AMX-30は、第二次世界大戦後のヨーロッパの防衛にあたって、西側の陸軍は標準の統一された型の戦車を装備したほうがいいんじゃない?という政治経済的な提案から起きた、標準戦車のコンペのために開発されました。AMX-30の「30」は、30トン戦車の30です。イギリスやアメリカの戦車はヨーロッパの道路にはおもたすぎるということだったのです。
ドイツのレオパルトと、この、AMX-30の標準戦車コンペは、もちろん、政治的な建前と軍人と技術者のプライドと商魂が折り合うはずもなく、空中分解して、ドイツとフランスはそれぞれが自分のとこで作った戦車を採用することになりました。商業的にはレオパルトが勝ったようですが、どちらも50ミリ位の軽装甲しか持たないという点には変わりなく、戦車戦経験の豊富なイスラエルなどには見向きもされませんでした。ちゃんちゃん。
メンモデル(モンモデル?フランス語読み?)の戦車キットはどれも素晴らしい志で開発されています。ぼくは、何故かこの戦車は嫌いじゃないので、作ってみたくなって、作りました。エレールのキット(奥に写ってるやつ)以来のキット化ですね。新キットとか絶対出ないと思ってた。
タミヤなどでは未だにサービスされながちなクリアパーツもふんだんに奢られていますし、可動部も極力盛り込まれています。
難を言えば、プラスチックがちょっと熱に弱いので、リューターで細いドリル穴あけようとすると、溶けることがあるということかな。
スタイルは、砲塔がでっかくて結構かっこいいと思います。車長が車内から操作できる機銃は、レオパルトにはない装備ですね。でも、この砲塔は、側面装甲とか40ミリ無いんじゃないのかな?その内側、装填手側の側面内壁には105ミリ砲弾がびっしり壁にそってしまわれているので、砲塔側面に戦車砲弾でもRPGでも当たれば盛大に爆発する点は、同時期のT-64シリーズを笑うことは絶対にできないでしょう。
砲口の中を黒く塗るの忘れてた・・・車体はハンブロールの66で塗りました。ジャッカルの日(ハリウッドの下品なリメイク版じゃなくて、原作に近い名作の方)とかに出てくるパレードの車両とかはこの色?写真によってはもっと茶色みの強いオリーブ色のもあります。謎です。
前面左舷にある重量表示の丸い黄色い標識は、西側戦車のチャームポイントですね。
エレールの名作キットには入ってなかった排気管覆いの網もエッチングで入ってます。
ちなみに、この、車体上部左舷にいっぱい貼り付けてある板は、キャタピラのゴム部の予備です。キット見て初めてなんなのかわかりました。メンモデルのキットは下手な資料本よりリサーチがすごいです。
キットはデフォルトでサスペンション可動です。タイヤはポリキャップで回ります。キャタピラも連結可動式が入ってます!こういう姿勢は大好きです。
後ろから見たところもなかなかかっこいいです。車体後部右上についてる小さい箱は、車内と連絡できる電話が入ったボックスですが、流石に中身は再現されてなかった。再現されてても良かったね。この電話ボックスは、我が74式戦車でもおなじみ装備ですね。
マークは、なんの説明もないけど、たぶん、第五胸甲騎兵連隊? (あるのか?そんな連隊?)
部隊内番号は、キットのを並べ替えて架空のをでっち上げたのですが、この番号だとありえないっぽい。
真上から見ても砲塔の巨大さがわかります。キングタイガーみたいです!でもスッカスカなのです。
サスペンションはデフォルトで可動ですし、キャタピラもそうなのですが、ぼくはキットのキャタピラ組立てを見事に失敗したので、フリウルを買ってくるはめに・・・フリウルが出ててよかった!重くなったので、ヘタリ防止に、保管時には車体下にスペーサーとかいれたほうがいいかも・・・
車長、装填手、操縦手の乗員ハッチ、装填手の薬莢捨てハッチは全部可動できるようにしてみました。リモコン機銃はデフォルトで可動です。ちなみに、この同軸機銃であるAA-52は、ドイツの機関銃思想の流れをくんだ汎用機銃で、軽機バージョンとかはルックスはかなりかっこいいです。
ステレオ式測距儀は、蓋を閉めた状態がデフォルトで中身もなかったんで、エレールのを参考に中を作ってフタが開くようにしてみました。主砲照準器のフタはデフォルトで可動です。中身はクリアパーツ。素敵です。
防盾と砲塔のあいだのカバーはキットでは柔らかい樹脂製ですが、エレールのキットもやはり柔らかい樹脂で、30年近くたっても劣化していません。このキットのはどうかな?あと30年も僕自身生きてないだろうけれど。このカバーは実車では黒いのから茶色っぽいのまで、色にけっこうばらつきがあります。
防盾左の巨大投光機は、現物同様取り外し可能にしてみました。フタが開け閉めできるのはキットデフォルトです。素敵です!クリアパーツです。素敵です!
操縦手用バックミラーはこうして仕舞うことができますから、再現してみました。蓋が完全にしまってないのは、撮影時のミスです。ちゃんと閉まります。2個上の写真だと、ちゃんとしまってるでしょ?
同軸機銃が・・・この場合は同軸機関砲が、主砲と独立できるのはフランス戦車の伝統でしょうか。キットの再現は素晴らしいです。
排気管マフラーの上に金網がつくのは我が日本の戦車と同じデザインで親しみがわきます。実物は四角く切り抜いた板の枠の裏から網を張ってるようです。潜水時に備えてか、排気管にはフタがついてますが、可動にしてみました。
車体裏側の記念撮影。地雷の爆風をそらすための船型底面は、ちゃっかりアメリカ戦車のアイデアをいただいてますね。
上部転輪はビーズを使って可動にしました。
砲塔上部のペリスコープは、回転するように改造。内部再現とかしないなら楽です。エレールのキットはこの部品までクリアパーツで感動したのを思い出しました。
装填手の薬莢捨てハッチは、くり抜いてハッチ自体はプラバンで作った。たしか・・・
車長キューポラのハッチ部分はキットデフォルトで回転可動しますが、ハッチは固定なんで開閉可動にしてみた。
ゲペックカステン(フランス語でどういうんだ!?)を付ける前の砲塔後部が、ねこちゃんみたいな可愛らしい顔してたので記念撮影。この時代の戦車は、砲塔側面にまだ覗き窓とかがあって危うい感じがいいですね。
工兵工具や消火器が、多分市販のエッチングのベルトとかクランプを使って取り付けられるように裸のものが用意されている点も志が高いです。メンモデル、大好きです。
このページをアップしたあとで、ガンシールドカンバス?のゴムの上についてる押さえのパーツが吹っ飛んでることに気が付きましたが、1ヶ月後に奇跡的に発見したので、真鍮線をさしてがっちり固定したよ。