庭園美術館のマリー・ローランサン回顧展に行ってきました。

私は少女趣味な印象を受けていたので特に興味を持っていなかったのですが、友人が行きたいというのでついていきました。

ローランサンは淡いグレー、ブルー、ピンクの色彩でほぼ女性のみをモティーフの対象として数多くの作品を遺しています。夢見るような、はかなげな風情の乙女たち。ミルクの肌、まろやかなラインの姿態。おそらくローランサンはレスボス島の住人でしょう。鑑賞しているうちにいつしか、彼女が映し出す官能の世界に引き込まれていくような気がしました。

しかし、そんな中で「ローランサンがブレさまを描いたらどんな風になるんだろうな〜」などとアホなことを考えていました。ぜひ見てみたい。…真剣に思っていました。




ひととおり見終わって図録など売店でパラパラめくっていたんですが、ある絵に目を奪われてしまいました。
ブレさまがいる〜〜〜〜っ!
発見したのはデビュー当時のブレさまです。眉間にシワがよってて神経質そうな感じ、長い腕とほっそりした中性的な体。シャツの襟元を大きく開けて、腰に手をあててS字のポーズで気取っています。肩にはピンクのスカーフをかけています。ローランサンのピンク…♪

ローランサンが描いたブレさまを見たい、と思ったのはこの絵に会える予感だったのかもしれない! 東京の回顧展では出品されてない、図録でしか見られないものだったのです。

思わず図録を買ってしまいました。 3,000円ナリ。
それでは、そのブレさまをご覧にいれましょう。







































Nils von Dardel 1913
ニルス・フォン・ダルデルという人の肖像です。90年前に描かれています。このニルスさん、色男だったのでしょうね。当然娘たちに放っておかれるはずもなく、いつも女の子に囲まれていたに違いありません。男性に美を見出さなかったローランサンも、彼の魅力には目をとめて、カンバスに姿を写したのでしょう。

ローランサンが2003年の今にいたら、音はともかく、姿に関してはsuede のファンになっていたかもしれませんね。
2003.9.6

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