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最終更新日04/07/13

コラム

コラム182

忘れる事

 普通に考えてみると人間が生きていく中で多くの出来事が起きます。
楽しい事、嬉しい事、辛い事、悲しい事、悔しい事、他人を憎んだり、いっぱい良い事と悪い事の出来事があります。

その中で『正』の出来事である嬉しい事、楽しい事は記憶にずーーーと残らずやがて消えてしまいます。
所が『負』の出来事のつらい事、悲しい事、悔しい事の記憶はそのまま残ります。
でも、人間は上手く出来ていて記憶を忘れる事が出来ます。

『忘れる』と言っても記憶が薄らぐのです。
あまりに自分に大きい出来事は未だに鮮明に覚えていますが、当時思い出した時の心にかかるストレスが今、思い出した時では全然違います。
一種の馴れに近いものだと思います。

例えば、大きい出来事(つらい事)があってその件で落ち込んでも人間は暫らくしてから次に大きな出来事が起きると今の出来事の比重が大きくなって過去の大きな出来事が薄らぐのです。
変ですね、辛くてしょうがない事があったのに、次の問題が起きると前に起きた辛かった事よりも今の問題が心を支配する・・・。

時間が経つ事で辛い事、悲しい事の記憶が薄れていきます。

人間の弱い部分をコンピューターのように記録として完全に保存できない事が人間に取って「すごく助かっている」と言う事です。

私の中でも他人に「裏切られた」「別れた」と言う当時においてはものすごく辛い事が何度かありましたが、それらがすべて過去の記憶として断片的に失われています。
その結果、辛さも還元され昔の記憶として残っています。

人間の記憶が薄れる・・・風化すると言う事は、人と接して生きていく中でとても役に立っている事だと思います。
人間が人間である限り、必ず人を傷つけると思うから。
どうしてかと言うと例えば、私が言った些細な言葉で相手を傷つけている、傷つけるつもりではなくても他人を傷つける事がある以上人と人が接する限り必ず傷つけ怒らし悲しませたりします。
だからいい思い出よりもわるい思い出のほうが多いし、人間は悪い事のほうが鮮明に覚えています・・・・。

よく言ういじめた方は覚えていなくてもいじめられた方は覚えていると言うのが代表的な例ですね。
まぁ〜その人の性格にも左右されますけど。

人間が一番嫌な事と言うのは対人関係で起きたものに他なりません。
独りがいやだけど他人と居ると傷つくと言う事実はどうしようもない事ですね。
後は、その嫌な経験を過去として処理する事を出来るかは個人差がありますし、どうしていくかも人によって全然違いますね、でも年数が経つ事で過去として処理できるようになったと自分では思いますが・・・・。

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