「クルマの達人」

エンスー御用達ー自動車職人21人の技と心

09年11月18日


クルマの達人

山口宗久

双葉社 1998年

 
 
「クルマの達人」を読みました。似たような物でこれまで「クルマ名人伝」、「モノづくりを究めた男たち」を読んでますが、今回の「クルマの達人」が一番面白かったと思います。

ポルシェの達人、オールド・アルファの達人、スーパーセブンの達人、フェラーリの達人、メーターリペアの達人、という具合に各分野の達人が載ってます。こういう本では人選が重要ですが、読んだ感じではほぼ適切な人選がしてあるように感じました。

またそれぞれの達人が話した重要なことをそのまま話したこととして書いてあるので、そこが面白かったです。山口さんのまとめ方がうまいという感じもしました。

ATファイン・チューニングの達人では調布のオートバイメディックが紹介されてますが、このお店は私の自宅から車で10分のところにあり、いつもMG−TDなどの名のある旧車が飾られており、お店の前を通る時はどんなクルマが飾られているかいつも楽しみにしてます。輸入工具選びの達人のショウワも行ったことがあります。

フェラーリの達人が話してることで印象に残ったのは、コーンズに10年勤めた後独立した理由で、それはコーンズではお客さんと話すのは受付の役目でメカニックは指示書を見て仕事するだけだったから、とありました。お客さんと直接話したかったということですね。

これは良く分かりますね。私の日常のクルマは以前はディーラー工場で修理してもらってましたが、受付で話してもどうも内容が良くメカニックに伝わっていないように思うことがありました。何か不具合が生じても電話で適切なアドバイスと言うものがあまりなくて、とにかく「車を持って来てください」の一点張りでした。現在は個人経営のお店で見てもらってますが、ディーラーよりずっといいです。ただしお店は選ぶ必要があるでしょう。

オールド・アルファの達人はフルレストアの時は溶接を一つ一つはがしてボディーパネルを外し、再組み立てするそうです。これで新車の時より良くなるそうです。オールド・アルファともなるとそもそも新車の時に隅っこに塗装が行ってない等の不具合があるためですね。

スーパーセブンの達人ではシルバーストーンガレージの花村一郎さんが紹介されています。このお店は以前誰かからいいという話を聞いたことがありますが、私は直接には知りません。各達人の話はどれも面白いものでした。

なおこの本はすでに絶版となっており、amazon.co.jpで購入しました。amazonでは絶版となっている書籍を購入できるところがいいです。これからも利用したいと思います。

 
   
クルマ名人伝

岡見 圭

エンスー文庫 1994年

   
モノづくりを究めた男たち

広田民郎

グランプリ出版 2004年

   

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