私はsuedeの他にも別のバンドのファンだったりもします。linkのところにradioheadのファンサイトがありますのでそれもそうですが、 もうひとつ熱烈なファンをやっている人がいました。
なぜ過去形かというと、その人はもうこの世にはいないからです。

訃報を知ったのはNMEのニュースからでした。新譜が発売されてからもう3年も過ぎ、 新作のお知らせかと胸を躍らせてヘッドラインを見ると“suicide”という言葉が…。まさかと思いつつクリックしてみると、やはり彼は自殺してしまったのでした。

なぜ彼が自殺してしまったのかわかりません。 私は彼の訃報で非常に打ちのめされ、涙すら流しました。しかし私は好きだと言いながら大変消極的なファンで、 アルバムを買い、ライヴに足を運ぶものの、特に何もしていませんでした。もう少しファンとしてサポートしていれば、そんなファンが大勢彼についていれば…。 もしかしたら状況は変わっていたかもしれません。あとから悔やんでも、もう戻ってきてはくれないのですが。

ひとしきり泣いた後で、改めてsuedeに思いを至らせました。
最近のsuedeは10/20(イギリス本国。日本は10/29)にベスト盤“singles”をリリース、それにちなんで9月にロンドンで行われたアルバム別ライヴも成功させ、 11/1には自叙伝が出版されます。10年の区切りを喜びに満ちて迎えているのです。

そんな彼らも順調な道のりを歩んで来たわけではないというのは、周知のことです。最近のインタビュー(rockin'on Nov.2003)でも「絶体絶命のドン底地点や、死の淵を覗くような時期にも遭遇してきたし…」などと語ってます。
読んだその時はさして気にも留めなかったのですが、こうしてかけがえのない人を失ってみると、suedeが今無事でしかも喜ばしい状況にあるのが奇跡のようにありがたく思えてくるのです。

ファンを長くやっていると、バンドのやることに否定的な気持ちを抱いたりすることもあるかもしれません。これもひとえにバンドを思うがゆえなのですが、 この気持ちが募ってしまうと真っ白な状態で受け入れるのが難しくなってしまうような気がしてなりません。

バンドに必要なのはsuedeに詳しい批評家たちの厳しい批判ではなく、 暖かく受け入れてくれるファンの支えだと思います。suedeは精神的に強いバンドですし、私の心配は大げさかもしれません。ですが、elliott smithの訃報にこんなことを考えてしまったのでした。
大切にしたい!


24th.Oct.2003


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