スーパーセブン・ボクスホール購入


ボクスホール・ストリート
   
 
 

セブンとの再会

 1975年以後CB500Fを皮切りに大型自動二輪を7台乗り継ぎ、1989年からはサイドカーにも乗るようになり、腰はゆっくりと薄皮を剥ぐように、しかし確実に回復してきました。

 1995年の始め頃、第3京浜保土ヶ谷P.Aで2台のセブンを見つけました。それは良く見ると発売間もない光岡ゼロワンでした。オーナーの二人は50歳台はじめ位の人で、お話を伺うと「こんなに楽しい車は生まれて初めてですよ」と、とても嬉しそうでした。

 確かにこんな車でぶっ飛ばしたら痛快だろうなと思いました。(この二人は後で知った事ですがゼロワンオーナーの間ではかなり有名なお二人だそうです)

 そのうち、ゼロワン氏のあの言葉が時々思い出されるようになり、腰はもうかなり良くなっているようだし、もしかすると乗れるかもしれないな、などと思うようになってきました。
S600の時の経験で、ローリングの少ない車はコーナリング速度が高い割には腰椎に曲げモーメントが掛からない事も知っていました。資金的にも何とかなりそうでした。

 かつてはあったケイターハムに対する少し醒めた思いのようなものも、このころには〔よく頑張っているな〕という尊敬の念に変わっていました。

 セブンに関する雑誌も集めて読むようになり、その中でもカー・マガジン1988年7月号に書かれていたBDR試乗記の「今までのセヴンでは高速道路の路面の継ぎ目などで一瞬リア・タイヤが完全に路面から離れるほどだったが、ド・ディオン仕様ではそれは殆どなく・・・」という部分に目を奪われ、ついにセブン購入を決心しました。

 セブンを所有するにはガレージが必要という事をよく聞きますが私にはガレージはありません。サイドカーで実績のある屋外保管+車体カバーでしのぐ事としました。

 スーパーセブン・ボクスホール購入

 車種は、1700SSなら新車で購入できそうでしたが、新車が届くまでの数ヶ月間の待ち遠しさはそれが楽しみであるだけに苦しさが倍加するものであり、さらに高性能志向の強い私は中古のボクスホールかBDRのどちらかにする事と決めました。中古車探しであれば、よしんば少し長引いたとしてもそれはむしろ楽しさであり、さほど苦しい事はないだろうという作戦です。

 板橋のある店に行ったとき、チューンした1700SSのナビシートに座らせてもらう機会がありました。ものすごい音と巻き込む空気とスピード感、これが私のセブン初体験でした。何軒かの店を廻るうち、セブンの公表出力は少しゲタを履かされているらしい事も分かりました。

 ある所で見たBDRは空吹かしをくれただけでフィーリングの良さを感じさせましたが、私は距離を走る傾向があるため信頼性、耐久性の上では優位と思えるボクスホールに決定し、1996年春に正規輸入元である紀和商会の代理店で優良中古車(有料中古車?)を購入しました。この店では、初めて自分でハンドルを握ってのボクスホール・レーシングの試乗もしましたが、猛烈な音と一般の車とは違いすぎる乗車感のため速いんだか遅いんだか実はよく分かりませんでした。

 なお、ボクスホール・レーシングのスパーギヤの発するギヤ音はかなりのもので好きになれず、(これが良いんだと言う人もいますが) ギヤ比の上では下のギヤがちょっと低すぎるのは承知でボクスホール・ストリートにしました。(現在Kレーシングなどに採用されているケイターハムの6速もヘリカルギヤという事になっているようですが音からするとスパーギヤらしいという説もあるようです)

 私の手元に届いた7,000q走行のセブンは殆ど手の入ってない新車同様のもので、鈍く光るアルミ部分が何とも言えない野性味を感じさせるものでした。

なお正規物でないセブンの中には時に組み付け精度など品質が悪いものがある、という話がありますが、私の見聞きした範囲では関西の方でそうしたものが多いように聞いております。私が廻った東京近辺の店はしっかりした印象を受ける店もかなりありました。
(不安を感じさせる店もありましたが)

 これからセブンを購入する方でこの点に関してよく知りたい方はセブンに乗っている人に直接聞いて見るのが一番良いように思います。日曜日の朝に箱根の芦ノ湖スカイラインなどに行けばセブンは常に2,3台は居るようです。

 

ホームページへ   次ページへ