タミヤがコメットを出したのはガールズパンツァーのおかげでしょうか。感謝です。
進化を続けたイギリス巡航戦車の終点。でもついに念願の17ポンド砲を積むことはありませんでした。
クロムウエルの砲塔リングを拡大して新設計の砲塔を乗っけた形ですが、この砲塔がなんか微妙なデザインです。
最近のタミヤはM18とかから防盾固定がマイブームのようですが、はっきりいって手抜きだと思います。
可動する防盾とのコンバーチブルにしろっての。
この戦車は45年の3月に前線に現れたので、実戦経験は実質3ヶ月。
ドイツ戦車はもうあらかた滅びてたのでその「短17ポンド砲」が威力を発揮するシーンはあまりありませんが、ネットを探すとティーゲル1型と撃ち合った興味深い例が見つかったりします。
https://tankmuseum.org/article/crouching-tiger-hidden-comet
ここに登場するティーゲルは初期型車体に鋼製転輪を履いていて、砲塔のみコーティングという面白い個体だったようで、下士官の指揮で、コメットを何台かやっつけた後に、ついに被弾炎上して、ティーゲルの乗員は脱出して逃げるのを英軍はあえて見逃すという、あまり死人のでないホッとする?戦闘だったようです。こういうエピソード、好きです。
ハッチやバイザーを可動に組みました。
かっこいい戦車だと思います。
可動部分を動画で上げてみました。
操縦手のバイザーとペリスコープ動かしてみせるの忘れたw
全部開けると賑やか。
真上から。砲塔がクロムウエルより大きくなってるのが実感できます。
さて、このキットは防盾をカンバス再現で固定オンリーの選択肢だけをユーザーに強要する点でくそキットであります。
先発のブロンコはちゃんと防盾可動でアフターパーツでキャンバスと、良心的です・・・良心的なのは評価するけども、そもそも防盾の形が間違ってね?・・・可動の軸の位置も実車と違う・・・ってか、砲耳の位置が実車ではティーゲル並みに丸わかりなのを無視してなぜそんな・・・っていう・・・
照準器の位置が離れてるのは、砲の両脇に駐退複座器が鎮座してるからです。イギリスは基本の工業力はすごいのに、設計者がなんか・・・
ブロンコのキットは砲塔内の主砲の砲尾とか素晴らしいスピリットで再現してます。
こういうクソな部分には立ち向かって叩き伏せないといけません。
防盾自作!
砲塔側の防盾基部パーツもキャンバス固定モールド前提なので、いろいろ付け足さないといけません。可動させないとだし。
せっかく作ったんでシリコンで型取りして複製したものを今回使いました。
ブロンコに使いたいなって・・・でもブロンコ作る気が今のところ起きねえ・・・ブロンコはタミヤより縦長な気がします。
基部を砲塔に接着。砲耳にはドリルで穴開けて可動軸を通します。もちろん防盾にも穴あける。
防盾を自作してわかったのは、防盾の下から中身スケスケになるので、この写真のようにリングにこのくらい塞ぎ構造物を設けないといけないということで、砲塔リングがこんなにさがって来た防盾に塞がれちゃうって、こんな設計じゃ17ポンド砲載せれないって当然というか、設計がおかしいと思います。砲耳をもっと前に置けばフルサイズの17ポンド砲を載せれたと思います。
こんな変な設計を通すために短縮形17ポンド砲、コメットにしか使えない専用砲弾を生産するという無駄コストを通したというイギリスの戦車設計界は趣味で戦車設計してたんじゃねえかなって思います。
クロムウエルにもファイアフライやチャーチルのNA75みたいな工夫で17ポンド砲積めたと思います。ファイアフライはメンツで積めないって言ってるだけのお役所設計者への「積めるじゃん」ていう面当てだと思います。
写真でリングを塞いでるプラバンが斜めなのはぼくの作業がいいかげんなせいなだけ。
でもって、この戦車の防盾周りの構造だと、雨風が砲塔に入り放題なので、キャンバスでシールするというのは避けて通れない道だったのです。
カンバスには骨が入ってたみたいです。ニトリルゴム手袋で可動できるようにしてみました。
タミヤのシリコン接着剤でアクセントつけた。 取り外しできます。
カンバスカバーは戦中と戦後で構造に変更があったようです。今回は戦前型。
キャンバス貼る前の防盾が動くところ。
我ながらカコイイ!
5個のペリスコープは回るようにしました。
クロムウエル戦車はエンジンの排気を車体背面の板で遮る設計なのはアメリカ戦車や三号戦車と同じなのですが、これらは上はふさがっています。クロムウエルシリーズは何故かこれらと違い上もオープンにしちゃったので風向きによっては上に吹いた排気ガスが乗員区画に回って中毒させるという困った謎デザインなので、「ノルマンディカウル」と言われる1/4円形断面の煙突を車体後部に設けて前に行かないようにする部品が後付けされてるのですが、コメットでもこれは装備されています。
このノルマンディカウルをつけると、コメットは移動時に砲塔を後ろに向けて砲身をクランプで固定するので、カウルが邪魔で砲身をクランプの位置まで下げられないんですな。
よって、間に砲身を下げる隙間を作った左右分割カウルが作られたと思われますが、初期の左右一体カウルをこの新型に交換する代わりに、クランプを切断して高さを伸ばす加工をしたものも存在します。
このキットのクランプは左右分割カウルバージョン用なので可動にするついでに下を延長しました。
可動するとたのしい。
45年も4月になるともう戦争終わりムードなんで、こんな形態で移動するシーンも多かったでしょうな。
ちなみに、砲塔後部のイギリス型消火器は、我が帝国陸軍の手榴弾のように細い先っぽを何か硬いものに叩きつけると消火液が噴出する使い切り式です。
非戦闘状態形態も味があります。
ところでタミヤさん、チャレンジャーも出してくれたら大好きになります。出たら1944〜45のイギリス機甲師団完全再現です。
キット付属のヒギャーはコメットの登場時の季節にふさわしく防寒着。
口を閉じてて凛々しすぎたのでちょっと口開けてみました。
艶消えねえw
車体ハッチはクロムウエルと同じくテトラ構造を付け足しました。
三号戦車の車体側面脱出ハッチのとそっくりなロックレバーは、なんとなく無視しちゃったorz負けです。