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長靴をはいた犬/山田正紀

1998年発表 講談社ノベルス(講談社)

 前半で“真犯人”が明らかにされてしまうこの作品は独特の構成ですが、終盤にも一つの謎が配置されています。それは、“降振小夜子を殺したのは誰か?”です。この問いに山田正紀は恐るべき解答を用意しています。“増殖する殺意”という意味では本人の以前の作品(以下伏せ字)(『鏡の殺意』)(ここまで)を思い起こさせますが、この最後の実行犯、そして事件全体の構図をみてみると、有名な海外古典作品(以下伏せ字)(エラリイ・クイーン(バーナビー・ロス名義)『Yの悲劇』)(ここまで)を意識した作品であるのかもしれません。

2001.01.06再読了