【2】第2段階


喚きちらし泣き叫び、喉がかれるまで怒鳴り続ける。
男女が丸裸になるが、誰も興奮する人はいなかった。
男は出産を覚え、女は羞恥心を全くなくす。
こんな無気味な世界に足を入れる勇気はあるか?

・はじめに

 今回から「第2段階」について報告いたしますが、一般市民(普通の人)は「嘘だ!」と思う部分がたくさんあります。(実は私もいまいち信じがたい部分がある。)
 しかし、これから述べることはすべて本当にやっていることなので、信じるも信じないもあなたしだいですので、そのつもりで。

・時間の大切さって

 この「第2段階」は、4泊5日の合宿形式で行われます。朝9時集合して、来た受講生約30名、(男女だいたい半分です)第1段階の約半分です。人数が少ない方がいじめやすいからね。
 場所はセミナー事務所の地下、そしてドアは2重になっています。大きな声を出すんで、なるべく外に音がもれないように工夫をしているんですね。地元住民に迷惑しないようにとの配慮ですかね。
 9時にセミナー開始、例の音楽(2001年宇宙の旅のテーマ)が鳴ったのに一向にトレーナーが前に出てこない。ざわざわしていても始まらない。その時のトレーナーは一番後ろの席に座って怒った表情。(もちろん演技)
 受講生の一人がいきなり自己紹介をする。「○○です。よろしくね。」と。続けてその他の受講生が同様の自己紹介をする。すべて自己紹介が終了した時、トレーナーのいじめが始まる。
 「いったい何分待たせればいいのですか。この待たされた時間、あなたは何をしていましたか。この時間の無駄をどうするんですか。あなたは時間の大切さをわかっていませんね」など。
 ようするに時間の大切さ、自分が何をしたいのかはっきりさせるということを教えることだと思うのですが、やり方が無茶苦茶です。自己紹介をすることが受講生がやりたかったことなのか疑問です。それでは、始まってからすぐ自己紹介をすれば、トレーナーは面食らうでしょうね。台本にない行為をしたんですから。

・契約違反の解雇通達

 そして、強制的に決めつけられるグランドルール(質問は言っても無駄だというのは誰もわかっているので、何もいわない。)が決められ、(内容は第1段階とほぼ同じ)、グループ分け、パートナー決めが行われます。
 ここで、「今までにグランドルールを破った方、前へ出なさい。」と怒った声(もちろん演技)。数名が前へ。「あなたがたはこのセミナーを受ける資格はありません。荷物をまとめて帰ってください。」と言われます。
 おいおい、これじゃ契約違反じゃないですか。40万近いお金払って「帰れ」だなんて詐欺ですね。もちろん受講生は謝りまくります。(実際契約書なんて元からないから、裁判にかけると負けるでしょう。しかし、契約しないでこんな事本当はできるの?)
 まあ、破った人の大多数は「セミナーの内容を話してしまった」なのです。自業自得といえばそれまでですが、私は受講生の味方なので、あえて言いますが、「秘密主義をしているからあやしいと思われているんだろ。公開されるのがそんなに恐いのか。」と言いたくなりますね。
 「心から謝らないと、参加させません」とトレーナーの声。冗談じゃない。受講生が謝っているのは、「本当に受講したいのではなく、こんなにお金を払っているのにすごすごと帰れるか!」という気持ちではないでしょうか。それを「心からセミナーをやりたい!」という気持ちに変えさせるのですから、恐るべし、洗脳セミナー。もちろん、その気持ちを言葉にしないと受講させてもらえません。
(結局全員許可させられる。台本どおりの展開)

・村のバカ

 何とかセミナーの受講の許可をもらい、セミナー開始。まず、全員輪になり、座ります。そして実習「村のバカ」です。
 内容は「次の4つの中から1つを選び実行する。」というもの。その4つとは、

・「輪の中心に立ち、大声をあげる」
・「輪の回りを走りながら大声をあげる」
・「輪の中心に寝て、大声をあげる」
・「寝て、ぐるぐる回りながら大声をあげる」
 というものなんですが、ようするにただ「大声をあげ、バカになろう」というものです。たしかに「大声をあげる」のは、ストレス発散にはちょうどいいものですが、みんなに見つめられながらバカになるのは、ちょっと勇気がいるものです。一般市民が見たら本当に「バカ」ですね。
 人間、秘密が補償されると何でもできるものなんですね。(この後、この表現がよく出る)
 ちなみに、この実習名については終わった後に発表するので受講生は「なーんだ」と変に関心するそうです。

・踊りながら・・・・

 次に、2重の輪になり向い合い、音楽にあわせて踊り(フォークダンスのように)、トレーナーが体の部分を言い、その指示に従って相手のその部分と自分のその部分とをくっつける実習です。(な、長い)
 たとえば、トレーナーが「手」と言えば、内側と外側の人と手をつなぎ、踊ります。「背中」といえば、背中と背中をくっつけて踊りながら輪を一周します。これを約2時間繰り返します。もちろん受講生は訳がわからず楽しくやっています。
 さて、この実習がエスカレートすると、どうなるかわかりますか。手・背中から、足・おしり・頭・ほほ・鼻と続きます。そして口へ。「エーッ」と思いでしょうが、受講生ももちろん同様の反応をします。まだ洗脳されていないですからね。(もちろん例外もありますが)これで実習が終わります。
 この実習が終わって休憩時に「わたし、キスしちゃった」と自慢げに女性の声。この人、そうとう洗脳されてますね。誰ですか。「うらやましい」なんて思っている人は。

・女装をまじめにやって

 昼食を食べてから、荷物(4泊5日ですからね)を近くのビジネスホテル(宿泊場所)に置きます。その時にトレーナーからの宿題。「次は『ファッションショー』の実習です。今から3時間あたえますので、自分がなってみたい格好・しぐさを考えてきてください。ただし、服装は今持っているものに限ります。それをグループごとに発表します。」というもの。
 受講生のノリは、まるで「3才児の学芸会」です。ほとんどは男性は「女装」
 女性は「男装」をやります。女性が男性にメイクをやってもらったり、男性がブラやストッキングを借りたり、控え室(宿舎)は異常です。
 いよいよ発表会ですが、ノリはまさに「ファッションショー」です。(音楽なんて流したりしてね。)中には女性が「ストリッパー」をやったり、臆病そうな人が「不良」をやったり、いかにも不良そうな男性が「真面目なサラリーマン」をやったりさまざまです。
 トレーナーが言うには、「人間、やろうと思えばなんでもできるものなのですよ。」と締めます。受講生はストレスが発散したようにスッキリ顔。別の言い方だと「勧誘をやろうと思えばいくらでもできるのですよ」ととらえられる。ここでも勧誘の基本がプログラムされる....
 何度もいいますが、「秘密が補償されると何でもできるのですね。」
 まあ、ここで夕食になるのですが、あの奇妙な格好のままみんなが輪になって食べるのですから..笑えます。(恐ろしさを越えた笑い)

・肉体的コンプレックスの解消方法

 夜になって、実習「肉体的コンプレックス」です。何をするかというと、なんと、男女とも「裸」になります。そして、一人前へ出て、自分の体の欠点を発表します。もちろん、他のみんなは注目して見ています。
 そして、「フィードバック」。先ほど自分が言った欠点を他のみんなが指をさして言いまくります。普通なら我慢できず泣く人がほとんどです。(当然ですね)
 みなさん、信じられますか?男女とも裸になり欠点を言いまくるのですよ。実際取材した私さえも信じがたいのですが、これが事実なのです。まさに「犯罪」ですよね。(みなさんどう思いますか)泣いたり、ショックを受ける人のほとんどは、異性に対する免疫が全くない人だと思います。異性に対して敵対心を持っている人も同様にショックを受けるでしょう。
(女性に多いと思うが、男女共ほとんどだったりする。)
 トレーナーが受講生に対し、「この中で、SEXの経験がない方」と質問をする。セミナーの世界ではほとんどの人が手をあげる。雑誌などではいろいろなデータがあるのだが、これが一番正確ではないだろうか。(秘密が補償されるので、みなさん正直です)ちなみにセミナーの平均年齢は22才〜25才です。
 コンプレックスとは、「肉体的」と「精神的」の2種類あります。「肉体的」というのは外見コンプレックスで、見た目で「あの人と自分を比べたら自分の方が劣っている」と思い込んでしまうこと。しかし、相手は何も思っていないのがほとんどで、「勘違いコンプレックス」とも言いいます。女性のダイエットが代表的な見本ですね。別に男性は「太っている女は嫌だ」なんて言ってないのに自分で勝手に思い込んでしまい、自滅する。そんなケースです。
 一方「精神的コンプレックス」は、「内面コンプレックス」のことで、生まれてから今までの内面的に徐々に溜っていくもの、まあストレスみたいなものです。たとえば、子供の時に親からの虐待・離婚などの記憶からコンプレックスとなり、家庭内暴力に走るケースです。「精神的コンプレックス」の根本的原因は「親」がほとんどです。最近もその予備軍がうようよいますよ。
 精神的コンプレックスは直すのがとてもやっかいで、治療方法は「生まれる前の自分から根本的に変えさせる」というとても危険な方法です。一歩間違えると「今までの生き方が間違っている」と思い、自殺するケースがあるからです。セミナーでは、これも実際にやり、解消していきます。
 話を元に戻しまして、しかし、トレーナーは服を脱ぎません。これは不公平ですよね。全員脱いで初めて公平な立場となるのではないでしょうか。トレーナーが見本を示さないでどうするのか。「トレーナーは偉い」というのがひしひしと染み渡ります。

・一日目の反省とその後の展開

 泣き、喚く人、混乱する人、おかしくなった人、1日目にして受講生の中でもいろいろ出てきます。「洗脳するな」と私が言ってもこの第2段階に足をつっこむと、どんな強情な人でも洗脳されます。(こんなことされちゃね)
 終わりが23時頃。宿泊場所に戻り、グループで反省会。約2時間くらいですので、1時頃に反省会が終わり、2時頃寝ます。
 しかし、興奮がさめない受講生達はグループごとで朝まで盛り上がったり、(ワンルームなのでとても狭い)男女のパートナー同士では一緒に寝たりとかさまざまです。グランドルールではアルコール禁止なので、ジュースで騒ぎまくります。よくまあ素面でこんなに盛り上がるものなんですね。(まるで修学旅行のノリ)
 あと、明日までの宿題があり、「今までに人生において失敗したことを30個書いてくること」というのがあります。明日の実習で使うようです。これで、1日目が終わりますが、2日目以降はもっとすごいことをやります。

・人生における失敗談

 さて、2日目となりまして、寝不足の受講生達は、7時に起床し、8時朝食、そして、9時にセミナー開始となります。
 最初に、「私の失敗談」というもので、昨日、宿題にされた失敗談30個を発表するものです。グループに分かれまして馬蹄型になり、1人が発表し、フィードバック(相手が言った事を正直に素直に感想をいうもの。)をします。
 たとえば、発表者が「友達と喧嘩して別れた」と言うと、その他のグループの人たちは、「あなたが悪いんじゃないの?」「あなたの勝手からこんなことになったんでしょ」「あなたが謝るべきだ」など発表者がすべて悪者扱いとなってしまいます。
 これは、第1段階2日目の朝で「セミナーで遅刻したのは遅刻した本人の責任ではなく、連絡を取り合えなかったパートナーの責任です。」と一方的に洗脳されたせいでしょう。私ならちゃんと理由を聞き、どちらが悪いのかはっきりすべきだと思うのですが....
 これを2,3時間くらい続けるのですから、たいくつ・・・・

・もう一度カタルシス

 次に「カタルシス」の実習です。
 第1段階でもやった実習ですが、ここではきめ細かくやります。復習のためにもう一度説明しますが、カタルシスとは、トレーナーが1つのテーマを言います。たとえば、両親への文句・不満(第1段階)、男性・女性・自分自信に対する文句・不満(第2段階)、「私は今幸せです。」など何度も繰り返し言うもの(第2段階)などを言われます。
 そして、部屋を真っ暗にして、会場内に音楽をガンガンに鳴らし、(鼓膜が破れそうなくらい)先ほど述べましたテーマの事を音楽の音量に負けないくらい大きな声で全員で叫びまくるというものです。音楽が大きすぎるので回りの人の言っている言葉ははっきりいって聞こえません。よって、何言っても大丈夫なのです。
 音楽は「さだまさし」「中島みゆき」系統の曲が流れます。(α波系統ね)すると、どうでしょう。受講生の過去の生々しい記憶が戻ってきます。それによって涙する人が多数出てきます。叫びながら泣きますので、まるで3才児が「ママー、あれ買って!」と泣き叫んでるのと代わりはありません。
 それを約2時間くらいを2〜3セット繰り返すのですが、(喉が渇れる)そのうちに、真っ暗な部屋の中で受講生の上から白いモヤモヤとした物が....トレーナーしか見えないらしいのですが、どうやら受講生に取り付いていた「悪霊」が出てくるのです。
 実際、トレーナーが気持ち悪くなり嘔吐したこともありますし、悪霊以上の「死神」が受講生の上にいることもあります。また、受講生が気を失い5〜6時間倒れていたこともあります。
 私がこの記事の連載を始めたとき、3週間位熱が38℃より下がりませんでした。しかし風邪をひいている形跡もなく、体がだるいだけで普通の生活に何の気性もありませんでした。もしかして、恨みつらみでセミナーの悪霊が私に乗り移ったのでしょうかね。
 約5〜6時間のカタルシスは終了し、みんな涙を浮かべています。しかし何かが吹っ切れたようにスッキリした表情をしています。叫びっぱなしなので、受講生は声が出ません。(あたりまえですね)
 たしかに叫べばストレス解消になると思いますが、泣くまでやることはないかと思いますね。「過去を思いだしたくないのでやりたくない」と言う人も多いのですが、私は逃げる奴は嫌いですね。やることをやらないで「嫌だ、嫌だ。」といっても誰も信用してもらえませんよ。(だから肯定的に書くなって)
 セミナーの世界を基準に考えると、一般社会がなんて明るく、すがすがしいものなんだなと思ってしまいますね。

・あなたのスタンドは?

 さて、次は「スタンド」いう実習なんですが、さて、「スタンド」とは何か説明いたしましょう。
 「スタンド」=「契約」のことで、受講生自身が今、何を望んでいるのか、どのような人間になりたいのかをトレーナーが見極め、トレーナーから与えられた「言葉」を今後の生活に活かすものです。
 たとえば

  1. 「私は、自分も人も信じて行動しています。」
  2. 「私は、素直に生きています。」
  3. 「私は、自由にのびのびしています。」

                          など。
 最初に自分が考えてきた「スタンド」を一番前に立ち、トレーナー、他の受講生に叫びます。1度や2度ではトレーナーは納得せず、トレーナーがその人にあった「スタンド」を考えてくれ、その「スタンド」をまた叫びます。
 自分にあった「スタンド」がみつかった時は、気持ちが「グサッ」とくるのと同時に何かこみ上げてくるものがあるらしいです。また、頭が空っぽになった時に思わずポロッと言ってしまった言葉もスタンドになりやすい要素があります。
 今、3つの「スタンド」を見本として掲載しましたが、この「スタンド」を言う人の特徴として

  1. 世の中全てを信じきっていない人。自分すらも信じてない人。
  2. 自分自身のカラに閉じ込もり、本当の自分をさらけ出してない人。
  3. 自分の心に何かが引っかかり、行動しようにも行動できない人。
 もう一つの特徴として、「〜します。」ではなく、「〜しています。」という口調です。これは、「〜します」は、願望、希望を表し、実際できるかどうか未知数だということ。一方「〜しています」は、現在を表し、実際やっていないのだが、この「スタンド」を言っていると、いかにも「やっているんだな」と自己陶酔(一種の催眠術)してしまいます。
 そして、「スタンド」が決まると、受講生・トレーナーに向かって何度も叫びます。受講生は「承認しよう」と思ったらその場で立ち上がることになっています。
 すると、どこからか「ロッキーのテーマ」が流れ、「スタンド」が全員に承認されたことになり、突然他の受講生はその承認された人の前へ駆け寄り、抱き合います。(不気味な光景)まるで高校野球で優勝したかのように集まります。
 承認された人は、紙でできた黒板に大きく承認された「スタンド」を書き、「ありがとう、ありがとう」と泣き叫びます。これを全員終わるまで繰り返します。書いた紙は家に持ち帰ることができますが、部屋に書いた紙を貼り、毎朝50回唱えている人もいます。(宗教ぽいですね)
 「あのね、自分の生き方に他人(トレーナー)が口出すんじゃないよ。あんたなんかに自分の人格を評価される筋合いはないね」と言いたくなりますが、洗脳セミナーはこれが勧誘と同等の目的ですからね。
 あとね、承認された時に受講生が前へ出て抱き合うってやつ、あれはトレーナーの命令で動いているんですよね。もうここから自分の意志では動けなくなってしまうからかわいそうなものです。みんながこう動くから自分も動く。まさに島国根性ではないでしょうか。
 まあ、今に始まったことではないが、(第1段階の選択の実習で全員4を出したってやつね)個性(観念)をなくしてますね。そして、だんだん目が死んでいき、生きた屍となっていくのですね。

・男も出産しますか?

 「出産」という実習なのですが、これまたすごい。
 まず、グループに分かれます。受講者は全員裸になります。そして、全員自分自身の出産前の母親になります。もちろん男性も母親になります。
 「どういうこと?」無理もありません。一般市民にはとてもできるものではありませんが、「カタルシス」で出産前の自分自身を見てきた受講生にとっては母親になることは可能なのです。
 パートナーは、母親の出産の手伝いをします。しかし、出産中の相手をさわったり、ゆすったりしてはいけないことになっています。要するにかけ声(応援)ですね。「今、子供はどこらへん?」「もう少しだからがんばって」「ほら、頭が出たじゃない。あとちょっと。」など実際子供なんていないのにこうい子供の場所は出産者本人が言うのだが)のは、はっきりいって恐怖を越えた笑いが出ます。
 無事出産が終わると、今度は受講生(出産者)は自分自身が赤ちゃんだった頃になります。この実習で「内面コンプレックス」(以前話しましたね)の根本的原因がわかるそうで、たとえば、

  1. 泣かず、相手をじっと見ている赤ちゃん
  2. 人におびえるように泣き続けている赤ちゃん
  3. 元気に泣いている赤ちゃん
  4. 笑っている赤ちゃん
 大きくこの4種類に分かれます。それぞれ分析してみますと、

  1. 生まれる前に親からの虐待があり、親に対する復讐がもう始まっている。(たばこ、アルコールの摂取なども含まれる)「生まれてほしくない」という気持ちが強いと、こうなるケースが多い。

  2. (1)とほぼ同じだが、虐待がひどい場合、「親の顔を見るのも嫌だ」と親に対する恐怖心からこうなる。

  3. (2)とは逆で「外界にでたくない」という甘えからこうなる。生まれる前から過保護に育てられたケース。

  4. 「生まれて来てよかった」という満足感になるケース。内面コンプレックスが全くない赤ちゃん
 一番幸せなのが(4)で、ヤバいのが(2)ですね。(言うまでもないか)でも、実際(4)のように生まれてくる赤ちゃんはごく少数で、どうしたらそういう子が生まれるかは私にもわかりません。
 話を元に戻しまして、パートナーが相手(赤ちゃん)に対して、いろいろ質問をします。「今、誰がいますか」「お父さん、お母さんの表情はどうですか」「生まれてきて幸せですか」など。その答えに応じて「内面コンプレックス」を克服して、(理解して)「どうしてこんな自分になったんだろう」と知るのです。
 しかし、前回も書きましたが、一歩間違えると「自殺」に陥る可能性があるということです。今までの人生がすべて間違っていたということになりますからね。最初は受講生全員が混乱しますが、その後の処置に応じて立ち直るか自殺するかトレーナーにかかっているのです。
 順番がメチャクチャになってしまいましたが、ここで3日目が終わるのが平均的です。(1つの実習を1日まるまる使う事が多い)
 うーん、ますます洗脳されていきますね。無理もないと思いますが..

・勧誘の基本・ストレッチング

 まず、「ストレッチング」とは何か。1日目に「ファッションショー」の実習で、化粧しながら踊りましたが、それが強烈になったものと思ってください。
 グループ関係なく、無作意に2〜3名選びます。そして、トレーナーからいろいろなテーマを言いますので、そのテーマにのって、即興に演技をするというものです。
 そのテーマというのがすごいもので、たとえば、

・バナナの叩き売り
・浮浪者
・爆発寸前の宇宙船に乗る宇宙飛行士
・甘えん坊の3才児をもつ親
                      など。
 その他に、強烈なものを解説付きで説明いたしましょう。

・ヤクザの縄張り闘争
本当は、自分を表現するとすばらしい人になるのだが、何かが起こると、いつも第3者の目で見てしまう人。本気でケンカすることにより自分に対するうっぷんがはらせる。本気でケンカをしていなかった人らしい。

・僧侶の1日
普段、毎日の生活が平凡で、生きているのがつまらなくなっている人。
僧侶の生活を演技して、平凡な生活を認識し、変化ある生活をしてほしいという願望から。

・1人幼稚園
1人で演技するもので、小さいときに、精神的ショックにより、硬いカラに閉じ込もり、人とは近付けなくなってしまった人。
幼稚園の時から「1人だったんだな」と認識させ、1人ではなにもできない。1人では寂しいものなんだと教える。

・ゲイ・バー
その名のとおり、男3人でゲイ2、お客1で絡むというものです。
「男は偉いんだ。強いんだ」という戦前の意識を持っている人を対象にやるもので、男の違う1面を見せて、納得させるためが目的。

・レズビアン・ショー
男2、女2でやるもので、女性は、レズになり、男性はお客になります。ひどいときは、男性はオナニーをはじめ、女性はイクところまでイってしまいます。(なんだ?この表現は)
この目的は、「自分なんか見られたくない」と思っている女性が、すみずみまて男性に見られることによって男性コンプレックスを解消するもの。また、こういうことをすることにより、「見られていることはすばらしいものなんだ」と教えるもの。

・のぞき部屋
男1、女1でやるもので、内容、目的は「レズビアン・ショー」と同じです。
しかし、女性は1人なので、自分がいかに表現するかが難しいと思います。なお、時間が経つと、女性は興奮しきってオナニーを始め、男性に対してフェラチオを始めます。
そして、ひどいときはSEXを始めてしまうので、困ったもんだ。

・ホテトル嬢
人数、内容、目的は↑と同じです。しかし、SEXを実際やり、最後までイかないと、終了させてもらいません。
 女性のほとんどはこのようなモノを見られると、目をそらしたり、泣いたり、ショックを受けるのですが、トレーナーは「目を背けてはいけません。しっかり見ていて下さい。」とおびえながら見ています。しかし、「これが事実だ」と言われると、違う世界を見てしまった人にとっては新鮮さとショックが混合してしまいますね。
 ああいう、エロチックなものを見て、ショックを受けた人(特に女性は)が多いのではないでしょうか。実際やっていた人よりも、見ていた人のショック度も大きいのも事実です。子供の時に性的な屈辱を受け、今まで異性に対して偏見を持っていた人を直すため、これが性的行動だと事実をじかに見せることにより、ショックから立ち直り、偏見を持たないことを目的としています。
 なお、ストレッチングが終わるとき、急に明るい音楽が流れ、演技をしていた人が真っ裸になり、踊り狂うという異様な世界になります。なにもここまでして裸になることを強制しなくてもいいものを...
 この、「ストレッチング」の真の目的とは何か?
 トレーナーから「人生はストレッチングの塊だ」と洗脳されます。どういう事かと言いますと、「人間、考えて行動すれば、どうしても疑ったり否定してしまったりしてしまう。しかし、今は何も考えずに行動すれば、こんなに自分を表現できるではないか。それを日常生活の上で活用できればこんなにすばらしいことはない。」と言うことです。
 「ふと思ったら、即行動」というのもプログラムされます。(ストレッチングの発展型)・・・即興で演技をすれば身につきます。しかし、日常生活でこんなことされたら、一般市民はたまったもんじゃありません。後々のことを考えずに行動するほど危険なことはないのです。ある人が店に入って「あれ、ほしいな。でもお金ないし・・」なんて思ったら最後です。「欲しい」という気持ちが先行して万引きという行動に陥ってしまいます。(たとえが極端かな。でもここまで洗脳されます。)
 さて、ここで問題ですが、トレーナーが受講生に対して、「このセミナーはすばらしいものでしたね。じゃ、その気持ちを自分の知り合いに教えて、参加させてください。」と言ったらどうなりますか?
 答えは「勧誘」なのです。その上、先ほど書いたとおり後々の事を考えず、自分本意でやっていますので、もちろん相手の気持ちは考えていません。
 わかりましたでしょうか。これが「勧誘」をする理由であり、第3段階で本格的に「勧誘」を強制されるのです。トレーナーの言葉に「エンロール(勧誘)はストレッチングです。)というのがあります。とんでもない話ですね
 よって、「勧誘」とは、「ストレッチング」のことであり、「ストレッチング」をスムーズに行うための過程を第1、2段階で洗脳されるのです。この実習はまる1日やります。この位の時間がないと洗脳のプログラミングは難しいでしょう。

・(余談)4日目の夜は・・

 4日目の夜となり、最後だけあって宿泊所は大騒ぎです。なおかつ、「ストレッチング」で、あんなことされて(見て)は、興奮するなといっても無理なことです。乱交パーティーが始まります。
 なお、宿題として、「今までの私の成功談を30個書いてくること。」うーん、どこかで聞いた事がある宿題ですね。

・私の成功談

 最終日(5日目)となり、昨日出された宿題を発表するのですが、(成功した事を30個書いてくるやつね)2日目にやった「私の失敗談」そのままのことをやります。
 いつものように馬蹄形になり、フィードバックしますが、今度はほめまくり。アメとムチを巧みに利用してますね。「愛情たっぷりだね」「ほめられてるね」と裏を考えると皮肉たっぷりなんですが、そこは洗脳セミナー。受講生は真にうけます。
 この「アメとムチ」は第3段階で巧みに出てきます。

・今度は第3段階への勧誘か?

 さて、次は、「第3段階への勧誘」が始まるのですが、もちろん、何をするのかは教えてくれません。ただ、トレーナーは「本当に受けたいと思っている人以外は参加しないでください。」と言われます。
 ここで、冷静な人と洗脳されている人とは、反応が違うのです。

冷静な人・・・・・・たしか、第3段階って勧誘だったな。
          いろいろ迷惑をかける方になってしまうな。
          や〜めた。

洗脳されている人・・次っていったい何をやるんだろう。
          もっともっと自分が変わりたいからやってみよ。

 頭を冷やし、冷静になれば、誰だって第3段階は「勧誘」だってことはわかります。しかし、興奮している(洗脳状態)受講生すべては、第3段階へ行かざる負えない状態になってしまいます。
 その方法とは、トレーナーが「第3段階へ行かない人はこの部屋から出て下さい。」と言います。ようするに自分(トレーナー)の意志が伝わらなかった人は出ていけということですからね。よっぽど冷静な人でない限り出ていく人はいません。逆に今までの実習で「裏切り者は許せない」という風にもなっている状況なので余計やっかいです。
 そして、残った人で第3段階の説明が終わって、出ていった人が部屋に戻るのですが、そこで、第3段階を受ける人からの冷たい視線が走り、差別が始まります。きっと説明の時に何か言ったんでしょうね。自分の意志が尊重されず、返って屈辱を受けるのも変ですよね。

・ゆりかごって?

 次に、「ゆりかご」の実習ですが、まず全員裸になり、輪になります。その中の誰か1名がまん中に立って、「スタンド」を3回叫びます。そして、後ろに倒れる所で、残りの受講生がその人を持ち上げ、ゆりかごのように揺らします。そこでトレーナーがその人にあった曲をプレゼントされ、演奏中は永遠と揺らし続けます。
 この「ゆりかご」はとても気持ちがよく、まるで赤ちゃんに戻った気持ちがするので、みんな号泣します。
 まあ、やる分には勝手ですけどね。一般市民から見ると不気味です。よくその情景を想像して下さい。裸の男女達が寝ている人に向かって囲み、音楽に合わせて前後に揺らし、他のみんなは微笑んでる。どこが正常なんでしょうね。ブルブル、寒気が.....

・グラジュエーション

 最後は恒例「紹介者とご対面」ですが、第1段階とは感動のレベルが違います。みんな泣いてます。まあ、一般社会とは別の世界に陥ったのですから現実に戻って感動を味わっているのですね。
 そして、第1段階のグラジュエーションに行くのですが、目的は後輩に「私たちは第2段階でこんなに変わったんだよ」と見せびらかすことと、第2段階への勧誘の意味を込めてトレーナーからむりやり行かせます。
 そして、いつもの打ち上げへ。バカ騒ぎをします。迷惑を顧みずに..

・最後に

 この無気味な世界から人間社会に戻るギャップが大きすぎるのではないかと思いでしょうが、その通りです。
 実際、第2段階終了後、一人暮しの女性は、パートナーの男性と同居生活(同棲ですね)したり、会社などをやめて、「セミナーのためなら何でもする」といったセミナー中毒者がでたり、さまざまです。(第1段階にも多く出現するが、それ以上に強い感情が第2段階に出る)
 同棲・SEXなどするのは勝手ですけど、会社をやめるなど社会的・人道的に迷惑をかける人はどうかと思います。
 さて、第3段階はマスコミにも取り上げられず、暴露本にも書いていなかったものですが、私があるルートをたどって情報を入手いたしました。第3段階では、「エンロール(勧誘)」のテクニックやノルマ、アポ(アポイントメントね)の取り方などなるべくくわしく書いていこうかなと考えています。
 「どうして人の事を考えずに勧誘するのか」などセミナーの裏の世界を覗けますので楽しみにしていて下さい。