ばらに寄せて2
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**ポストカードのばらたち**
イギリスやドイツの古いレンガ造りの家。
壁をつたうばらの花たち。
白い木枠の窓の横に咲き乱れるばら。
ばらというとヨーロッパの花のイメージが強いが、
実は、これらの品種改良の大元となったのが、
日本に自生する野ばらだそうだ。
日本の山の中、森に、林に、野原に、
どこにでも見ることが出来る、小さな白い野ばら。
「愁いつつ 岡にのぼれば 花茨(はないばら)」と
江戸の俳人、蕪村の句にも読まれている。
この白い野ばらが、19世紀初めにヨーロッパに紹介され、
中国から渡ってきたばらと掛け合わされ、
小輪咲き、中輪咲きのばらへと発展していったとか。
晩秋に、玉川上水べりの枯れ草を踏みしめながら歩いていると、
赤い実のついたばらの木を発見。
野ばらは、秋になると赤い実をつけ、
冬になると、リースなどの材料によく使われる。
しかし、この時見つけたばらの実は、
枝に2、3個ついているだけで、
とてもリースの材料などには、
出来るようなものではなかったが。
しかし、この赤い実をつけたばらの花は、
何色の花を咲かせるのだろうか、などと
柿色に暮れてゆく夕の間に、
しばし5月の季節を思い描いたことがある。
さて、随分前に購入したポストカードの中に、
いくつかばらのものがあった。
どれもヨーロッパの古い家の庭に咲いている写真だ。
ヨーロッパ、とりわけイギリスでは、
6月がばらの季節である。
どこもかしこもばらの花だらけ、
ばらの花の香りに包まれるらしい。
ローズガーデンで、ばらを堪能し、
蔓ばらの木陰のベンチで、
のんびりと本を読みつつ、
昼寝などしてみたいものだ。
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ばらのアーチの家。
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レンガの壁に白い木枠のドアと窓。
ばらの花との相性絶大。
もし私が家を建てるなら、絶対に
このタイプだ。
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古い田舎の家に咲くばら。
これは「ピース」という種類かな?
何十年もの間、季節が来るたびに、
そこに咲き続ける赤いばら。