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最終更新日09/05/21

コラム

コラム281

光年の距離と時間

 子供の頃、天体関係の本の中である天体(クエーサー)の説明文で100億光年の天体と言う説明がありました。

天体望遠鏡である天体の光は100億光年の光を捕らえたと説明がされていた事で、100億光年と言う事は光が100億年かかった過去の光を今捕らえたと言う事で「すげーーー」と思っていたのですが、子供なりに考えるとこの事で不思議に思う事がありました。

現在、光より速く情報を伝達する手段はないので光の速さより速い物は無いと思い100億年前の光を捕らえたと言う事は光が進む距離で100億光年の距離に合った天体だと考えました。

しかし、そう考えると宇宙の年齢が137億光年なのでビックバンから37億年の時点で地球から100億光年の距離もある天体からの光?と考えると宇宙空間がすでに最低100億光年もの直径以上の大きさをもっていたと考える事で不思議に思っていました。

100億年前に存在した光が100億光年の距離になければ今、地球で光を観測する事は出来ないのでは?と考えた為です。(ビックバンから宇宙が生まれて膨張したとしても点から始まった宇宙が30億年程度で宇宙直径が100億光年以上もある訳が無いと思ったからです)

 

その後、天文関係の本などで50億光年の天体は光が50億年かかる距離にある天体と言う説明がされている為、この矛盾が大きくなりました。

120億光年の光りを捕らえたと言う説明文などを読むたびに「何で120億年も昔の光りを今捕らえることが出来るのか」と言う疑問がずっと続いていました。

星などで明るい星は寿命が短いので、ある一時は地球の距離にその光が届いてもそれが今現在人間が観測できるまで光輝いて存在出来るとは思わなかった為です。

この矛盾が解決したのは宇宙の膨張が光の速さよりももっと速い大きさで膨張していると知ってからでした。

たとえば137億年前に4000光年の距離にある天体の光が137億年掛けて今地球に届いたと言う事。

光が137億年かかって地球に届いたのは時間であって137億光年の距離を進んだのではないと言う事でした、そう考えると光の進んだ距離ではなく光が地球にたどり着いた時間と言う事でした。

この理由を勘違いしてしまって昔から不思議に思っていたのが宇宙の膨張が光よりも速い速度で広がっている事実と今人間が観測しているのは地球から僅かな距離の範囲しか見る事が出来ない事実で寂しくなりました。

膨張が更に進むと最終的に地球から確認できるのは隣接の僅かな銀河系(アンドロメダとか)だけになってしまうそうです。

人間が宇宙を観測する事が出来る距離が光の距離で100億光年以上なのではなく光が100億光年かかった天体の光を捕らえる事が出来るようになったと言う意味の違いを知った時は結構インパクトが大きかったです。

そう考えると今の最新の望遠鏡でもそんなに遠くの多くの天体を見る事は出来ないのかぁ〜と分かってがっかりした記憶があります。

そうすると137億年かかる光よりも外の世界を見る事は事実不可能なのでしょう。それだけまだまだ知らない分からない事が宇宙には沢山あるともいえますけどね。

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