バンタムBRCは、アメリカ陸軍が小さくて軽い小型四輪駆動車が欲しいと出した無茶な要求に、無茶な部分を無視して短時間で結果を出すという、思い切りの素晴らしい設計方針で生まれた傑作車両の発展型です。
軍用車両史上の大傑作とされる、かのジープの陰に飲み込まれてしまった、「栄光無き天才」のストーリーを地で行く存在です。
アスカモデルのバンタムBRCは素晴らしいキットです。
ステアリングが可動なのはほんとうに素晴らしい。
素晴らしいので、ステアリングはそのまま可動に組んで、その他にも、もうちょっと手を加えてみました。
ウインドシールドの中身が前に押し上げられるようにし、ボンネットを開閉可動、ピントル可動、リアシート折りたたみ可能、屋根の骨を取り外し式にしてみました。
キットのボンネットはその後ろの部分とツライチですが、実車は重なる部分があるのでボンネットを後ろに延長。ヒンジは3箇所です。ボンネット裏の縦の補強骨は、ぴったり真ん中じゃないみたい・・気にしない。
オリーブドラブはタミヤのカーキにハルレッドとフラットベースを混ぜて作ってみました。気に入った色になりました。マーキングはなし。イギリスに送られてビルマで日本軍が使ってる設定か、ソ連に送られた設定。その日の気分で楽しんでます。
1/24カーモデルでは当たり前ですが、デフォルトでランプ類はぜんぶクリアパーツです。
タイヤがゴムのところも含めて、雑誌モデラーの締め切り対策の手抜き要望が元で生まれた、ミリタリーモデルの嫌な常識に染まっていないところがいいです。
シートカバーの色はタミヤのバフ。いっぱいフラットベース入れました。
実車ではホック止めです。
素敵な裏側。
キットのステアリングはデフォルトでみごとに可動しますが、何故かキングピン(?)の設定がないので、漫画的な、面白い表情がつくのは監修した先生のおかげでしょうか。きらいじゃないよ。
英米車両おなじみの窓跳ね上げ金具は、真鍮線を曲げてからペンチで潰して作りました。
動かすと面白いよ。ちょっとヒヤヒヤするけど。
みっちり詰まったエンジンルーム。電線はパス。参りました。
ピントルはパクパクさせてみました。
でも引っ張らせるものがない。イタレリのMBはカーゴついてた気がするけど行方不明だし。
後部座席は京急の電車の補助席みたいに跳ね上げることができるので再現してみました。
背もたれが連動して上下しますが、これはMBとかもちょっと機構は違うけど同じです。
シートの下には緊急始動用のクランクハンドルがついてますが写ってないや・・・ 幌骨は取り外して挿すだけのシンプルなものですが、MBのような中間の折り畳み骨を持つものや、同じ骨を前にも挿してふたコブ化する個体もあるっぽい。
後部座席。背もたれから出ている4本の支柱のうち、内側の2本は背もたれに固定で、車体後部の壁についた四角断面の筒に刺さり、自由に上下します。
外側の2本は座面後部と関節結合され、背もたれとも関節で自由に動きます。これが座面と連動して背もたれを上下させるロッドです。
こんなふうに畳まれます。シートカバーは鋲止め?
座面の車体との回転軸は、キットの位置ではなくて、この写真くらいの位置っぽい。
写真は位置を見るために長い真鍮線をさして仮止めしたところ。
カーモデルはエンジンがなけりゃね!
とっても楽しく作れました。
エンジンのないカーモデルはイラネ!
この車のエンジンの排気管は、MBが出てきた四本をまとめる中央からマフラーへ引いているのに対して、一番前から引いているのが面白いです。しかもマフラーはシャーシ内側から出ずにそこで排気。
ソ連のジープは一番後ろからマフラーへ引いてますね。
繰り返しますが、アスカモデルのバンタムBRCはとっても良いキットです。
説明書の実車解説も熱が入っていて素敵でした。
またこういうテイストのキットをお願いしますアスカモデル様!!!