山田正紀作品感想vol.9

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妖鳥{ハルピュイア}  山田正紀

ネタバレ感想 1997年発表 (幻冬舎ノベルス)

[紹介]
 “わたし”は混濁する意識の中で覚醒した。ここはどこ? 暗闇を凝視して記憶を辿るが、どうしても思い出せない。ここはどこかの部屋。もしかしたら、金庫? なぜこんなところに? そして“わたし”は誰……?
 先輩刑事の見舞いに聖バード病院を訪れた刈谷は、患者の死に際して看護婦が見せた笑顔の謎を解くよう頼まれる。“女は天使なのか、それとも悪魔なのか?”――答えを求めて病院内をさまよう刈谷は、いつしか頻発する怪事件にはまり込んでいく。密室内で殺害された重病患者、突然炎に包まれた看護婦、空を飛んだ死体、そして“見えない部屋”の謎……。

[感想]
 山田正紀の幻想ミステリ大作第一弾です。序盤から幻想的な雰囲気を前面に押し出し、魅力的な謎を提示しながら、解決の向こうにどこか割り切れないものを残すことで、現実と幻想、そして善と悪の境界を曖昧なものにするというこの路線は、続く『螺旋』『神曲法廷』にも受け継がれています。

 この作品では、“白衣の天使”である看護婦が垣間見せた悪魔的な微笑をもとに、“女は天使か悪魔か?”というテーマが追求されています。そして、それに奉仕するかのように展開される、閉じ込められた看護婦の回想や、病院内の怪しい人間模様によって、聖バード病院という舞台が異界へと変貌していきます。

 次から次へと起こる怪事件、あまりにも多用されすぎている謎の言葉など、ネタを詰め込みすぎという印象はありますが、ボリュームにふさわしい意欲的な作品であることは間違いありません。

2000.11.27再読了

螺旋{スパイラル}  山田正紀

ネタバレ感想 1997年発表 (幻冬舎ノベルス)

[紹介]
 房総半島では、建設中の地下水路・第二房総導水路<をめぐって、環境保護団体による反対運動が繰り広げられていた。その上、事業の受注に関する贈賄疑惑が浮上し、新聞記者・垂水らは会社社長・都築をマークしていた。その最中、環境調査に訪れた学者が怪死を遂げ、さらに都築までもが殺され、その死体は第二房総導水路に流されてしまった。しかし、途中のどこにも出口がないはずの、いわば全長6.5キロに及ぶ“密室”から死体は消え失せてしまう。事件前に現れた牛背{モーセ}と名乗る怪人物の正体は? そして旧約聖書と符合する数々の不思議な現象は……?

[感想]
 “神宿る土地”房総半島を舞台に繰り広げられる、山田正紀の幻想ミステリ大作です。この作品では旧約聖書をモチーフに、『妖鳥』にみられた独自の路線がさらに追求されています。相変わらず詰め込みすぎの感はありますが、それでも前作よりはだいぶすっきりしています。それはやはり、“神宿る土地”という舞台が謎の中心として据えられ、ほぼすべての謎が土地と結びつけられているからでしょう。その意味で、“風景心理学”を提唱する風水林太郎は、この事件の探偵役として適任であるといえます。

 トリックに一つ大きな穴があるのが残念ですが、全編を覆う幻想的な現象は、それすらも気にさせないほどの魅力にあふれています。傑作といっても過言ではありません。

2000.12.26再読了

阿弥陀{パズル}  山田正紀

ネタバレ感想 1997年発表 (幻冬舎ノベルス)

[紹介]
 「ねえ、こんなことってありますか。人間ひとり、どこかに消えてしまったんですよ」――ビルの十五階にある保険会社に勤める今村茂と、その同僚で交際相手の中井芳子の二人は残業を終えてエレベーターで1階に降りてきたが、芳子は“忘れ物をしてきた”と告げて再度エレベーターに乗り込んだ。しかし、オフィスに戻ったはずの芳子は姿を消していた……。
 警備員の檜山と倉本、そして新聞配達のアルバイト・風水火那子の三人は、人間消失の謎を解こうと奮闘するが……。

[感想]
 幻想ミステリ大作の『妖鳥』『螺旋』とはうってかわって、比較的シンプルな謎を論理的に解明していく作品です。

 謎がシンプルであるだけに、多数の仮説が次々と提示されていくところが最大の見所です。これらの仮説はいずれもそれなりの説得力のあるもので、アントニイ・バークリー『毒入りチョコレート事件』などにも通じる魅力を持っているといえます。そして、その仮説が否定されていくとともに次第に暴かれていく、ビルの住人たちの怪しげな正体も見物です。また、視点人物である警備員の檜山のどこかユーモラスなキャラクターも見逃せません。

 最後に明かされる真相も、まずまず妥当なものだと思います。ユニークな本格ミステリといえる作品でしょう。

2001.01.01再読了
【関連】 『仮面』 『風水火那子の冒険』

神曲法廷  山田正紀

ネタバレ感想 1998年発表 (講談社ノベルス)

[紹介]
 異端の建築家が作り上げた野球場〈神宮ドーム〉で起こった放火事件を契機に、法曹関係者をめぐる怪事件が発生した。「神宮ドーム放火事件」における防火管理責任を問う裁判の直前に、絶対に凶器を持ち込むことができないはずの東京地裁の控室で担当弁護士が刺殺され、さらに裁判官室から出られなかったはずの担当判事が、なぜか法廷の被告人席で絞殺されてしまう。神の声を聞く検事・佐伯神一郎が事件の謎を追い求めるが……。

[感想]
 ダンテ『神曲』をモチーフに書かれたユニークな本格ミステリです。まず何といっても、“神の声を聞く探偵”という設定が秀逸です。笠井潔氏も解説で指摘している通り、最初から探偵を神の立場に置くことによって、いわゆる“後期クイーン的問題”を軽々とクリアーしている上に、ご都合主義との批判を無意味なものにすることに成功しています。また探偵役である佐伯が“神の声”をあっさりと受け入れるのではなく、精神分裂病ではないかと自らを疑いながら、取り憑いた“神”に懸命に抵抗しようとしており、『神狩り』『弥勒戦争』など初期のSF作品にも通じる山田正紀の永遠のテーマ・“神との対決”を再現している点も見逃せないところです。

 個々の事件は、特に“How?”はさほどのものではなく、拍子抜けするほどあっけないトリックも使用されています。しかし、それらの事件が組み合わされて浮かび上がってくる“Why?”はよくできており、それが圧倒的な迫力の終幕へとつながっていきます。

 司法制度の問題点や日本人論にまで踏み込む一方で、神曲のモチーフや“神の声”といった設定により作品に超現実性を導入する手腕はさすがです。例によってやや詰め込みすぎではありますが、山田正紀の幻想ミステリ大作の頂点といってもいいでしょう。

2001.01.02再読了
【関連】 『長靴をはいた犬』

仮面{ペルソナ}  山田正紀

ネタバレ感想 1998年発表 (幻冬舎ノベルス)

[紹介]
 出口の見えない不況の中、経営難に陥ったクラブで行われるお別れの仮装パーティ。魔女、道化師、小鬼、死神、AV女優、マリリン・モンロー、オフィーリアに扮した七人の男女が集った店内で、相次いで発生した毒殺事件。風水火那子の推理によって事件は一応の解決をみたかに思えたのだが、火那子のもとに送られてきた関係者の手記は、隠された真相を暗示するものだった。そして今、火那子に危機が迫る……。

[感想]
 『阿弥陀』に続いて風水火那子が登場している作品です。作品の構成は一風変わったものになっていて、冒頭こそ普通に記述されているものの、そこから一気に“解決”後まで時間が飛び、事件自体は火那子の回想と関係者の手記が交錯する形で記されています。この構成は作者の技巧が凝らされたもので、ミステリの可能性を追求した、非常によくできたものといえるでしょう。ただ、仕方のないこととはいえ、あるポイントがわかりやすくなってしまっているのが若干残念に感じられます。

 題名の“仮面”は、当初はモチーフに使われているポオの「赤死病の仮面」(=マスク)のことを指しているように思えますが、次第に心理学用語の“ペルソナ”へと意味がシフトしていきます。この作品では、仮装パーティが舞台となっていることもあって、ペルソナ(ロール・プレイ)が重要な要素となっているのです。“名探偵”というペルソナをつけた火那子が、仮面を外すしぐさをするラストは、ミステリからの彼女の退場を暗示しているのでしょうか。

2001.07.14再読了
【関連】 『阿弥陀』 『風水火那子の冒険』

長靴をはいた犬 神性探偵・佐伯神一郎  山田正紀

ネタバレ感想 1998年発表 (講談社ノベルス)

[紹介]
 「犬男が『女を襲え』といったんだ」――犬神伝説の残る下町・劭疝{しょうせん}地区で発生した婦女暴行殺人。現場に残された長靴の跡を決め手に逮捕された男は、法廷で奇怪な発言をした。責任能力の有無が争点になるとの大方の予想を裏切り、弁護士は無罪を主張する。それを裏付けるかのように、まったく同じ手口の第二の事件が発生したが…… 。

[感想]
 シリーズ前作『神曲法廷』と同様に、“神の声”を聞く探偵・佐伯神一郎を媒介にしてミステリに“幻想”を導入するという路線を継承しながらも、やや変格寄りへと踏み出した作品です。探偵役の佐伯は意外な形で再登場しますが、その“神性推理”は前作に輪をかけた冴えをみせ、何と前半部分で“真犯人の名前”が指摘されることになります。ところが、その時点では佐伯も、また指摘される当人自身も、事件と“真犯人”との関わりがまったく不明なままです。かくして、事件の奥に隠された真実、““真犯人”はどのように事件に関わっているのか?”が追求されていきます。独特の奇妙な味を持ったミステリといえるでしょう。

 またこの作品では、〈劭疝犬神宮〉を中心とする劭疝地区が、犬神伝説に支配される“異界”として見事に描き出されています。一種の超現実的な場におけるミステリ、SFミステリの一環としてとらえることができるかもしれません。

2001.01.06再読了
【関連】 『神曲法廷』

氷雨  山田正紀

1998年発表 (ハルキ・ノベルス)

[紹介]
 経営していた工場が倒産し、多額の負債を抱えた弥島は、妻と娘のために離婚し、一人で取り立てから逃れる孤独な生活を送っていた。そんなある日、義妹からの連絡があり、妻と娘が交通事故にあって重体であることを知らされる。急遽病院に駆けつけた弥島だったが、すでに二人は死んでいた。警察から事故がひき逃げであることを告げられた弥島は、事故に不審な点が多いことに気づき、たった一人で事件の真相を追求するが……。

[感想]
 ハードな雰囲気のサスペンスです。この作品の弥島のように、孤独な野良犬のような、運命に喧嘩を売るかのように戦う登場人物を描き出すのは、山田正紀の得意とするところです。この作品でも、事件の謎よりもひたすら戦い続ける弥島の姿を描くことに重点が置かれています。

 苦闘の果てに待ちうける真実、そして再生。決して代表作といえる作品ではありませんが、よくできた物語といえます。

2001.01.07読了

SAKURA 六方面喪失課  山田正紀

ネタバレ感想 2000年発表 (トクマ・ノベルズ)

[紹介と感想]
 警視庁六方面管区・綾瀬署にある失踪課には、ひねくれ者や役立たずばかりが集まり、“喪失課”というあだ名で呼ばれていた。そんな喪失課の面々がそれぞれに遭遇した小さな事件は、やがて大きな陰謀につながっていく……。すべてを陰で操る男・“SAKURA”とは何者なのか。そしてその目的は?

 いくつかの細かい事件が積み重なって、大きな事件が浮かび上がってくるという、ユニークなミステリです。各エピソードではそれぞれ事件が起こりますが、それと微妙に絡みながら本筋の断片が少しずつ現れていきます。最後に明らかになる真相はとんでもないものではありますが、よくできていると思います。
 また、それぞれ一くせも二くせもある喪失課の面々は非常に印象的で、キャラクター設定も成功しているといえるでしょう。

「自転車泥棒」 (渡辺一真)
 アニメおたくの渡辺は、軽トラックで運ばれていた放置自転車が盗まれた事件を捜査していた。軽トラックの運転手も姿を消しており、渡辺はまず彼の行方を探そうとしたが……。
 背景の紹介と後の事件のための伏線にある程度筆が割かれていますが、事件の方もまずまずの発端から思わぬ展開をみせるのが面白いところです。

「ブルセラ刑事」 (鹿頭 勲)
 タダでソープランドで遊ぼうとした鹿頭は、逆にヤクザの蓑島に脅され、彼が経営するブルセラショップから下着が大量に盗まれた事件を調べる羽目になったが……。
 説得力のある真相とラストの奇策。「ブルセラ刑事」という怪しげなタイトルとは裏腹に、ある種の爽やかさを感じさせる作品です。

「デリバリー・サービス」 (年代金吾)
 宅配ピザがなかなか配達されないことに腹を立て、わざわざ店まで文句をつけに行った年代は、ピザ配達用スクーターの盗難事件に遭遇する。だが、盗まれたスクーターは現場の近所に乗り捨てられており、ピザの代金も手つかずで残されていた……。
 “スクーターはなぜ盗まれたのか?”という謎から始まって、二転三転する展開がよくできています。

「夜も眠れない」 (石動昭二)
 深夜の地下鉄千代田線の車両内で起きた殺人事件。だが、被疑者にはアリバイがあり、それを保証するのが喪失課の石動だった。そして怠け者の石動は、被疑者のアリバイ崩しにいやいや駆り出されることになった……。
 状況をうまく生かしたユニークなアリバイトリックが秀逸です。個別の作品としてはベストでしょう。

「人形の身代金」 (磯貝正一郎)
 喪失課の課長・磯貝は、元同僚で博打仲間だった長谷の妻・麗子に公園まで呼び出された。借金で首が回らなくなった長谷が、ヤクザたちに追いまわされているというのだ。だが、話を聞いているうちに、麗子の娘・綾子が大きな人形を抱えたまま、不可能状況で姿を消してしまったのだ……。
 途中で遠藤が推理しているように、子供だけなら不可能とはいえないところ、大きな人形の消失がネックになってしまうという状況がユニークです。

「消えた町」 (遠藤 貢)
 高速道路を降りた覆面パトカーの機動捜査隊員は、目を疑った。目の前に広がるはずの北綾瀬の町並みが消え失せていたのだ――姿を消していた喪失課の伊勢原が発見された。喪失課のメンバーに招集がかかり、遠藤を中心に事件の断片を組み合わせ、真相に迫っていく……。
 町の消失の真相はやや拍子抜けの感もありますが、説得力は十分にあります。そして最後に明らかになるSAKURAの目的は想像を絶するもので、山田正紀の本領発揮といったところでしょう。後半のアクションも見どころです。
2000.07.25読了

ナース  山田正紀

2000年発表 (ハルキ・ホラー文庫 H-や1-1)

[紹介]
 ジャンボ機が山中に墜落する大事故が発生し、婦長の丸山晴美をはじめとする日本赤十字“丸山班”の七人の看護婦たちが急遽現場へ向かうことになった。だが、そこでは想像を絶する地獄絵図が繰り広げられていた。医師も自衛隊も警察も、男たちが頼りなく総崩れとなる中で、“丸山班”の看護婦たちは、甦る死体、そして襲いかかる未知の怪物に立ち向かっていく……。

[感想]
 スプラッタの怪作。何といってもゾンビ軍団vs看護婦という図式が非常にユニークです。甦る死体(の断片)という悪夢に対して、あくまでも冷静に“患者”たちに対処しようとする看護婦たち。ここでは現実と幻想の境界が曖昧になるのではなく、現実と幻想が正面からぶつかり合う構造となっています。この落差が、時にある種のおかしみさえ生み出しています。

 あえて“発端”を後に回し、冒頭からスプラッタ全開とした構成は効果的ですが、残念なことに終盤があまりにもあっけなさすぎです。終盤もきちんと書けば、この倍ぐらいの分量でもおかしくはないでしょう。肩の力を抜いて楽しむには適した長さかもしれませんが。

2001.01.09読了

ミステリ・オペラ 宿命城殺人事件  山田正紀

ネタバレ感想 2001年発表 (早川書房123924)

[紹介]
 探偵小説『宿命城殺人事件』は完成したのか――平成元年、夫・祐介の自殺に衝撃を受けた萩原規子は、その死を受け入れることを拒み、やがて奇妙な“平行世界”へと落ち込んでいく。そのきっかけとなったのは、五十年前、昭和十三年に満州を目指した善知鳥良一という青年の手記、そしてそれをもとにしたとおぼしき『宿命城殺人事件』と題された未完の探偵小説だった……。
 ……昭和十三年、善知鳥良一はオペラ「魔笛」をもとにした宣伝映画を撮影するため、満州の奥地にある〈宿命城〉へと向かっていた。そんな彼の前に次々と姿を現す、謎の小人、顔を奇妙な仮面で覆った〈宿命城〉の城主・真矢胤光、そして〈検閲図書館〉と呼ばれる黙忌一郎ら、奇妙な人物たち。やがて彼は、奇怪な連続殺人事件に巻き込まれていく。それは、〈宿命城〉の付近で発掘された巨大人骨に刻み込まれた甲骨文字に予言されていたのだった……。
 ……夫の残した“遺書”の謎を解こうとする萩原規子は、“平行世界”に落ち込んだまま、やがて……。

[感想]
 メタフィクション的な構成をとった幻想ミステリの超大作にして、山田正紀作品の集大成となっています。

 この作品で重要な要素としては、“死に対する否認”(→『デッドソルジャーズ・ライヴ』)、“フィクションによって作り出される平行世界”(→『エイダ』)、満州を舞台とする“葬られた昭和史”(→『人喰いの時代』)、オペラ「魔笛」に仮託された“男性原理と女性原理の相克”(→『おとり捜査官』)などがあります。さらに、〈宿命城〉という名称は『第四の敵』の雑誌連載時の題名(『宿命の城』)に通じます。そしてもちろん、『妖鳥』に始まる幻想ミステリ大作路線を追求した作品であり、傑作『神曲法廷』をも軽々と超越した山田正紀ミステリの到達点であることは間違いないでしょう。

 萩原規子自身の事件、そして彼女が読み進める善知鳥良一の手記のいずれにおいても、この作品をミステリたらしめている謎めいた怪事件が発生しています。しかし、物語が進んでいくうちに解決などはどうでもよくなってしまう、それほどの圧倒的な幻想に満ちた作品です。また、〈検閲図書館〉などの魅力的なアイデアも見逃せません。

 交錯する事件/物語をすべて取り込み、フィクションとして見事な幕を下ろすラストは、これ以外に考えられないといっていいでしょう。この作品の主役は『宿命城殺人事件』という物語そのものなのです。

 なお、この作品は第2回本格ミステリ大賞及び第55回日本推理作家協会賞を受賞しました。

2001.04.30読了
【関連】 『マヂック・オペラ』 『ファイナル・オペラ』