AMX-30は、フランスの戦後初の主力戦車ですが、ヨーロッパには売れないで、中東にちょびっと売れました。子供の頃買ってもらった「世界の戦車」という本では、「装甲が50ミリと薄いのは、砲弾が発達したので重装甲に意味がなくなったためだ」と書かれていて、重装甲のドイツ戦車にロマンを持っていたぼくの心に寒い風を吹かせましたが、結局装甲は大切なものであるという認識が80年代になって復活し、素材の工夫で何とかできるようにしだしたのはおもしろいことです。
エレールのAMX-30は志の高い、素晴らしいキットです。可動部は多く、キャタピラも品質は良く、実車でクリアーな部分はキットもクリアパーツを用意しているのは、その後何十年もどこのプラモデル会社もめんどくさがって真似しなかった、コストのかかるけれど素晴らしいことです。
奥にいるのは新しいメンモデルのキット。こちらもすばらしい。でも砲塔前面の面影とか、エレールのほうがいいような気もします。
80年代末期に作ったキットなので、あちこち部品が落ちてたりします。色がわからなくて塗ってないパーツ(消火器とか)を付けてたり、資料がなくて付けなかった部品とかもあるようです。(記憶が無い)
今はネットがあってありがたい。
車体はハンブロールの66で塗っています。メンモデルのキットも同じ色で塗りました。当時、パンツァー誌に出てた写真を参考に決めた色だったと思う。
30年近い埃のせいでなんか立体感出てる!?
この戦車の105ミリ砲は、NATO標準の105ミリ砲弾も撃てますが、HEATに限ってはベアリングで弾体は回らずに外周だけライフリングで回るという「G弾」という弾薬が売りだったと記憶します。かっこいいね!
照準器のレンズもクリアパーツでした。防盾のカバーもゴムで可動です。未だに劣化なし!
当時のぼくはフランスとか嫌いだったはずなんですが、なんでまたこのキットを作ったのか思い出してみたところ、どうも、お手軽に世界の主力戦車を作り比べて博物館みたく並べて楽しみたかったらしい。
買ったのは、いわゆる写真箱と言われるロットで、下手くそな作例の、フォトショップもない頃の修正写真をダンボールの頑丈な箱の箱絵に使っていました。あれ?30年前じゃねえのかな?・・・まあいいや・・・当時、あっちのほうでは、かっこいい箱絵は中身のキットと違うとかクレームがきたらしく、キットを組み上げた写真ということにしたのですが、これが超絶作例だと「こんなふうに作れねえよ!」とクレームがくるのを恐れたようで、あえてへったくそなやっつけ作例写真を載せたようですが、これは商業的には決していいことではなかったようです。つーかモンスタークレーマー死ね。
乗員ハッチはデフォルトで可動です。最高に楽しいキットでした。難を言えば、排気管上の網カバーがパーツとしてついていないけれど、極初期のAMX-30には網はついてなかったみたいですね。
網のパーツは90年代に何処かのガレージメーカーが出したのを買ってあって、いつかB2を作るためにもう一個キットを持ってるのを思い出した。
左舷のマフラーは引っ越しの時どこかにいってしまったみたい。