「テストドライバーのないしょ話」

07年8月2日


三好俊秀

山海堂

2006.8

 
元日産のテストドライバーだった三好俊秀さんが書いた「テストドライバーのないしょ話」を読みました。車のハンドリングやブレーキ性能などを向上させる上で、テストドライバーが実際にどんな仕事をしてるのかが分かり面白かったです。

テストドライバーにも社内の試験で付けられたランクがあり、日産ではCからA1まで6ランクあり、Cランクでは時速80キロまでしか出せないそうです。A1ともなれば大抵の自動車評論家よりも運転はうまいそうです。

FF車の開発で苦労した話などは私もチェリーX1に乗ってたので興味深く読みました。
ABSも古いものから最新のものまでだんだんと良くなってますが、こうした発展の過程も面白かったです。

ブレーキ実験は独特の職人芸だそうで、その道何十年というブレーキ専門のテストドライバーもいるそうです。ドリフトなんかより正確なブレーキ操作のほうがずっと難しいんだそうです。肝に銘じておきたいですね。

NSXについて「前後でサイズが違うタイヤを履いているのはまだ完成してない証拠」という興味深い記述もありましたが、残念ながら詳しい説明はありませんでした。

時速40キロから50キロでハンドルをちょっと切ったときの感触などというのがもっとも評価や味付けが難しいそうです。福野礼一郎さんはこういう部分を重視した評論を書いてますね。

 

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