ここではBf109の主脚の折り畳みのしくみをより詳しく見てゆきます。
巨大なGIFファイルをおわびします。 で、最初にアップしたときはこんな←構造かなと思ってたらどうも上のような構造のようなので訂正します。 109の左脚を折り畳み軸の延長線上、機首側から見た図です。主脚は胴体の第一フレームからエンジン防火壁にかけて前に突きだす形で固定された複雑な形のいわば「D」の字型フレームの下端に二つに別れた回転軸で関節結合されています。主脚側の回転軸基部は後方の回転軸上に上につきだした一体成型のツノを持ち、ツノ頂部には主脚回転面と平行にミゾが切られ、バネにより持ち上がろうとするロックツメ(図中
さて、主脚のツノには機首方向側にさらに黄緑で示した袋状のパイプが固定され、中にバネを封じ込めて、ピンクで示したホッケーのスティックのようなかたちの油圧ジャッキ取り付け金具がはまっています。このピンクで示した金具の裏側(機体後方側)に、たぶん水色のロックツメとかみ合う突起かホゾがあると思われ、ピンクと水色は連動します。 さて、主脚のツノには機首方向側にさらに黄緑で示した袋状のパイプが固定され、てっぺんが平らなプランジャーで中にバネを封じ込めて、ピンクで示したホッケーのスティックのようなかたちの油圧ジャッキ取り付け金具がはまっています。このピンクで示した金具と一体のロックツメとかみ合う突起かホゾがあると思われます。
油圧ジャッキは延び続けるので主脚は畳まれ、最後まであがると油圧ジャッキ取り付け部のアップロック用フック(図中白)がどけられてバネで再びもどって脚柱をつかまえます。 脚を出すときは、まず、油圧ジャッキが縮みはじめ、でも脚はフックにつかまっているので動かないから、油圧ジャッキは翼への取り付け基部であるフック(白)を胴体側に引っ張り、結果アップロックが外れ、主脚が降ります。最後にロックツメが引っかかって脚出し完了です。 この飛行機、よく、よく悪者にされる轍間距離のせまさからとか脚のロックが弱いので脚が地上でへたって事故るといわれますが、この頑丈なロックを見るかぎりは折り畳み方向にはそんなことはなさそうで、事故の写真では脚が逆方向に曲がってるのが多い気がします。元パイロットのインタビューでも「慣れない人は左に引っ張られて、そうなるともう手のくだしようがなかった」みたいなこといってるのをビデオで見ましたし。 轍間距離のせまさとかよりも、低速時に大トルクで左に引っ張られたときに左脚が右側にねじられると、ご覧の通りロック機構は折り畳み方向だけ考えてあるのでまず回転軸基部のストッパが負けて、さらに油圧ジャッキが負けて、結果犬が寝ころぶように左に潰れるというのが一番多いパターンなのでは?すると事故の主な原因は機体のわりにでかいペラによる低速時のトルクということでしょうか。 ならばトレッドが広くても無意味。後期型で垂直安定板をでっかくしたのもトレッド直すよりそっちの方がはるかに効果があるからではないのかな? なお、グラウンドループはBV155みたいにトレッドが広いほうがなりやすいとおもうんですが。 オートバイはスピンしないし。 「トレッドが狭いのは×」という評価はエンジンの回転数や減速比を見ずに馬力だけ見て「ペラが小さいので×」と断言するのと同じくらい乱暴な意見かもしれません。 |
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