Green Sleeves
大好きな演奏家がいる。
まだ20才を少し過ぎたばかりの若さと美貌の持ち主だ。
その美貌だけで、もう充分なのに、
類い希な才能を持って生まれてきた。
もちろん才能だけではない。
才能を開花させるだけの、ひたむきな努力とその深い音楽性。
ギタリスト・村治佳織、その人。
もう何百回とCDを聴いているが、、
聴くたびに、部屋の中を涼やかな緑の風が通り過ぎて行く。
今回、新たなるCD「アランフェス協奏曲」が発売されたが、
残念ながら、まだ聴いていない。
でも楽しみは、一番後にとっておいて・・・。
「espressivo(エスプレッシヴォ)」
村治佳織デビューCD。
19世紀初頭、ギター音楽の古典期から、ロマン派時代の
作品に的をしぼった選曲。
゛ヴァイオリンの鬼才゛パガニーニの「カプリス」他、ギターの
名曲が揃っている。
EN SLEEVES(グリーンスリーブス)」
私の一番大好きなCD。イタリア・リュート曲をちりばめている。
このCDをかけていると、お客さんから「この店はものすごく
落ち着きますね。」と言われる。
聴くたびに、心がほっとするヒーリング効果絶大なアルバム。
「sinfonia(シンフォニア)」
スカルラッティ、バッバ、ヘンデル等、バロック作曲家の曲を
集めたアルバム。
また演奏だけではなく、村治佳織は、このCDの中で、
編曲もこなしている。
何年か前、久米宏の「ニュースステーション」で、
村治佳織が夜桜をバックに、バッハの「シンフォニア」を
演奏したのが印象的だった。
「Pastorale(パストラル)」
今世紀最大のスペインの作曲家ロドリーゴ・ホアキンの作品集。
ロドリーゴと言えば、「アランフェス協奏曲」が有名だが、
このCDでは、ギター・ソロのための作品を集めた。
「CAVATINA(カヴァティーナ)」
このCDでは、1曲を残し、すべてアメリカ大陸からの作品を演奏している。
タイトル「CAVATINA」は、映画「ディア・ハンター」の主題曲。
ポピュラー色が強いが、その分親しみやすい。
サグレーラスの「はちすずめ」を弾いているCM有。
−村治佳織・プロフィール−
1978年・東京生まれ。3才より、父・村治昇の手ほどきにより、
ギターを始める。1989年ジュニア・ギター・コンテストで最優秀賞。
同年、及び1991年には、学生ギター・コンクールで優勝。
1992年9月、レオ・ブローウェル国際ギター・コンクール、12月には、
東京国際ギター・コンクールでそれぞれ史上最年少優勝を果たす。
1998年より、パリに留学中。
木村大「THE CADENZA17」
弱冠17才のギタリスト・木村大。村治香織と同じ年代でデビューした。
このアルバム第一曲目「ムーンタン」は、作曲家兼ギタリストとして、
現在アメリカ楽壇に光彩を放つ存在のA.ヨークが木村大の為に、
作曲した曲。有名な「サンバースト」と対をなす作品である。
もちろん「サンバースト」もこのアルバムに収められている。
村治香織の5枚目アルバム「CAVATINA」でも「サンバースト」が
第一曲目に入っており、聴き比べるのも面白い。
つのだたかし「シチリアーナ〜リュートためのアリア〜」
村治香織アルバム「GREEN SLEEVES」の中で、イタリア・リュート曲が
収められているが、リュートとは、中世からバロック時代にかけて、
ヨーロッパで愛された涙型の弦楽器。18世紀後半以降は、
忘れられた存在だったが、200年の時を経て、今再び注目される。
カゴメのパスタソースのCM曲がこれ。作曲者不明の「シチリアーナ」。
リュート演奏は、つのだたかし。
ドイツのケルン音楽大学リュート科卒業。リュートの他、古典楽器で
アンサンブルなどを行っている。
リュートでの「シチリアーナ」を聴いていると、シチリアの風景がまるで、
自分の故郷のような、そんな不思議な感覚にとらわれる。
私の心の一曲。