Bf109に「H型」というサブタイプがあると知ったのは、もう何年前でしょうか。雑誌で初めて↓のような、この手の図面を見たときに、あまりのやっつけ仕事っぷりに吹き出してしまったのを思い出します。
Bf109Hは、メッサーシュミットでやっていた高高度戦闘機のMe155の開発が、凝りすぎとMe309の開発難航で人手を取られてグダグダになったので、手っ取り早く既存のBf109G-5型を本格的高高度戦闘機に直せってんで、本当にやっつけでできたサブタイプです。
↑の図で、白いところがG型のコンポーネント。あとは継ぎ足しで、一番ひどいのは内翼で、ただ主翼付け根の断面を伸ばしただけという・・・やっつけにも程がある!水平尾翼も拡大されたみたいに描いてあるけど、どうだか・・・垂直尾翼は新設計のようです。
恐ろしいことに試作機数機がでっち上げられてフランスで実戦配備されたそうですが、急降下時に空中分解事故を起こし(パイロットは脱出できたらしい)、怖くなった空軍はこのタイプの開発を中止させたそうなので、この飛行機の写真とかは一枚くらいしか見たことがありません。それもなんか実物じゃなくて模型っぽい・・・
残された計画図も、↑のほかに、DB605AにDB603の過給器をつけてMe210のスピナー(ということはカウリングも拡大されてる?)の指定の計画図とかがあって、はたして実機がどんな姿だったのかはよくわかりません。
なぜか、ぼくは、年をとるうちに、このやっつけ仕事に妙に惹かれるようになっていました。ペガサスのH型とか掘り出そうかなとか・・・
そんなとき、AZモデルからH型が、タミヤから決定版と言えるG-6型が出たのでした。
作る前は、正直言って、笑いを取るつもりでした。
でも、完成したら、なんかかっこいい!
やべえ!
H型かっこいい!!
胴体はタミヤのG-6。主翼と垂直尾翼とプロペラとスピナーはAZモデルの合体作です。
タミヤのパーツは主翼下面も使って、主翼をごっそり切り落としたあとにAZモデルの主翼をつけてますが、結構違和感なくついた・・・
側面。なんか翼がかっこいい!・・・笑いものにするはずだったのに・・・
モラーヌアンテナを追加しました。
右側面。ボイレの前下にバルジがあると聞いて、AZモデルからもいできて貼り付けた。
MW50のハッチも新設したけどよくわかんないや・・・
真後ろから。やべえかっこいい!!!!
でも内翼に上反角ついちゃったかな・・・それは失敗。
この間延びした、やっちゃった感!
やっちゃったついでに迷彩はフィクションです。
もうなんでもあり!
AZモデルの主翼パーツにはマスバランスもエルロンヒンジカバーも何もなかったので適当につけてみました。
あとエルロンのタブもなかったんで適当に。
計画図しかないんだからやりたい放題だぜぇ!
タイムマシンがあったら見に行きたい・・・
G-6型と並べて楽しむ。外翼が同じとかパッと見わからない・・・
外翼だけG-6と同じ迷彩にすればもっと楽しかったのかもって今思いついた・・・
なが~く伸びた前縁スラットは可動に。
内翼の桁より前には左右共通と思われる燃料タンクが設置されます。内翼自体左右共通パーツなのかも・・・
ということで、G型では左翼付け根にあったMG151モーターカノンの弾薬置き場がなくなってしまいました。必然的に、H型にはモーターカノンとしてMK108しか装備できないということになります。MK108は銃の上に弾倉を置くので、翼内に弾倉を置かなくても大丈夫なのです。と言ってもキットのコクピット内の砲尾カバーは151のまま直してないどね。見えないし・・・負けです・・・
計画図では、タイヤ収容部の、G型とかだとゴンドラ銃がつく位置にはMK108がちょっと前に出っ張った形で、K型みたいな感じで内蔵されるはずなのですが、今回は軽戦闘機型だからいらないんだよう!めんどくさいからつけなかったわけじゃないんだからね!・・・めんどくさいんで・・・負けです・・・
翼内機銃を構造的につけられなかったと言われるF型以降の109の新型主翼ですが、桁より前に、機関部の全長が短いMGFFやMK108、MG131とかなら積むことはできたようです。MG151がでかすぎたのです。MK108以外は威力的に意味がないから積まなかっただけ・・
主脚は折りたたみ可能に。
工作ミスって内翼に上反角ついちゃったのでプロペラと地面のクリアランスがなくなっちゃった・・・負けです・・・
このタイプでは、トレッドが長くなったので、いわゆる、109の欠点とされる短いトレッドが解消された!とか思いますか?
個人的にはこのタイプのトレッドは逆に長すぎで、紫電みたいにグラウンドループとか起こしやすいんじゃないかな・・・BV155もグラウンドループに悩まされたって言うし。
あと、外翼には何故か後退角が与えられてしまっているので、実機でも主脚の回転軸はG型と違う構成と設定になっていたと思われます。
キャノピは開くように工作。今回はタミヤのガランドパンツァーも素直に利用。
H型は高高度型なので、予圧コクピットを持ったG-5型の胴体を流用したと言われていますが、重量対策と拙速主義から、パイロットに負担を強いるのを承知でG-6の胴体を使ったみたいな話もあるんで(あるのか?ほんとか?脳内で作り上げたんじゃないのぉ?)、楽な方のG-6仕様にしました。1/72でキャノピに乾燥剤カプセル再現とか今回はやりたくなかったので・・・負けです。
おまけ。タミヤとAZモデルの増槽。全部取り外し式で、その日の気分で今回の作例と前作ったタミヤのG-6につけたり外したりできます♪たのしい♪
主翼もいでつけ直しました。これでプロペラのクリアランスもどうにかなったっす。