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人形幻戯/西澤保彦 |
2002年発表 講談社文庫 に24-15(講談社) |
*1: 歩いて電柱にぶつかるよりも衝撃は弱いはず――置き時計は電柱と違って固定されていない――ですし、ぶつけるのが後頭部ならまだしも額なので、それで命を落とすとは考えにくいものがあります。
*2: 例えば、広海と気吹部の間に肉体関係があったというのはやりすぎかと思います。 *3: 毎度のことですが、〈チョーモンイン〉の設定がうまく生かされています。 *4: 読者が共感しやすい心理や考え方を序盤から重ねて示しておき、それをエスカレートさせたような真相を納得させる手法は、泡坂妻夫〈亜愛一郎シリーズ〉(の一部の作品)に通じるところがあります。 *5: 八栄子自身の記憶が消去されているために、“八栄子が犯人”という真相からしてカットバックによる客観的な形で示すしかない(説明されても八栄子が納得できるはずがない)ということもあるかと思われます。 *6: “その後しばらく何事もなく過ぎた。”(278頁)後に小旧まどかが登場してくるわけで、超能力者だと特定されながら〈チョーモンイン〉が補導していないことになります。ということは、超能力の不正使用とは判断されていない、とも考えられるでしょう。 *7: そのために作者としては、語り手の馳間美代子が直接の体験で真相を知る形にせざるを得なかったわけですし、美代子に真相を悟らせるために超能力者の素性を事前に明かしておく必要があった、ということでしょう。 2015.06.14読了 |
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