東野圭吾 57


さいえんす?


2005/12/30

 『容疑者Xの献身』で『本ミス』『このミス』『文春』の三冠を達成した東野圭吾さんから、年末に届けられた新刊はエッセイ集である。傑作『あの頃ぼくらはアホでした』を読んで以来、東野さんだけはエッセイ集も必ずチェックする作家になった。

 毎日毎日嫌になるほど「出会い系」メールが送られてくるが、中にはひっかかる奴がいるからちっとも減らないんだろうなあ。電車の中では、部活帰りの中高生たちが携帯メールやPSPに夢中。並んで座っていても言葉は交わさず。でも、そんな状況を生み出した大人がとやかく言う資格はない。生まれながらのネット世代は、彼らなりに生きていく。

 地球温暖化って言うけどさ。ハイブリッドカーなんかに乗っても焼け石に水。100%電動ならいいかって? 充電する電力はどうするの? 生態系が乱れているって言うけどさ。捨てられた方は必死に繁殖するに決まっている。これも自然の摂理。「ツケを残さないために増税を」って、ツケを作った張本人たちに言われたくはないぞ。

 理系はメリットか。少なくとも、就職に苦労しなかっただけでも大きなメリットだった。青色発光ダイオードの特許論争は一石を投じたけど、会社の優秀な女性技術者が出産を機に辞めたことの方が問題だ。メーカーとして、「二つのマニュアル」に思い当たるところはないか。2000年問題って何だったのかな。2007年問題は本気で深刻だ。

 アンチ巨人だけど、あまりの惨状に貶し甲斐がない。正直堀内には同情するが、2年連続レギュラーシーズン1位のソフトバンクにはもっと同情する。サッカーがどうして1リーグで成り立つかって、降格があるからだ。北京の前にトリノが気になる。浅田真央が出ていれば…なんてことにならなきゃいいが。スポーツ選手はともかく、そのダイエットは必要?

 出版界に、ミステリーに未来はあるか。僕自身はあまり考えずに本を買ってしまう方だが、独身で使えるお金が多いからだし、自分を偉いと言うつもりもない。いつまでこうやって読書していられるかな。できるうちは、愛する小説界を買い支え続けたい。

 とりあえず、黄色い朝顔に関する物語を早く読ませてください。



東野圭吾著作リストに戻る