フォード GPAは、フォード産のジープであるGPWの水陸両用(amphibian)なんで、GPAmphibianなんでしょう。
つ~かアメリカ軍のソフトスキンの命名法は、あいつら日本陸軍の命名法が難解とか言いやがるけどもっと難解です。
ライバルのシュビムワーゲンが、キューベルワーゲンの駆動系をうまく使いつつ、ボディは完全新設計のモノコック構造で成功したのに対し、この車は、ジープのシャーシの周りに舟型のドンガラを履かせたやっつけ設計なので無駄が多く、重いし使い勝手も悪かったようで、あまり成功作とは言えなかったみたい。
キット付属の説明書の解説だと、戦時中すでに民間払い下げが始まっていたとか・・・
米軍ではあまり活用されなかったけれど、ソ連軍に愛されたというのは、なんか、P-39とかと同じで微笑ましい。
タミヤのキットは、パーツに「© 1974 TAMIYA」とか刻まれているとおり、40年以上昔の金型ですが、同社の初代シュビムワーゲンと違い、かなり気合の入ったキットで、今世紀になって、さらにそれにエンジンルームとかの追加パーツが盛られて、整形手術で若返ったエマニエル夫人のようにカムバックしたのを、その志に打たれて買ってみて、キットづらを見てるうちに作りたくなったんで作ったのでした。
たしかに両生類のようなルックスです。
シュビムワーゲンよりカエルっぽい。
ルルイエに行けそうな・・・
カニっぽくもありますな・・・
せっかくエンジンルームとか、ラジエータ吸気ハッチとかが開口したんで、そのへんは可動にしてみました。あと、右舷前部の排気管を再現してみた。
エンジンルームは完全再現じゃなくて、見えるとこだけ再現だけども十分な再現です。
吊り上げリングとか真鍮線に置き換えてみた。うごくよ。
アンカー。
画像資料をググってでてきた現存車のオーナーさんたちは、みんなこのアンカーを載せてるんで、羨ましくなって自作して取り付けてみました。ジェリカンラックも、同じくキットにはない部品ですが、同社ウイリスMBのを加工して取り付け。
船首にはウインチが。これはエンジンのファンベルト系から動力を取り出してるんだけど(ちゃんとエンジンルームにパーツが再現されてます!素敵!)、ただのベルトとプーリーなんで滑ったりしないのかな?ファイナルはウォームギアのようだから大丈夫なのかな?回転可動するようにしてみた。
あと、ブラックアウトランプ類はタミヤのMBからもいできました。
ミラーはMBの鏡と、真鍮線+真鍮パイプで可動伸縮。
鍵ざおが付いてるんですが、金麦カンでフォルダーを作って取り外し可能に。シュビムワーゲンみたいなオールとかはついてないんかな?
ところで、この写真でかろうじて見える、後輪前のポッチですが、これはなんと、エンジンをクランクハンドルで人力始動するための穴の蓋です。こんなとこにあるなんてびっくりです。
スクリュー軸はエンジンと直結なんで、それを利用して回すものと思われます。
運転席は1974年のキットとは思えない細かさです。左舷の排水ポンプのダクトもちゃんとある(似てないけど・・・・ボディ幅が狭いのかな・・・)し、ペダルも床モールドだけどちゃんとある。
コンソールの説明板はキットでは白デカールで、それはただしいんだけど、なんとなくクリアイエロー+クリアオレンジで上塗りしちゃった。
この説明板に書いてあることが面白いです。(実車の話ね)
「前輪の駆動はちゃんとした舗装路走る時は切っとけ」とか、「排水ポンプは(船底に)水がないときは駆動すんな」とか。
M1小銃ラックをMBのキットから持ってきた。
あと、クラッチとブレーキペダルは床モールドだとちょっと悲しかったんで、自作して植えました。(見えない!・・・)
組立時のボディ裏側。
リブが足りないのを追加と、リアアクスル&スクリュー用トンネルの継ぎ合わせが、実車ではキットみたいにきれいじゃなくて、ぞんざいな溶接のやっつけ的貼り付けなのを再現しました。
リュータで0.何ミリか削った後にプラバンをなじませながら接着。
スクリューのあたりにはリブがあるんで伸ばしランナーで再現。
ついでに舵の位置とスクリューハブ取付部の修正。
フロントアクスルのハウジングも、ステアリング可動にするには狭いんで、前方に拡張して、そしたら穴あいちゃったんでプラバンで裏打ち。
フロントアクスルは真鍮パイプ+玉ピン+真鍮板+真鍮線で可動工作しました。
更にこのあと、舵と連動させます。
タイロッドを中継するベルクランクの車体との軸を車内に延長しました。そこに、舵とのリンクを設けます。
内部ではこんなふうにリンケージ。
動きを反転させないといけないので、舵のアームだけは逆に伸びてます。
実車では、ハンドルと舵は、フロントアクスルと関係なくケーブルで連動してます。
動画に撮ったんだけどわかりにくいね・・・
前部デッキの蓋は、蝶番とかめんどくさいんで真鍮パイプ接着して洋白線通して知らん顔。
ここから冷却空気吸わせないとオーバーヒートするらしい。
エンジン点検ハッチは、2つ俺のストラットで開状態を保ちます。真鍮板でつくった。
車体前面と側面には牽引・係留用のフックがあって、キットのはさすがに21世紀の目で見るとあんまりなんで、真鍮板で作り変えました。
排気管と排気管のカバー。
排気管は右舷前輪の前のあなぼこからこんにちわしてるのを再現。排気管カバーはキットの状態ではさすがに21世紀してないのでエッチング網と真鍮板で自作。
キットでは省略されてる、ウインチのワイヤーを通す部品を、自作して取り付けました。
アンカーとそのシャックルとその取付用ベルトを自作。可動するけど縛り付けたから動かないや・・・
アンカーはイタレリのDUKWではパーツ化されてますな。
冷却空気排出路のフラップを可動に。
キットでは一体モールドの作動レバーを切り取って、ちゃんとレバーと連動させました。でもよくわかんないや・・・
可動するのを動画で記念撮影。楽しいでしょ?
(変な音楽がついてます!注意!変な音声が入ってたもんで上書きしたの・・・)
ハンドブレーキとウインチ接続ノブ?を真鍮線と玉ピンで再現。
キャビン側面の補強材と取っ手とか再現してみました。
キットでは後部座席が一体になってるベンチですが、3分割された浮袋としてみました。キットのパーツはその台座として生きてます。
色は違うよね、この色じゃない・・・オリーブドラブって難しい色だよね。
タミヤMBと比べてみる。でかい!これでエンジンが同じなんだからやっぱアンダーパワーだよね。
ホイールベースはMBと比べて、このキットのは長すぎじゃないかな・・・
トレッドは広すぎで、ボディ幅はスリムすぎだと思う。実車はもっとタイヤが内側にあるけど修正不能だわ・・・どこかから新しいキットでたらいいね。