第十五章 セント・マギー牧場
P坊は一日も早く“セント・マギー牧場”へ行ってお母さん羊を探したいと思いました。
丁度三ヶ月後にめぐみさんが修学旅行でニュージーランドーへ行くことになっていました。
そこでめぐみさんのお母さんがP坊を連れていってくれることになりました。
P坊は“動物検疫”などたくさんの手続きをして、やっとニュージーランドへ行けました。
“セントマギー牧場に着いた時、P坊は胸が苦しくなりました。
その時遠くの羊の群れの中の一頭が突然こちらを向きました。その羊は匂いを確かめると、こちらに向かって走って来ました。
「お母ーさーん」 P坊も思わず駆け寄りました。
「P坊、この匂いは確かにP坊だわ」 お母さんは叫びました。
「この感じはお母さんだ」 P坊も叫ぶと体を摺り寄せました。
お母さん羊は元気で待っていてくれたのです。
ただ、P坊はお母さん羊をずいぶん小さく感じました。その分P坊が大きくなったのです。
この様子を見てみんな感激しました。
その後、P坊はお母さん羊と一緒に“セント・マギー牧場”で暮らしました。
一年後、貨物船に乗って様子を見て来た カラスのカー子と黒猫のニャンコの話によると、海の見える断崖の上の広い牧場で、黒いP坊と白い母さん羊が仲良く楽しそうに並んで草を食べていたそうですよ。
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