00.10.10
バイカーズ・ステーションに「英国通信」を隔月(奇数月)で書いている富成太郎さんのTEALがついに完成した。写真はバイカーズ・ステーション2000年11月号に掲載されているものと同じだが、富成さんから直接メールで送られて来たものだ。 |
TEAL T59はジャガーXJ6のエンジンを用いたキットカーで英国在住の富成さんが1994年3月に注文、当初は同年7月に完成予定だった物が遅れに遅れついには1995年12月にメーカー(PROJECT OF DISTINCTION LTD.)が倒産して半完成のままの納車となり、以後富成さんが5年間悪戦苦闘してやっとこの度完成と相成ったのだ。 TEAL T59は見た通りブガッティ・タイプ59のレプリカであるが、この点に付いて富成さんが英国通信に折にふれて書かれてきた事はとても興味深いものがある。 富成さんがキットカーに付いて書くようになったのは94年1月号からだ。 その後94年4月号(超豪華、ブガッティGPレーサー・レプリカ)でTEAL T59の紹介をした際にはその豪華さと造りの良さ、そしてオープンクラシックの素晴らしさに感動している。恐らくこの時TEAL購入を決めたのだろう。 さらにTEALの発注を報告した94年8月号(レプリカ考)ではレプリカ肯定論を展開している。 ところで不運にも本物と並んでしまう危険性については95年7月号で次のように書いている。「半世紀も昔に7台しか作られなかった何億円もするグランプリレーサーのレプリカともなると、街で本物が横に並ぶなどという恥辱的瞬間は、この世の終わりまで待ったとしても起きっこないので、安心して乗っていられるというものだ」 これには笑ったものだ。 上のようにレプリカである事に心の整理をつけてそのまますんなりと行ったのかと言うとこれがそうは行かない。 レプリカと言うものに付いて、そうした事はクルマを楽しむ上でまったく問題では無いというような意見もたまに見かけるが、(そうしたものは大抵オートジャンブル誌なのだが) 私は富成さんのようにいろいろ思い悩んだり思い立ったりする方がまっとうなように思う。 ところでバイカーズ・ステーションのようなオートバイ雑誌になぜ自動車の(しかもとびきりマニアックな)話が長々と掲載されるのかと言うと、これはバイカーズ・ステーション編集長で且つ遊風社社長の佐藤康郎さんの心の広さによるところ大なのであるが、(そもそもオートバイ雑誌というものは通常自動車を敵視しているのだ。読者に逃げられると困るから) このバイカーズ・ステーションに付いてはいずれ考察して見たいと思う。 このページではバイカーズ・ステーションからの引用がかなりあるが著作権などの問題はこの程度なら大丈夫とは思うが少し心配でもある。(どこまでが引用でどこからが転載となるのか・・・) |