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番外編-7- ステールメイト

   
         
(5)一日目 14:01

     

 マイクスとメリル、それから付き添い(?)のイムデ少年が執務室に戻ると席を辞して、少し。それまで何も言わずにいたスーシェが、恐ろしく険しい表情で傍らの伴侶を睨んだ。

「君、どういうつもり?」

「? 何がだね」

「なんで、メリル事務官の相談をろくに聞きもしないで追い返したのかって事だよ」

「なんだね、お前。もしかしておれに、それならボウヤのために一肌脱ぐか、とか言って欲しかったのかね」

 いかにも不審げな表情でデリラに睨み返されたスーシェが、「そうじゃぁないけど…」とどこか歯切れ悪く言いながら、視線を正面に戻す。

 だが実際は、そうなのかもしれないとスーシェは思った。どうせ期待など出来なかったのだから諦めればいいのだろうが、わざわざデリラを引き止めてまでアンの話を持ち出したのは、結局、自分ではどうしようもなさそうな事柄を、デリラに押し付けたかったのかもしれない。

「つかね、スゥ。はっきり言うけど、あのボウヤのこういう時の強情さつったらうちの大将でさえ呆れんだよ? ボウヤが結婚するつったら、周りがどんなに騒いだって辞めたりしねぇね」

「いくら君がアンくんの事をよく知ってるっていっても、それは…あまりにも冷たいんじゃないのかい!」

 掌でガーデンテーブルの表面を勢いよく叩き付けたスーシェが、眉を吊り上げて再度デリラに顔を向け直した。

「アンくんが納得してるからいいとか悪いとか、そういう問題を言ってるんじゃないよ、ぼくは! だって君!」

 で、何か続けようとしたスーシェの気を殺いだのは、「そこなんだよね」と呟いて居住まいを正したデリラの、前代未聞に真面目腐った表情だった。

 唖然とするスーシェに身体ごと向き直ったデリラが、ひとつ頷く。

「お前さ」

「…なんだい…」

「暫く、ボウヤのアニさんの相談相手になってやんなよ」

「はぁ?!」

 どうしてそうなる。とスーシェは思った。悪役全開で気の弱いメリルを糾弾したデリラの言い分に、色の薄い伴侶が本気で素っ頓狂な声を上げる。

「いや、だからさ」

 その、まるでお化けでも見るようなスーシェの目付きに苦笑を返したデリラは、慌てて白手袋に包まれた手を顔の前で左右に振った。

「本音としちゃね? これでヘコんで何も行動しないんなら、あのアニさんもそれまでだと思うんだよね。でも、曲りなりにもアニさんはボウヤのアニさんなワケだしね、例えば途中で迷ったとしても、絶対黙ってねぇって、おれは思いたいんだよね」

 デリラの言葉の意味が理解出来なかったというよりも、どちらかといえば、君それは「君たち」の常套手段であってぼくを巻き込まないで欲しいな、という意味合いの濃い呆れた溜め息を吐き出したスーシェが、さも不愉快そうに眉を寄せる。

「キャロンの事があるから、ぼくらは派手に動けないって事?」

「そう。それにね、出来れば、ボウヤから本当のトコ聞き出して手を貸してやんのはさ、部外者よりアニさんの方がいいと思うんだよね」

 そんな事は、スーシェにだって百も承知だった。これはルー・ダイ家の問題なのだからそっちで片付けてくれ、という意味ではなく、家族の中で孤立しているらしいアンにもちゃんと味方がいるのだと知って欲しかったし、メリルにそういう…長兄と対立してもアンの意志を尊重するという態度を見せてやって欲しい。

「…でも問題はさ、デリ…」

「ボウヤが本当はこの婚約話を、どう思ってるかってのが、判らない事なんだよね」

 ふたりはそこでお互いの顔を見つめ、難しい顔で唸った。

「あ」

 そのまま膠着するかと思われた空気を、スーシェの短い声が霧散させる。

「訊けばいいじゃないか」

「ボウヤにかい?」

「そうだよ」

「誰が訊くんだね、そんな事」

 おれはヤだよ。な空気満点で渋い表情を作ったデリラの鼻先に、細い指を衝き付ける、スーシェ。

 その時彼は、物凄くいい人物に思い当たっていた。アン少年と必要以上に仲が良く…とスーシェは思う…職場どころか一日の大半を同じ場所で暮らしているに相当する、恰好の人物。

「スレイサー衛視だよ、デリ。彼なら、極端な話さ、誰もいない場所でこっそりアンくんの本音を聞き出せると思わないかい?」

「………」

「だって考えてもみなよ。アンくん、今までだって色々、衛視に昇格する時も、その後もさ、なんだかんだでスレイサー衛視には自分の事打ち明けたりしてたみたいだし」

 デリラは、俄かに表情を明るくした伴侶の考えに、すぐには異を唱えようとしなかった。だからといって即答で同意するでもない微妙な顔付きが少々気になったが、スーシェは構わず続ける。

「ねぇ、君。スレイサー衛視が、実は物凄く目が悪いって、知ってる?」

 唐突な話題に、デリラが器用にも片方の眉だけを吊り上げ小首を傾げた。それが間違いなく問い質すような表情だったのに気を良くしたスーシェはにこりと微笑み、わざとのように大袈裟に頷いて見せた。

「タマリがね、アンくんから聞いたんだよ。という事は、逆に、スレイサー衛視も、アンくんとは随分…自分の話をしてるって意味じゃないかい?」

 だからつまり、そういう風にお互いの話をする程度には親しいのだから、協力して貰えるだろうとスーシェは言いたいらしいのだが。

 ヒュー・スレイサーという男は、自分と弟たちに血の繋がりがない事など意外にも平然と話して聞かせているようにして、実は、余程親しい人にもその内情を探らせない用心深いところもあった。いつでも横柄で偉そうでなんでもずけずけ言うものだから忘れそうになるのだが、意見を求められればきっぱり自分の考えを提示するくせに、「自分の事」は進んで話そうとしない。

 問われれば、重い口を開く事もある。

 全く正体を明かさない謎の人物ではない。

 だが、しかし。

「それは無理だね、スゥ。諦めなよ」

 デリラは伴侶の思い付きを、頭ごなしに否定した。

「なんでだい?」

 本人に話してみなきゃ判らないじゃないか、とでも言いたげに険しい空気を纏ったスーシェから困った顔を背け、デリラが内心唸りを上げる。

 その理由は、スーシェに教えられない。まだ、かもしれないし、この先一生かもしれないが、とにかく、あの銀色をアテにする訳には行かない理由があった。

 もし彼が登城してすぐ、特務室に顔を出す前にスーシェに会っていたら、その考えに賛成しただろう。職場で見る限りでも、ヒューとアン少年はなかなかいいコンビだとデリラだって思う。

 しかし、アテにするも何も…。

 デリラは、なんだって自分の周りではこうも立て続けに騒ぎが起こるのかと、本気でうんざりした。

「デリ?」

 沈黙した自分を不思議そうに見つめるスーシェに視線を戻したデリラが、曖昧に微笑んで小さく嘆息する。

「班長、長期出張で不在なんだよね、今」

 と、いう事にしておこうと思った。

「…なんてタイミング悪いんだ…」

 ああ、と天蓋を振り仰いで肩を落としたスーシェを見つめたまま、デリラはもう一度、心の中で重い溜め息を吐く。まさかここで、班長は失踪したばかりだよとは、彼に打ち明けられない。

 丁度電脳班の執務室に入り、まるっきり仕事する気のないらしいドレイクとハルヴァイトにヒュー失踪を打ち明けられた直後にデリラは、半泣きのイムデ少年からの通信を受け取って、そこを飛び出して来たのだ。

「なんだってまたこんな時に、ボウヤの婚約話まで出るのかねぇ…。特別話が進んでねぇんなら、あと十日でいいから待って欲しかったモンだよね」

 あーあ、と深く溜め息を吐きつつ白いガーデンテーブルに頬杖を突いた伴侶の横顔を、スーシェがきょとんと見つめる。

「君、何を聞いてたんだい。昨日の夜遅く、メリル事務官に屋敷の兄上から、アンくんが次の休みにキャロンと会えるよう手配してくれって言って来たから、よければお前も同席するようにって電信があったって、ぼくは言わなかったかい?」

「………言ってねぇよ」

「え?」

 デリラは、傍らで凍り付いた伴侶を振り向きもせず、もう一度深く嘆息する。

「てかね、四人も居たんだからさ、一人くらい気付いてくれてもいいのにね、そのくらい」

 そして、アンの次の正式な休暇は……明日からだったなと、なぜか妙に冷静に思った。

          

          

 同時刻、電脳班執務棟エントランス。

 スーシェたちと別れたマイクス、メリル、イムデ少年は、どこかしら重い空気を引き摺って執務室へ戻ろうとしていた。

 さすがに、入隊以降アンと同じ小隊に属するデリラの一言は胸に刺さる。

「言われてみれば…」

 ふと、エントランスの中央から伸びる大階段を見上げて、マイクスが呟く。

「アンが衛視に昇格して、お互いに理解し合おうって話した時、謝りたいって言ったんだ。セリスやレバロ叔父さんに、ダイ家を代表して謝らせてくれって。でもアンは、僕に謝って貰うような事は何もないって言い張って、それから、僕に謝って貰うよりも先に、家族には…自分が「何か」を示さなくちゃならないんだって、そう言ってた」

 自然と足が止まり、マイクスは途方に暮れてその場に立ち尽くした。

 苦々しくも、思い出す。自分は何を聞いていたのか。あの小さな従兄弟に散々な仕打ちをして、それから勝手に反省した気になって…。

「勝手に許して貰ったと思い込んで、自分は良くやっただなんて、僕はなんて愚かなんだ!」

 マイクスは気付いた。

 全ては、アンが行動した結果ではなかったのか。医療院の病室。清潔な部屋で死ぬほど反省させられたのは、それまで半人前を装っていた少年が自分の居場所を守ろうと本気で抵抗したからだ。一族が彼を立派な魔導師だと認めたのは、アンがたったの二週間で魔導機の顕現を済ませ、衛視に昇格したからだ。結果が出てからようやく相手を認めるなんて当たり前の事でいい気になるなと、マイクスは自分に腹が立ってしょうがなかった。

「アンは一度だって、家族や一族を恨んだりしなかったんだ。全部、自分が「何も示せない」からだと思ってたんだよ、きっと」

 見返りを望むならまず行動した、とデリラは言った。しかしきっと、アンはその見返りすらも望んではいなかっただろう。

 ただ、家族が「普通に」胸を張っていられればいいと思っていただけだ。

 多分、十歳の頃から。

「………メリル…」

 暫し中央階段を睨んでいたマイクスは、意を決したように呟いてから、硬い表情で傍らのメリルに向き直った。

「僕らは、今こそアンに「返さなければ」ならない」

 思わず居住まいを正したメリルが、寄り添うイムデ少年の手をきつく握り締めて、「はい」と緊張した面持ちで答える。

「だから僕らは、そのために「行動」しなければならない」

「…はい。あの、ですから…」

「僕は、この件から手を引く。これはルー・ダイ家とヒス・ゴッヘル家の問題で、ダイ家は、基本的に、次期当主の指名を受けるまでこの件に関わらない」

「! マイクス坊ちゃん! そんな…それは、仰っている意味が全然判りません!」

 エントランス中に響き渡るようなメリルの悲鳴に、イムデ少年がびくりと震えた。

 普通ならここで協力すると言ってくれそうな流れでありながら、マイクスはきっぱりと、メリルの蒼い目を見つめて関与しないと言い切ったのだ。当然、気の弱いルー・ダイ家の次男は慌てた。弟に詳しく事情を訊くにしても、兄に抗議するにしても、マイクスが居るのと居ないのでは話が変わる。アンはどうだか知らないが、とりあえず兄はダイ家に平伏しているので、魔導師であり長子として次期ダイ家当主の座が決定しているマイクスの影響力は、かなり大きいはずだ。

「判れよ、メリル! というかお前コルソン衛視の話をちゃんと聞いてたのか? お前が何かして見せろ! そうすればアンだって黙っていられない。本当の事を言うかもしれない。いいや! 是が非でもアンの本心を、お前が聞き出すんだ!

 お前! アンの兄貴だろう!」

 勢い、マイクスがメリルに怒鳴り返し終えた途端、エントランスの片隅からいかにも誠意のないまばらな拍手が聞こえ、睨み合っていたふたりと半泣きのイムデ少年はぎょっと音の聞こえる方を振り返った。

「ご高説最もだよ、ダイ魔導師。ファイラン洛中の「兄貴」とやらに聞かせてやりたい、素晴らしい演説だ」

「ふむ。少々感情的過ぎるのと短か過ぎるのが残念だが、概ね心に響く内容ではある」

 と、なぜか向かい合って不味そうなコーヒーを啜りつつチェス盤を挟んでいたファイラン最強(?)の意地悪中年どもが、だらけた拍手をくれながらにやにやと笑っているではないか。

「だだだだだだ…大隊長!」

「はて、私はそんな珍妙な役職ではなかったと記憶しているが?」

 と、電脳魔導師隊大隊長グラン・ガンは、半ばパニック状態で悲鳴を上げたマイクスに鋭い視線を向け、かなり本気で首を傾げて見せた。

「………」

 もしここにミナミが居たならば、つうかおっさんらそこで何やってんだよ、暇なのか! とか、役職が珍妙っていうかガン卿が珍妙なんだろ。とか突っ込んでくれそうなものだったが、残念ながら青年は休暇中で、誰もグランには意見してくれなかった。

「…なっとらん…」

 かなり間違った方向に不満を漏らしたグランが、唖然とするマイクス一行から手元のチェス盤に視線を戻すと、正面に坐していたもう一人…電脳魔導師隊第六小隊小隊長ローエンス・エスト・ガンが、いつでも笑っているような顔に正真正銘の笑いを浮かべて、吹き出した。

「貴様、相変わらず馬鹿だな」

「放っておけ。近頃相手にして貰えなくて、少し寂しい」

「ただ今御方はご自分の恋人に構うのが忙しくて、貴様のような年寄りなど相手にしておられる暇がないのだろうよ」

「うむ。それはそれで「何事も」起きず、微笑ましい限りだな」

「波風の立たない日常がこんなにも有り難いものだったとは、久しく忘れていた、わたしは」

「同感だ」

 うんうん、とやけに気持ちの入った表情で頷き合うふたりを、マイクスとメリルとイムデ少年は呆然と見ていた。ダイ系貴族のお二方はガン系貴族のおっさんどもが何を納得し合っているのかさっぱり判らなかったが、イムデ少年だけは、なんとなく空気で、彼らが「誰たち」の話をしているのか判ったような気がした。

 魔導師どもが雁首そろえて「御方」などと呼ぶのは、臨界の魔導機たちが畏れる「アレ」を手懐けた人しかいないのだから。

 心情的にはグランとローエンス寄りながらメリルの背中に隠れていたナイ・ゴッヘル小隊長が、呆然と立ち尽くす事務官の制服を引っ張って、もう執務室に帰ろうと促す。それで意識を取り戻したのだろうルー・ダイ家の次男は、慌てて穏やかな笑顔を作りナイ・ゴッヘル小隊長を振り返った。

 しかし、はたと思い出す。マイクスとの話は、まだ着いていない。

「マイクス坊ちゃん…」

 気弱そうな青年に縋るような目で見られても、マイクスは頑として協力を拒んだ。

「家族の問題だ、僕が口を挟むべきじゃない」

「でも、時間がないんです、マイクスぼ…」

「ついでに言うなら、メリル事務官。ここでの僕はダイ魔導師であって、マイクス坊ちゃんじゃない」

 またもや言い争いを始めたマイクスとメリルの横顔を、イムデ少年は不安そうに見比べているしかなかった。手伝う手伝わないという、最早どちらも退かぬ覚悟の押し問答には解決の糸口さえ見つからず、ナイ・ゴッヘル小隊長は緊張感なく、このふたり、そういう強情なところは意外と似てるよ、と内心嘆息さえした。

「…うむ…、お前、またなのか…」

「何がだ? ま、とりあえず最初からやり直そうじゃないか、従兄弟殿」

 半ば忘れかけていた、チェスに興じる例の意地悪中年どもが言い合うのを合図に、それまで言い合っていた若い者がぴたりと口を閉ざす。ただの条件反射だが。

「どうせなら、勝つか負けるかどちらかにしてはどうだ?」

 厳しく眉間に皺を刻んだグランが言いながら、盤上に散らばる黒い駒をかき集めて初期位置に並べ直している。その向かいで掴み所なくにやにや笑うローエンスもなぜか、白い駒を一個一個細長い指で摘んでは、自分の前に整列させていた。

 ゲーム中ではないのだろうか? どちらも、チェック(詰み)していないように見えるのに、なぜ途中で再試合を?

「だから貴様は馬鹿だというんだぞ、グラン。勝てないのは判るが負けるのは嫌だ。そういう時に使う手だろうが。これは、負けない方法だ」

 胸を逸らしていかにも自慢げに言い放った従兄弟の手元に重苦しい溜め息を転がしながら、グランもなぜか頷く。何が同意なのだろう、今の…物凄く負けず嫌いな言い分の。と傍観する若者たちは思ったが、口を挟むのは控えた。

「お前らしい、いかにもな理由だ、ローエンス。しかし、さっきから四度もドローに持ち込まれては、たまったものではないのだがな」

「これも「手」だよ、グラン・ガン大隊長殿。駆け引きだ。最早我慢比べか? 負けない方法は、ただ「負けない」のだけが目的ではないのだ」

 ふふふ、と楽しげに笑うローエンスの顔をじっと見つめていたグランの唇が、ゆっくりと歪な弧を描く。その、どこか不吉な笑みに傍観者である若い者たちは怯え、ローエンスだけが平然とそれを受け止めていた。

 にやにやと掴み所なく笑いながら。

「駆け引きか…。そうだな、ローエンス。では、次のゲームに入る前に、受け取り方の違いをはっきりさせておこうか」

「受け取り方だって?」

 微かに、ローエンスの緑が細められる。

「その通り。確かにドローならば、誰も「負けない」。しかしだ、ローエンスよ。

 ステールメイトは、八方塞がりだ。完璧なる均衡を持ってどちらも一歩も動けないのが、ステールメイトだ。

 という事は。

 負けもないが、勝ちもないのではないか?」

 言ってグランはエントランス応接セットのソファにふんぞり返り、きょとんと目を見開いた従兄弟の顔を覗き込みながら、「そうは思わないかね? 諸君」と、なぜか上機嫌でギャラリーに問いかけて来た。

 それには、マイクスもメリルも、答えない。

 ただ、イムデ・ナイ・ゴッヘル小隊長だけが、小さく、小さく、嘆息した。

 きっとこの人たちは、暇なんだろうな…。と。

  

   
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