メグロの音

02年8月30日


   
有名なナイセストピープルキャンペーンのカタログ

1964年

 
 ハーレーは音が良いということを良く見聞きします。
しかし私は実はハーレーの音はそれほど良い音のようには感じていません。
その理由はハーレーの音は湿っぽい感じがするからです。音が大げさ過ぎるという感じもしています。
音が大きいから乗ってる人にとっては気分が良いという事は当然あるでしょう。
この点はスーパーセブンも同じです。ただしスーパーセブンの場合には吸気音が音の良さの主因となっています。

 排気音は基本的に力を誇示する音ですが、セブンの吸気音は一種の刹那さを伴っています。私はセブンの音のここのところが好きです。

 もっともセブンの音で一番良いのはやはりBDRでしょう。
空吹かしをくれただけでも「パオン」と吹けあがる音にはゾクゾクッと来ます。うちのボクスちゃんはフライホイールが重いのでこうは行きません。
BDRに乗ってあの音を聞いたら「よ―しやったるで」と言う気分に誰でもなるでしょう。

 先日サイドカーで横浜から帰る途中R246でとても良い音を聴く事が出来ました。
それはメグロの単気筒でした。
とても乾いた音で、パパパパッという感じの大変歯切れの良い、しかもさほど大きくはない音でした。軽快さと重厚さを節度を持って感じさせる音でした。

 しばらくの間メグロの音の良さに聞きほれて走りました。 
こんな音だったらたしかにいつまでも飽きずに走り続けることが出来るかもしれないなと感じました。

 メグロと言えばノートンやトライアンフを参考にして作ったといわれていますが、街中で良く出会う2気筒のトラはこの時のメグロほど良い音ではありません。
これはおそらく単気筒と360度クランクの2気筒の違いが大きいのでしょう。

 単気筒といえばヤマハSRがそうですが、SRの音は何とも味気のないばさばさした音です。SRではエンジンの効率を重視してメグロよりも圧縮比は高くショートストロークになってます。
ですからマフラーなどを変えてもただ音が大きくなるだけで音質がよくなる訳ではありません。

 メグロの歯切れの良い音を聞きながら、せっかく単気筒を出すんだったら少々馬力を犠牲にしてでもこの音を出さなきゃ嘘だな、などと感じました。

 馬力を犠牲にすると言うことは「効率」と言う点で日本の技術者は抵抗を感じるかも知れませんが、メグロの場合中低速の燃焼効率が(つまりは実用燃費が)とても良いのだろうと思います。

 

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