灰のなか夜のいろ  8





 
 次の日の夜――。
 今日は、昨夜よりも随分遅い出勤にしてもらった。前日の仕事終わりが深夜1時。そして、今日の昼に出勤してハートの海賊団の数名に食事を提供した。深い睡眠ができないから年中無休で睡眠不足だが、今日は輪をかけて体が(だる)い。それに気づいている店主より、出勤時間を遅くするよう指示が出たのだ。
 現在時刻は、午後11時。昨夜より3時間も遅い出勤だ。
 目ぇ痛い……。
 眠れないことを知っているローは、顔色の悪さは突っ込んでこないだろうと思う。だが、目の方はどうかわからない。できるだけ自分の表情を隠したいから、今日は少し、眼鏡のレンズに色が入っているものにした。
 (にぶ)い痛みが左目にある。我慢できないほどではないがローにはバレてしまうだろう。右目は、左目を(かば)ってしまうため、疲れが取れていないのがわかる。どちらにしろ、全体的に不調だ。
 できるだけキッチンの奥へ引っ込んでいるつもりでいるが、昨夜も奥へ引っ込もうとするたび阻止された。
 無言で店に入る。いつもは扉を開けると同時に挨拶するが、その気力すら今はない。早足で店主のところに行き、小さく挨拶する。それに、マスターは眉を寄せる。
『無理させすぎたか……』
 小さな小さな呟きが、マスターの口から洩れた。はカウンターで飲むローへと視線を向ける余裕すらない。
 昨夜はローに奥へ行くのを阻止されつつも店内を穏やかに見ていただったが、今は表情がない。
、座れ』
 ローは戻ってきたを呼んで、自分の隣に座るように言った。
『イヤです』
 はっきりと言った彼女にローは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに面白れぇと笑う。
『いいから座れ』
『…………』
 はローを睨んで、一向に動こうとしない。それを見かねた店主が、に視線を投げかけた。大きく息をついたは、諦めたようにローの隣に座る。
『店主、この酒と同じヤツを瓶ごともらえるか』
『構いませんよ』
 ローは自分が今飲んでいる酒瓶を1本貰うと、カウンターに置いた。
『"ROOM"――"シャンブルズ"』
 能力を使ったあとには酒瓶はなく、そこにあったのは1錠の内服薬と1本の目薬。
『水をくれ』
 マスターはローに言われてコップに水を持ってくる。彼はそのコップと内服薬をの目の前に置いた。
『それを飲め。……即効性の痛み止めだ』
 は自分に与えられたそれを眺めやる。
『なんで痛み止め?』
『飲んだら説明する』
 本日2度目の、諦めたような大きなため息がから発せられる。薬を水と一緒に飲み込むと、喉の奥へと流れていくのを感じる。
 海賊に薬なんか貰って飲むとは思わなかったよ。
 胸中での呟きは、口にしない。コトリ、とがコップを置いたのを見て、ローはの方へ体ごと向いた。手元にあった目薬を手に取り、の眼鏡を取る。
『ちょっ! 勝手に何やってんだよ!』
 目を見せたくなくて眼鏡かけてんのに、なんで見せたくないコイツに外されなきゃならないんだ!
 椅子から腰を浮かしたを、ローは立ち上がり目薬を持っていた手で易々(やすやす)と押さえこむ。目薬を持っていない方の手でカウンターに眼鏡を置くと、その目をのぞき込む。
 ちょ! わわわわわっ! 近い近い近い! 目ぇ近い!
『じっとしてろ』
 数センチの距離で目が合って、どうしていいのかわからない。視線を合わせているのが苦痛になって目を閉じると、『開けていろ』と強制的に瞼を開かされた。
 マジ勘弁してくれっ!
 そんな距離で目を合わせることなどしたことがないの脳内は、完全なパニックだ。
 ローはしばらくの目を観察したあと、店主にティッシュを頼む。箱が手元に届いたのを確認して、彼はを上に向かせて下まぶたを引き下げ、そこへ一滴、液体を落とす。
『俺がいいというまで目を閉じていろ』
 言われたままは目を閉じる。ローは眼のふちや皮膚についた液体をティッシュで拭き取ると、目薬の蓋を閉じた。
『昨日もそうだったが、目が痛いんだろう? 左目のせいで右目を酷使(こくし)している。オレの能力でも、それはどうにもしてやれねぇ。痛み止めは左目用だ。目薬には、疲れ目に効く成分を配合してある。そっちは右目用だ』
 鈍い痛みが続いていた左目が、随分と楽になった気がする。
『お前の症状に合わせて俺が作った目薬だ。1日3回、忘れず入れろ。それがなくなったころに、また確認してから次の処方をする』
 次の処方って、オレが船に乗るのは確定なのかよ。

【――先に言っておくが、考える時間をやっても乗らないという選択肢は与えない。たとえ嫌だと言っても乗せるぞ】

 マジか……。勘弁してくれよ。オレが乗ったって、何もいいことないと思うぞ?
『選択肢は与えないと言ったはずだ』
 目ぇ開けろ。
 言われて目をゆっくりと開けると、目の前にはローの目が。
『……っ!』
 驚いて目をみはったと、ローの視線が絡み合う。

【悲劇のヒロイン気取ってんじゃねぇぞ。逃げてても仕方ねぇだろうが。海軍だって馬鹿じゃねぇ、今は騙せていてもそのうち見つかる。だったら、覚悟を決めろ】

 意志の強い瞳。だからこそ、彼は船長として皆から慕われているのだろう。
 はそっと視線をはずして、椅子から腰をあげる。カウンターの上にあるコップを手に取り、キッチンへと向かいながら。
『ありがとう』
 まともに顔を合わせてなんて言えない。今の自分には、これが精一杯だ。



 そして、次の日の夜。
 明日にはログがたまり、ハートの海賊団は島は出航する。今夜が最後の夜になる。マスターからは店に出なくていいと言葉をもらった。たぶん、気付いているのだろう。
 昨日のあのときまで、自分はここを離れるつもりはなかった。

【選択肢は与えないと言ったはずだ】

 はじめて会った夜に、そう言われた。昨夜、同じセリフを言われた。ローは本気で自分を船に乗せようとしている。
 は自室をぐるりと見渡す。生活感のない部屋。マスターから借りているこの部屋にあるのは、備え付けのクローゼットとベッド。カバンが一つ。
 カバンに少ない服と眼鏡を詰め込み、ポケットにナイフと昨夜貰った目薬を入れ、スニーカーを履く。
 オレはどうしたいんだろう?
 部屋を出て森へ向かいながら自問自答する。
 黒いパーカーとジーンズ、黒いスニーカー。ついでにカバンも黒だ。そうすると闇に紛れることができる。
 森を抜けると、海岸線に出る。その先は崖になっていて、人はこない。どうしても疲れがとれないときはここに座りこんで海を見ていた。さすがにこの場所で寝ることはできないが、目の疲れは取ることができた。
 パーカーのフードを被って、完全に気配を遮断する。
『さすがに夜は冷えるなー』
 この景色を見るのは今日で最後だ。しばらくは戻れないだろう。――たとえ自分の能力があったとしても彼が頷かなければダメだ。
『ってか、乗るの前提かよ』
 二度目の自問自答は、ものの数秒で終わった。
 結局、自分は乗ることを選んだ。
 どうにかして乗らない選択肢を、無意識に選ぼうとした。自分は怖いのだ、船に乗って、自分が手配書の人間だとバレて追われるのが。覚悟を決めるなんて、簡単なことじゃない。自分の性別を偽って、仮面をかぶって生活していたのも、怖いからだ。ようやく手に入れた日常を、壊されたくないのだ。
 けれど。
 あの目を見て、逃げられないと思った。自分の恐怖を根こそぎ見透かされた気がした。あの台詞を聞いて、今の生活を捨てようと思えるほど心が震えた。

【――先に言っておくが、考える時間をやっても乗らないという選択肢は与えない。たとえ嫌だと言っても乗せるぞ】

 傲慢にもとれるその台詞は、オレにとっては蜜に思えたのかもしれない。シャンクスにも、言われたことはない。
 あの男のそばにいれば、偽らざるオレをさらけ出せるかもしれない。こんなことを思ったのは、はじめてだ。
『随分探したぞ』
 がさり、と草を踏む音が聞こえる。
 わざわざ探しに来たのか、船長自ら。
 あぁ、ダメだ。覚悟なんて全然出来てない。だけど、この男のそばにいたいと何故か思うんだ。そんなこと、この男には口がさけても言わないけどさ。



 覚悟のかわりに、オレには船に乗る理由が必要だった。――自分で自分を納得させるための、口実だろうと。聡いキャプテンには見透かされていたかもしれないけど。

【この船に乗って、みんなと一緒に笑ってても……あの男を見つけたときがオレの最期だって、ずっと思ってた】

 オレの、覚悟のかわりがこれだった。ずっといつかは、と頭の片隅にあった感情で、この船に乗るまで忘れていた感情だった。それを思い出させたのは他でもない――トラファルガー・ローだ。
 この感情が間違いだってわかってた。クルーのみんなに自分の過去をはなして、みんながオレのことを真剣に考えてくれてるって知って、嬉しかった。
 マスターはオレのこと、かわいがってくれてたし、オレも尊敬してたけど……やっぱり一人だった。それが、この船の中では違った。人の気配はオレを眠れなくさせたけど――それよりずっと、大切なものだと思った。

【毎日同じ時間に起きるお前なら、俺が使うより価値があるものになる】

 ポケットにある懐中時計。少し古びたこれは、今までキャプテンが使っていたものだろう。
 自分が持っていた時計を、何故自分に渡したのだろう? 確かに、時計は持ったことがない。けれど、本当にそれだけだろうか。
 真意が見えないことに、不安が募る。










 時計をに渡すのに、特に理由はなかったはずだった。操舵室でペンギンととの気安い会話を聞くまでは。
 いつの間にそんなに仲良くなったのか知らないが、自分といるときだけ気を緩めていたが、ペンギンにも気を緩めるようになっていた。それが、気に入らない。
 の持ってきたコーヒーを飲みながら海図を見ているが、頭に入ってこないうえ、ベポがコーヒーを飲み終わり操舵中のペンギンと交代すると、イライラがさらに募る。
 ――その感情に、納得せざるを得ない。
「キャプテン、いつもの5倍増しになってますよ、眉間のしわ」
 いけしゃしゃと言ってのけたペンギンの口が笑っている。
「俺は(さい)を投げただけ。それを受けるも外すも、貴方次第じゃないですか。いちいち反応が可愛いとは思うし揶揄(からか)って遊ぶのも楽しそうですけどね、そんな反応示すのも、貴方に関しての言葉だけですよ」
 笑みを浮かべたまま、ペンギンは言葉を続ける。
「時計、渡したんでしょう? シャチの前では出さないよう忠告はしましたけどね」
 コーヒーを飲みながら、ペンギンがローを見る。そらすことをせずまっすぐに見てくる彼に、自分と同じ感情を見ることはできなかった。
「あの子は気付きませんよ、ちゃんと言わないと。そういう感情は、置き忘れてきているみたいですから」
「あぁ……そうみたいだな」



 にはじめて会った日、俺はの動きが気になった。不躾なのを承知でずっと見ていた。
 そして次の日の夜、店に行ってもはいなかった。
『今夜と明日の夜はお休みです』
 店主は、俺が何を思っているのか気付いたように、そう言ってきた。
『違いましたか?』
 この男、よく見ていると思う。海賊相手に、よく平気でいられるものだと何度も思う。
『貴方は気付いているんじゃないですか?』
『―――……』
 何に対しての問いなのかわからず、無言を通す。
『あの子は、この子自身を故郷に置いてきたんです』
 ローは無言のまま、視線を店主へと向けた。右手に持つグラスの中の氷が、カランと涼やかな音をたてた。
『雇い主であるわたしがどれだけ頼んでも、嫌なことは嫌だとはっきり言うんです。ここでの仕事も、嫌な相手が来たなら奥へ引っ込んで出てきません。それがこの2日、ちゃんと出てきている。――つまり、あなた方を嫌いではないということです』
 店主はまっすぐ、ローを見る。
『船に乗らないかと海賊からの誘いは山のようにありましたけどね、あの子は受けませんでした。無理矢理連れて行こうとした者もいましたけど、それも力でねじ伏せましたよ。まあ、見掛け倒しではありましたけど』
 つまり、それだけの戦闘力があるということだ。
『こんなところで(くす)ぶらせるのは惜しいと思ってはいますが、あの子がその気にならなければどうにもこうにも』
 それは遠回しに、俺に連れていけ、と言っているのか?
『海賊にしたいのか?』
『追われる生活はあの子を苦しめるでしょう。でも、そうでもしなければ、あの子は自分を取り戻すことができないと思っているんです』
 わたしはあの子に、あの子自身を取り戻してほしいんですよ、わたしのエゴだとしても。
 店主はローに新しいグラスを渡しながら、苦虫を潰したような顔をした。
『あいつの意思を無視していないか?』
『それも十分、承知の上です。もし、わたしの見当違いであって、貴方があの子に害する人間なら、それ相応の対処をするだけです』
 苦く笑ったままの店主に視線を向ければ、その目は笑っていなかった。それを見て、只者ではないと思う。
『何者だ?』
『この酒場の店主ですよ』
 先ほどとはうって変わって、にやりと笑った店主に「猫被りはあいつだけじゃねぇようだな」と言葉を放つ。
『興味深い方だ』
 店主は言いながら、1本の酒瓶をカウンターに置いた。
『これは冬島の、とある場所でしか作られていないものでね、島外に出ることは稀なお酒なんです』
 黒と見まがうほど深い青色の瓶に、透明の液体。
『アルコール度数はそれほど高くないし、どちらかというと甘いんですが、貴方にお渡ししておきます。貴方の好みではないでしょうが』
『なぜこれを?』
『なぜでしょうね?』
 やはり食えない男だと思う。この男と一緒にいるのだから、猫かぶりが上手くなるはずだ。
『わかった、もらっておく』
 ローはその瓶を手に取りしばらく眺めると、腰をあげた。
『お帰りで?』
『あぁ』
 ローは酒瓶を片手に、店をあとにした。



 次の日の夜は何事もなく過ぎていく。
 強い酒を少量ずつ飲みながら、の目について考えていた。
 初日に見たあの灰色の瞳が忘れられなかった。
 自分の目を隠すためだろう、長い前髪と眼鏡。少しだけ自分と交わった視線が、思いのほか強いことに気付いた。目の力は強いのに、瞳の色がくすんでいる。それでふと思い出したのだ――あの手配書を。
 手配書にある少女の目は怒っていたのだろうか、目尻があがっていた。その目が印象的で覚えていたのだ。それに、とても似ていたのだ、初日に見た目が。
 左目はほとんど見えていないからか、時折、両目を細める仕草をする。右目を酷使しすぎて、ピントがずれてきているのだろう。
 考え事をしながら酒を飲んでいるのを気付いているのか、店主はキッチンへ消えている。
 もうそろそろ、あの目は痛みを感じているだろう。右目を酷使しすぎて、全身に異常をきたしている可能性もある。
 ローは酒瓶を1本貰うと、船へ戻ることにした。



 4日目の夜。
 は開店してから随分してからやってきた。
『無理言って悪いな』
 店主の言葉には両肩をすくめてみせた。
『悪いと思ってるなら無理言わないでくださいよ』
 店主の横を通り過ぎながら小声で何かを言うと、それに小声で返答が返る。
 着替えて戻ってきたが、今日は奥にいると言いながらこちらに視線を向けた。視界の端にそれを捉えることができたが、あえてそちらへは向かなかった。いつもどおりの恰好でグラスを傾ける。
 すぐに視線を外したを名前を呼ぶことで引きとめ、奥へ入ることを拒んだ。
『知っていたんですね』
『あぁ、山賊に絡まれているのを助けたときにな』
『絡まれた? ――あぁ、いつもの場所か……』
 絡まれることがあるなら違う道を歩けばいいのにと思うが、そこはあえて突っ込まない。それよりも、よく絡まれることの方が問題だ。
 そんな話を店主としていると、その隙には逃げようとする。それを視線で阻んで、身動きできないようにした。
 の目が少し細められた。やはり、右目のピントがあってないのだろう、相当な疲れがたまっているのか。
 少し不機嫌な色を宿してこちらを睨み、はそこにいることにしたようだ。
『あそこだけ暗いですからね。まあ、あの場所に隠れているのは大したことない連中ばかりですけど』
 店主はどうやら、隠すことをやめたらしい。そんな会話をしている間も視線を向けると、欠伸を噛み殺す姿。
 ――相当参っているな。……早めに作るか。
 猫を被るに長けた彼女は痛みすら表に出さないようだが、眠気だけはどうしようもないらしい。
 脳裏でこれからやらなければならないことをつらつらと考えていると、がカウンター内に入ってきた。
 慣れた手つきでシェイカーを振りグラスへ注ぐのを無言で眺めると、それは自分の目の前に置かれた。
『スレッジ・ハンマー。ウォッカで35度あるけど、酒に強いあんたなら飲めるだろ?』
 確かに酒は強いが、自分を見失うほど酔う飲み方はしない。それをわかっていて、この酒を作り、勧めたのだろう。
 一口飲んで、喉に通るアルコールを堪能する。はじめて飲んだが、自分に合っている。
 にも飲めと言ってみたが、案の定、きっぱりと断られた。
 ――さて、これを飲んだら船に帰るとしよう。明日のための準備が必要だ。



 5日目の夜。
『無理させすぎたか……』
 店主の口から漏れた呟きに、やはりと思う。もうそろそろ限界だろう。
 着替えて戻ってきたに、自分の横へ座るよう言ったが、はっきり『イヤです』と断られた。NOがはっきりしていると聞いていたが、ここまで言い切られると、逆に心地いい。
 睨んで一向に動こうとしないが、それでも店主に促されて俺の横に座った。
 店主に自分が好んでここで飲んでいる酒瓶をもらい、船の自室の、とあるものとを移動させる。
 水をもらい、そのコップと一緒に1錠の内服薬と1本の目薬を置いた。昨夜、帰ってから朝方まで医務室でこれを作っていた。
 痛み止めだと説明し、諦めたようなため息をつきつつ飲み込んだの目を、今度は無理矢理開かせて診察する。普通の人ならなんてことはないその行為が、にはパニックになるくらいの行為なのだと知って、面白くなった。
 目薬を入れ、目を閉じさせる。
『お前の症状に合わせて俺が作った目薬だ。1日3回、忘れず入れろ。それがなくなったころに、また確認してから次の処方をする』
 の目元が、その言葉にぴくりと反応した。
 こいつはたぶん、こう反論したいだろう。

 ――乗るの確定かよ! と。





          



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