軍だ!
※1月は歩行さえも困難な程の積雪です。積雪の中を登山するのは大変危険ですので、マネしないようにしてください。

通行止めゲート
市道松山線1
通行止めゲート うぁ!これは行けるのか?

「ここより先、通行止め」というゲートを横からはいり、スキー板もしくは前の人の足跡をたどるように歩く。そうでないと、はっきり言って前へ進めん。足跡を歩くだけでもきついのに、まっさらな場所を歩いてしまうと膝まで埋まる。たまに犬が小便した形跡がある箇所があるので、手をついて転ばないように気をつけなければならぬ。

市道松山線2
遊歩道(クリックすると拡大します。)
登っても登っても着かん! アニメで出てきた場面!

夏に来ないとダメだね、この雪の中。余程の情熱が無い人は絶対やめておいた方がいい。登れども登れども展望台には着かない。新雪が深く積もった直後(自分がそれに当たる)は特に。ずこずこ埋まってゆく。標高が高くなるにつれて足跡も減ってきて、歩く場所(雪が圧雪されている足跡)が無くなってくるのだ。特に辛かったのは塩谷地区から合流する地点。ここは足跡がないので、自分で横断するのだ。絶対ゴム長でないとやれません。

それを乗り切ると、やっとゴール間近。

展望台目前
旭展望台(クリックすると拡大します。)
お、あれが…。 着きました!約束の場所

やっと着いた!と思ったら、なんと先客がいた。カップルだった。肩を寄り添わせて海を眺めている。ちせとシュウジか?なんて一瞬思ったが、大学生っぽいカップルだった。まさか自分が登って来ようとは思ってなかったのだろうか?イチャイチャが目に余る(嫉妬?)。私だってまさか他に人が来ていようとは思っていなかったもん。展望台に早く入りたいけどそんな雰囲気ではない。自分が寒さで鼻をすする音でカップルも自分の存在にようやく気付き、帰っていった。彼氏はともかく、彼女はよくこんな雪深いところを一緒についてきたなと逆に感心してしまった。

まぁ、せっかくの二人の時間を割いてしまったようで悪い気もするが、一先ず撮影をしないとね。

旭展望台看板
展望台内部から(クリックすると拡大します。)
まさしく旭展望台。 ここで、ちせは初キス♪

中にはいると目に入るのが、最終兵器彼女を読んで(観て)、ここを訪れた人が多いことを示す、壁面への落書き。正面の壁面、右の壁面、外壁、天井にまで最終兵器彼女を称える落書きが!落書き自体は褒められた行為ではないにしても作品を愛してはるばる北海道まで来てくれた諸君には本当に頭が下がる。

落書き多し。
最終兵器彼女ファンの落書き(クリックすると拡大します。)
展望台壁面の至る所に… 最彼めぐりの人は多い。

今日は天気もいいので、景色が綺麗。日本海に小樽の町並みが一望。S字型の函館本線がアクセントになっている小樽市中央付近。

右前方眺め(クリックすると拡大します。)
正面の眺め(クリックすると拡大します。)
展望台右前方の眺め 展望台正面の眺め

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