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◆足回り◆

ブレーキOH

 

ブレーキOHについて 

 

最終更新日07/08/07

状況 ブレーキ まとめ    

< 内容 >

状況

 

 

   
前オーナーが一度はOHしていると聞いていますが、マスターシリンダーはOHしてない、走行距離16万`、年式H3年を考えると一度すべてやっておく方が確実と判断しました。

一代目のビートもブレーキがへたっていた記憶があります。

今回の二代目はなるべく自分で作業をしようと考えていたので自分でOHをするべくビート整備書に元づいてOHキットを購入して検討しました。

結局、キャリパー×4個、マスターをOHすれば良いのですが、現物をばらしてからOHすると言っても場所も時間も難しい。

しかも素人作業による作業時間がかかるでしょうから・・・・それならばと中古キャリパーを個別に揃えてのんびりOHを行った上で今付いているものとASSY交換する方が良いと思い中古部品でブレーキ、マスターをそれぞれ揃えてOHをしてから部品交換する事に決定。

単純にブレーキ部品が合計2セットになりますが勉強を兼ねて実施。

ブレーキ

   
フロントキャリパーOH

今は、フロントにホンダ車(Fitなど)を流用する為かビート純正は安く出回っています。
私がヤフオクで入手したものは破格でしたがブーツが破れていて程度は酷いものでした。

早速、ブレーキクリーナーで洗浄しながらばらしました。
黒い液となったブレーキが出てきました。これはフルード交換は全くていない状態でしょう。

キャリパー中のピストンを取り出す方法としてホース側の穴からエアガンの圧力で押し出すのですが、ブーツが破れていて空気が逃げてしまい、中々出ません。
このブレーキを取り付けていたビートは全然止まらなかっただろうと思います(怖)。

OHキットには二種類のグリスが付属しているのでブーツ、ピストンの塗り場所はビート整備書の指示にしたがって使用しました。

まずは取り外したピストンを綺麗に洗浄、ピストン表面のメッキが錆、剥げている場合は交換しなくてはならないといいますが、作業している人に言わせるとちょぴり程度の場合は問題ないようです。(それがどの程度まで言うのか良くわかりませんけど)

綺麗に磨いて表面にグリスを塗りました。
キャリパー内部もクリーナーで洗浄して汚れとグリスをふき取りました。
汚れ除去後にピストンとキャリパー内部にグリスを塗ります。

次にOHキットの組み立てですがリングを2つある溝の奥側にはめます。
ここまでは簡単ですが問題はブーツの取り付け。

ピストンの下部にスカートのようにブーツを被せて、キャリパー本体の手前側の溝にブーツのでっぱりをはめる。

その時、竹串などの棒で溝に嵌めるようにするのですが、中々はまらない〜。
ピストンの下部にブーツをはめた状態でブーツだけ溝にはめ、手前をはめてからブーツを回してはまっていない部分をはめます。

全部はまったのを確認したらピストンを押し込みます。
その際、ブーツがめくり上がるようならば再度付け直し問題なければそのまま押し込みます。

ちゃんとはまっていれば押し込んだ後にピストンの周りに二重にブーツの溝が出来て綺麗にはまります。

片側1ポットなのでフロントの2個だけ作業したのですが悪戦苦闘しました。
ブーツ交換は出来ましたが今一コツが分かりません(笑)

この後、キャリパー表面に耐熱塗装で赤く塗りました。

始めはNSXのキャリパーを塗った余りの缶があるので久しぶりに取り出したら・・・・・液が硬化してた(涙)しょうがなく新品買いました・・・・。

本体全部を綺麗に塗り、乾いては塗りを2、3回繰り返して完成、綺麗な赤になりました。

しかし、常温乾燥では新聞紙の上にひっくり返したら完全に硬化しておらず新聞文字が転写してしまいました(涙)これは完全に硬化するのには熱が必要でブレーキ熱を利用して完全硬化させないとなりません。
単品状態ではあくまで常温なので完全硬化は無理です。

地面に触れる面は塗らないで組み込み後に塗るのも手ですね。後はビートに組むだけです。
所が実際にビート組み付けをしたのはそれから半年後でした・・・。
 

リアキャリパーOH

これは構造にサイドブレーキがある為、大変です。

まず、ピストンを抜くのですがリアブレーキピストン用の工具を使用した処、何とキャリパーサイズが小さい為にピストンを回していく最中に干渉して無理・・・・十文字の溝に金やすり(平タイプ)をはめて代替えで回しました。(こっちの方が速かった(涙))

外したピストンに傷ある!!・・・・と言うことで新品を注文・・・・。43215-SF1-003を1個注文。

ピストンを取り外してみるとサイドブレーキの構造が見えます。
このキャリパー赤く塗られていたようです。

昔、他車でブレーキだけと言ってサイドブレーキ側のOHをしていなかった記憶がありましたが今回は得体がしれない代物なのでサイドブレーキ部もやる事に決めていました。

外す工具として持っていたリングプライヤーで中のリングを外そうとしたらぎりぎりで届くもののバネで押されているので、ばねを押し込んでリングを外しやすくしようとしたらプライヤーが邪魔して上手くいかない。

整備書では専用プライヤーを使用していますがそんなものをわざわざ購入しても今後、使う回数が少ない工具に投資するのもなぁ・・・・・・と考えながら、他のビートのHPを見てるとここまでやっていない方も多いようなので・・・・・・「サイドブレーキ部のOHはやめようか」と考えましたが・・・・ディラーに持ち込みを決意(笑)

いつも世話になっているディラーに持ち込みでOHを依頼しました。
あくまでサイドブレーキ機能部のリングだけOHをお願いしてピストンブーツについては自分で作業しようと思っていましたがすべて取り付けまでしてくれました。感謝。

リアのブーツ交換はブーツを先にはめてからピストンをネジにはめていくので回しながらブーツとの重なりを確認する事になります。
多分、ブーツだけならばフロントより難しくないようです。(実際に作業していないので見た目で判断してますけど)


マスターシリンダーOH

こちらもOHキットが出ています。中のゴム部品を交換するキットです。もちろんグリス付き。

リアのOH時に役に立たなかったリングプライヤーで中にあるリングを取り出します。工具が初めて役に立ちました〜。

その後、側面に六角のネジ(ストップボルト)があるのでこちらを緩めます。
そうすると中からピストンアッセンブリが飛び出てきます。

確認して見るとリングやピストンガイドアッセンブリに錆が発生。これも交換。

ばらした時に順番が分るように並べておきます。

しかし、昔から指定部品としてOHキットがあるのですが整備書をみるとシリンダーはASSY交換になっています。(?)
交換易さを配慮しているのですかねぇ?聞いた話ではマスターなどのOHをすると新品のマスターと比べると動作時に微妙に癖が変わるそうです。恐らく微妙な組み立ての差があるようです。
ブレーキ時のフィーリングが変わる場合があるとの事・・・・。

クラッチのマスター交換時はASSY交換だったのですが、これは作業的にOHを自分の作業でするのは大変だと思ったのでパスしましたが今回はOHに踏み切りました。

取り合えず、これでビート用ブレーキ1セットOH済み品を準備完了。

後、車検時に言われたブレーキホースのゴム硬化を指摘されているので純正新品のホースを準備(本当はステンレスブレーキにすればいいのでしょうが財布の問題で純正品)。

後は今ビートに付いている部品と総交換する事に。
取り付けに関しては本体側はフレアーナットレンチを使用します。
規定トルクは1.5kg-mなので緩めるのも閉めるのも力をかけなくても大丈夫でした。

 
リアキャリパー取り付け

ディラーで車検時にフルード交換しているので一年も経っていませんがこのまま抜きます。
フルードは使い捨てですね。

まずはジャッキ上げて、うまかけてタイヤを外してリアからキャリパーの取り外しを。
まずはサイドブレーキのワイヤーを外しますので割りピンを抜いてから固定しているフレームのネジ2本を外し。

キャリパーを止めているネジ2本を外してブレーキホースもフレアーナットレンチで外してブレーキホースを新品に交換、1.5kgfのトルクで良いので閉めすぎに注意。

キャリパーを外してOH済み品と交換。

但し、キャリパー側のブレーキホースはキャリパーを外す前に緩めた方がいいです。
先にキャリパーを外すとトルクが欠けづらくなって後でホースを外すのに苦労しますので。

この際に内部のフルードが排出されますのでボディなどにかからない様に注意してください。(塗装を痛めます)
又、キャリパー側はOリングが付属していますのでホースの両側に挟んで一緒に新品交換します。


フロントキャリパー取り付け

同じく交換するだけなのですが、キャリパー固定のネジが硬すぎでギブアップ
何時ものごとくエアのインパクトレンチのお世話になりました。

通常の工具では取り外しは無理でした。重要な箇所なのは分かるのですがネジが硬すぎです。

今までのローターが錆びて膨れ上がった為にパットの接地面に段差が発生・・・・これでは本来の制動は得られません・・・・一代目のフロントローターよりは状態はマシですが交換しないと駄目でしょう。

右写真のような段差が発生していました。

リアと同じようにキャリパー、ホースを交換します。

 
マスターシリンダー取り付け(結局中断)

交換は先にフレアーナットでホース部を緩めてからシリンダー本体を固定しているネジ2本を緩めてOH品と交換。

確認しようとブレーキペダルを踏んだら全然動かん!!今まで付いていたマスターに急遽戻してみたらブレーキペダルが動く・・・・・・OHの組み立てが間違っていたようです(汗)
しょうがないので元のマスターに戻してエア抜きを。

OHしたマスターを確認した処、ピストンを手で押した時にやたらと硬い。

今までのマスターは簡単にピストンが押せる・・・・・・サイド部からネジで固定している箇所(ストップボルト)を緩めて締めなおしたらピストンが楽に動くようになったが・・・・今まで付いていたものよりは強い反発力・・OHの所為かな?


エア抜き

キャリパー交換が終了したのでフルードを入れます。

二人で作業する場合はホースと排出したフルードを受けるタンクだけあれば作業が出来ますが独りならば逆流を防ぐワンウェイバルブがないと無理ですね。

まずはマスターにフルードを補充します。
ある程度入れて、MAXのラインまでで止めます。

マスターシリンダーから遠い順(左後ろ、右後ろ、左前、右前)にエア抜きをするのですが実際に作業した感想ではバルブの緩め加減が微妙です。

ちょっとだ緩めると全然フルード液が流れず、緩めすぎだとバルブからエアを吸ってしまうのでその中間を確認するのに何度もブレーキペダルを踏んでいます。

ある程度踏んでいるとフルード液が流れてきますのでエアが出なくなったらバルブを閉めて次に移ります。
定期的にマスターに入っているフルードの量を確認します。
フルードが空になってエアを噛んだらすべてやり直しになってしまいますので注意しましょう。

それをキャリパー4箇所を1周として2周ほど繰り返してエアが出なくなったら終了。
フルードがこぼれている所は洗浄してタイヤを組み込んで終了です。

まとめ

   
テスト走行をしてみたら初期制動が甘い、しかし、強く踏むとブレーキ効く・・・・エアが抜けていない感じがする。

再度、エア抜きを・・・・・・左フロントキャリパーからエアが出ました。
やっぱりエアが抜けきっていませんでした。エア抜き後に確認した処、今まで通りのブレーキ力になりました。

結局、OHによる制動力UPは見込めませんでした。あくまでOHのメンテナンスを行っただけです。

パット、ローター、マスター交換が残っているのでブレーキ強化(本来の性能)としてはまだまだ先になります。

今回始めて自分で油圧系のエア抜きをしましたがコツを掴めば独りでも作業は大丈夫だと思います。

但し、この作業は人命に関わる作業ですので自己責任の上で慎重に作業をしてください。
自信が無ければ決して手を出さない方が良いと思います。

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