ギヤボックス


セブン最多乗車記録 

 

フォード5速はあまり良くない

最近のスーパーセブンに使用されているギヤボックスは下表の通りです。

 
ギヤ比
G/B 1速 2速 3速 4速 5速 6速 最終 車種
フォード5速 3.36 1.81 1.26 1.00 0.82 3.92 SS,BDR,VXS,KS,KC
クワイフ5速 2.04 1.54 1.21 1.00 0.87 3.92 VXR,JPE
ケイタ6速@ 2.69 2.01 1.59 1.32 1.13 1.00 3.62 CK,KR,Sライト,RE,R5
ケイタ6速A 3.05 2.16 1.64 1.34 1.14 1.00 3.92 CK(旧?)
 4速 @ 3.34 1.99 1.41 1.00 3.64 GTC
 4速 A 2.44 1.64 1.22 1.00 3.94 BDR
SS 1700SS KC Kクラシック
VXS ボクスホール・ストリート KR Kレーシング
VXR ボクスホール・レーシング GTC GTクラシック
KS Kスポーツ CK CKスペシャル
RE レーシング・エボリューション R5 R500
 
 ケイターハムの6速は、現在の物は@ですがCKスペシャルに初めに搭載された時の物はAだった様です。
@はAよりも明らかに高馬力仕様と言えます。
4速ではこの他にTC8に使われた物がありますがこれはファイナルも含めて4速@とAの中間位の物です。

 フォード5速は80年代中期以後のセブンに使われてきたフォード・シエラの物ですが、上の表ですぐに分かる事はこのフォード5速はかなりのワイドレシオであるという事です。
1速のレシオはGTクラシックに使われている4速@より大きく、且つファイナルも大きいのでボクスホール・ストリートやKスポーツにとっては低すぎます。
この事は下表からも明らかです。

 
各ギヤの車速 (7,200rpm、195/50R15)
G/B 1速 2速 3速 4速 5速 6速
フォード5速 59 110 157 198 242 -
クワイフ5速 97 129 164 198 228 -
ケイタ6速@ 80 107 135 162 190 215
ケイタ6速A 65  92 121 150 174 198
4速 @ 64 107 151 213 - -
4速 A 81 120 162 198
 
 ボクスホールのパワーからすると私の使い方では1速は80〜85q/h位が一番使いやすそうで、フォード5速の59q/hは低すぎます。
1速で59q/hは瞬間的に達してしまい、馬力が有効に使われていない感じが明白です。
昔乗っていたチェリーX1が1速60km/hでした。
普通に走る時で4,000rpmでシフトアップするくらいだったら2速で発進した方が手間も掛からずしかも速いくらいですがクラッチの負担を考えて1速から発進しています。

 ボクスホール・ストリートでは16インチのケイターハム・ホイールが標準(オプションの標準?)となっているようですが、それもこうした事が理由なのかもしれません。
1700SSで14インチのケントホイールを履いた場合にも実質的なリミットである6,500rpmで52q/h程度ですから低すぎるでしょう。

 上の方のギヤは7,200rpmの速度で言えばトップ210q/h、その上がオーバードライブで230q/hが希望です。
この場合トップでは最大出力発生回転数の6,750rpmより5%高い7,080rpm付近で最高速度と思われる205q/hとなるのが理想という事です。
空気抵抗の大きいセブンではオーバードライブは10%増しが適正でしょう。
従って現状で4速は低めのトップとして有効に使えますが、5速は高すぎてあまり使いません。

この5速は8,000rpmまで回るBDRやパワーの小さいKクラシックでは使いようがないのではないかと思います。
結局フォード5速よりは4速Aの方がレシオだけで言えばよほどましだったようです。
セブンは軽量なために1速は高めが良く、空気抵抗が大きいために上のギヤは低めが良いという、通常のスポーツカーよりもさらにクロスレシオが必要なクルマなので、もともと量産車の5速を使うのは少々無理があったのでしょう。
安定した供給を得る事が可能だったのがフォード5速だったのかもしれません。

なお私のフォード5速は52,000キロ走行時にシンクロが全部駄目になって修理しました。元々リビルト品なのでリビルトの仕方が悪かったのかもしれないということでした。あるいは元々その程度の品質だったのか。

真正のクロスレシオ、ケイターハム6速

 こうした問題を解決するためにケイターハムの6速が作られたものと思います。
このギヤボックスはケースがアルミダイキャスト製でフォード5速より10s近く軽いそうです。
上表を見るとケイタ6速@が確かに一番良さそうですが、5速と6速はもう少し伸びた方が特に13インチを履いた場合を考えると良さそうに思います。
(195/50R15に比べ185/60R13では外径が約4%小さくなります)
Kレーシングではボクスホールより回転が伸びますから少し良くなるのでしょうが185/60R13を装着した場合第6速の7,200rpmで207q/hになる計算ですから第6速がトップになるようです。

私の個人的見解としてはウェイト/パワー比の割には最高速度の低いクルマに6つもギヤがある訳ですから第5速をトップにして第6速は10%程度のオーバードライブにした方が使い易いようにも思います。
がしかし、ここは少量生産車であるセブン専用のギヤボックスが出来ただけでもありがたく思うべきなのでしょう。
(これを書いたのは2000年4月頃ですが、その後R500Rの詳細がわかりましたがR500Rでは第5速がトップになるようです。2000年12月記)

 ケイターハムの6速は、ギヤは最初は確かにヘリカルギヤだったようですが(AJ vol.5写真)最近の物はギヤ音からしてスパーギヤらしいという報告もあります。
ケイターハムの6速付きのモデルを購入予定の方でギヤ音は嫌いだという方は試乗されたほうが良いでしょう。

シーケンシャルギヤボックス

 純正のギヤボックスのほかに社外で販売または開発中のシーケンシャルギヤボックスというものがあります。
クワイフ製の物が販売されており、日本のカーツ株式会社の物が開発中のようです。
(カーツの物は何年か前に問い合わせた時には「来年発売」と言ってましたが、その後どうなったのか不明です)

ただこれらはいずれもスパーギヤ(平歯車)を用いた物でしたがってギヤ音がかなりしますから特にツーリング主体の人には好き嫌いがあるでしょう。

さらにこのシーケンシャル・ギヤボックスはよくオートバイのリターンギヤボックスと同じと言われますが、最も違うところはオートバイのリターンギヤは2速からニュートラルに入れられますが所謂シーケンシャルでは1速からしかニュートラルに入らないという事で、これは公道を走る時にはかなり面倒な物になると思います。
(どれだけ面倒かはオートバイで停止のたびに1速まで落とすようにして見るとよく分かります)

レース専用なら使えるかもしれませんが、セブンでレースに出ている人でもレースのない時には公道を走るわけで、2速からニュートラルが出せないというのはかなりのマイナス効果だと思います。

 

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