コンソリデーテッドの、B-29への保険の重爆、ドミネーターの主脚です。

進行方向は左。たぶん右脚。

巨大な画像をおわびします。

B-24シリーズではエンジンナセルの厚みをできるだけ主翼に近づけようと平べったくしたのと、極端な高翼配置のせいで長くなった主脚柱がナセルに収まらなかったので主翼内スペースを削って外方折り畳み方式をとっていましたが、B-32 ではでっかいエンジンのおかげでナセルに上下の大きなスペースを取ることができました。

しかし、どうもオーソドックスなのはいやだったようで、この飛行機の主脚は珍しく主脚柱とストラットが共に折れ曲がります。普通の飛行機のこういった脚が、二点を固定した四角を基本に変形するのに対して、この飛行機は二点を固定にした五角形を変形させるので、そのままでは変形の自由度が高すぎますから、ストラットと主脚柱のあいだに、連動するリンクをよぶんに設けることで折り畳む方向を規制しています。

図中緑色系が主脚柱グループ、青色系がストラットグループです。

まず、折り畳み行程。赤で示した油圧ジャッキが縮むことで、(図示していない)ストラットの折り畳みロックを解除し、さらに水色で表した上部ストラットを上方に回転させます。上部ストラットの回転軸の反対側にはアームが張りだしてあって、そのアームが図柱ピンクで示したロッドを機首方向に引っ張ります。ロッドは黄色で示したベルクランクを回転させ、紫で示したロッドを下に押します。

紫のロッドは、黄緑色で示した「V」字型の主脚柱上部の内舷側に設けられたレバーを押し、主脚柱上部が後方へ回転しますが、これに関節結合された下部主脚柱(濃い緑色)には下部ストラットが関節結合されているので前方へ引っ張られ(取り残され)るので、結果主脚柱はストラットとともに「く」の字に折れ曲がりながら畳まれます。ちなみに、タイヤはダブルで、ストラットは一本棒です。

茶色で示したバネが脚柱の上げ下げを補助するようです。

強度を要求される部分に複雑で精度を要求される細かい部品が多いのは、あまりいい方法じゃないと思う。

SCHIFFERから非常にいい資料本が出たので、しくみが非常によくわかりました。感謝です。

前脚 しりもちスキッド LeO451の主脚
B-24の主脚
B-29の主脚 B-36の主脚
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