改良箇所


 フォーミュラワンホイール

主な使用目的が休日のツーリングですからウェーバー・アルファの装着とレーシングスクリーン以外にさほど大きな変更はありません。
従がって以下に書くものは恐らく最小限必要なものだと思います。

 ブレーキペダルとアクセルペダルはかなり離れていてヒールアンドトーがやり難くなっていました。

これは購入もとの話では現在ではセブンでも安全性の観点からブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えそうな作りを控えているのだという事でした。
英国では中年のおばさんでもヒールアンド゙トーをするという事を昔小林彰太郎さんの書いたもので読みましたが、時代は大きく変わったという事でしょうか。
さらにアクセルペダルは細い踏面が(ドライバーから見て)右のサイドパネル側に寄りすぎていますから、右足裏の右半分で踏むようになっており何とも具合が良くありませんでした。

 ブレーキペダルは図面を描いて近所の鉄工所でS字状に曲げてもらいアクセルペダル側に3センチほど寄せました。
この仕事を依頼した時鉄工所の親父さんは「うちの娘もこの間ペダルを踏み間違えてぶつけたんですよ」とさかんに感心しましたが、何かを取り違えているようなので真実を言う事は控えました。
さらにアクセルペダルはツインカムから購入したブレーキペダル側に寄せた物を取り付け、ほぼ満足のいく状態になりました。

 ブレーキの効き具合はノーマルの状態では決して良い物ではありません。
ブレーキはフロントが対向2ピストン、リアが片押し1ピストンが付いていますが、踏み始めの初期制動が悪く、さらに思い切って踏むと今度はロックするという感じで、コントロール性が悪いという表現がピッタリです。

きっちり減速できる自身が持てないのでつい早めに減速してしまい、セブンで特に重要な回頭の始めでフロントに十分な荷重を乗せることが出来難くなっています。
これについてはフロントだけAPレーシングの対向4ピストン型に換えて良好な結果を得ている人もいます。
しかしこのブレーキキャリパーはフロントだけでも20万円以上もする高価なものです。
ノーマルのキャリパーでも容量としては軽量なセブンには十分と思われます。

あるショップで相談したところ「前後ともパッドを初期制動の良い物に張り替えてブレーキローターを研磨すればかなり良くなりますよ」と言われたのでそこでやってもらいましたが、十分に満足できる状態となりました。
ブレーキローターの研磨というのは初めてしてもらいましたが、いわゆるスポンジーな感じがなくなり、ペダルを踏んだときの剛性感がとても良くなりました。
これは良いという事でサイドカーのブレーキローターもしてもらおうと思いましたが、穴あきローターは研磨できないという事でした。

なおパッドの張替えというのは焼きばめでするそうです。
費用は約10万円でしたが現在はガルフォースワンなど自分で交換できる物が何種か出ているようです。

 フロントだけAPレーシングの対向4ピストンにした場合ですが、このブレーキキャリパーはノーマルの2ピストンに比べピストン面積が1.8倍になりますから油圧レシオも1.8倍となり、単純に考えてもフロントの制動力は1.8倍になります。
従がって効きが良くなるのも当然ですが油圧レシオが増加した分ストロークも増加してほぼ1.4倍になるはずです。

ただしノーマルのキャリパーで上記のように剛性感はかなりありますからストロークが1.4倍になってもむしろ「真綿で締めるような感じ」になるのではと思います。
リアもAPレーシングの物にした場合には油圧レシオが上がりすぎますからマスターシリンダーをビッグボアタイプの物(ピストン面積が1.4倍)に換える必要があるでしょう。

 ところで油圧レシオの話ですが、オートバイ雑誌などを読むと「ブレーキキャリパーのピストン(対向2ピストンでは2つある)の総面積をマスターシリンダーのピストンの面積で割る」として計算しているようです。
この計算のやり方だとピストン径が同じであっても対向2ピストンは片押し1ピストンの2倍の油圧レシオとなってしまいます。
実際にはピストン径が同じであれば対向も片押しもブレーキパッドの圧着力もストロークもほぼ同じですから、この計算によって油圧レシオを計算した場合には注意が必要です。
オートバイの世界では最近対向6ピストンなどという物が標準装備となったバイクもあるようです。

 タイヤはグッドイヤーのイーグルNCT195/50ー15がスタンダードとして付いておりましたが、このタイヤは恐ろしいほどグリップが悪く、1速に入れたまま回転を上げてぽんっとクラッチをつなぐと後輪がキューと空転してクルマはその場に静止したままと言う、まるで英国のキットカーのコブラ427レプリカのビルダーが顧客の前で演じて見せるデモンストレーションそのままと言う状況でした。
(キューと言う音が全く粘りのない音でした)
これはこれでオモシロイと言う事も言えなくはありませんがジムカーナでは言うに及ばず公道上でさえ何度かスピンしかかりました。

 これではまずいと言う事で代わりのタイヤを調べましたが、通常良いと言われている物でもセブンのように超軽量のクルマに装着した時でも所期の性能を発揮するとは限りません。

そんな時に都合良くAJvol.17でセブンのタイヤテストが実施され、この記事を参考にミシュラン・GTXビラージュに決定しました。
このタイヤの特徴はハイグリップタイヤの中ではグリップ能力はそう高くないがコントロール性に優れていると言う事ですが、イーグルNCTとの比較で言えばグリップ能力、コントロール性の双方とも格段に向上しました。

その後ダンロップ・フォーミュラ901、同DIREZA DZ101を使用してますが特に不満はありません。

空気圧は実走行状態時に1.6s/cm辺りが一番良さそうで、通常冷間で1.55s/cmを下回ったら1.6s/cmに調整しています。

 ホイールはセブンホイールあるいはプリズナーホイールと呼ばれる15インチのもの(下の写真)がついてましたが、現在は14インチのフォーミュラワンホイールをつけてます。
これはタイヤとセットでセブンホイールに比べて約1キロの軽量化です。(正確な数字は計量できませんでした)

セブンホイールはそのデザインが昔あこがれていたロータス・エランのホイールに似ているので永く愛用しましたが、フォーミュラワンホイールにして乗り心地もグリップもかなり改善したように思います。

この8本スポークというのは、アルミホイールの本来のあり方からするとスポークの数は奇数になるのが剛性を均一にするという点で正解なんでしょうが、偶数だとクラシックな感じが出ますね。これは木製スポークを連想させるからだろうと思います。サイドカーの名車であるトロイカもスポークの数は6本あるいは8本でクラシックな感じを出してます。

  それ以外の改良箇所は小さなことばかりですが列挙すると、セブンのターンシグナルのインジケーターランプは暗くてとても見にくくこれを明るい物に換えた (この効果は意外と大きかった)、クニャクニャしたターンシグナルスイッチを剛性感のある物に換えた、
クーリングファンの手動スイッチをつけた(エンジンというよりも補機類を冷やすため走行中は入れっぱなし…温風が来て逆効果だという人もいるにはいる)、ステアリングのホーンスイッチはすぐに壊れたのでディマースイッチの位置に新設 (手押しの時に間違って鳴らすことがあるのでフォグランプスイッチをオンにしないと鳴らないようにしています)、バッテリーをトランクに移動 (重量配分向上を狙い)、クラッチペダル上部のマスターシリンダーを押すブラケットを片持ちから両持ちに換えた (片持ちのままだと2.5万キロで破壊寸前)などです。

セブンホイール

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