進行方向は左です。

ミル-24にかぎらず、ヘリの前脚の引き込み機構の資料はなかなかありませんが、やっと見つけることができました。("HIND in detail"/WWP)

折り畳み機構は、ランカスターやモスキートと同じく、なんの変哲もない二つ折りストラット式アクチュエータを油圧ジャッキで引き上げて曲げるというものなのですが、おもしろいのはその機首下面にあけられた収容部穴で、なんと、中央にまったくなんの切り欠きもないバルクヘッドを挟んでいるので、前方の脚引き込み機構収容部と後部のタイヤ収容部とに、はっきりと泣き別れさせられています。(ごていねいに、泣き別れ部分にもちゃんと他の部分と面一のフェアリングがあります。)

なので、脚は一部分が機外にはみでたままになりますが、脚前方にあるカバーの中央部に膨らみを持たせることで、あるていどの抵抗をおさえようとしています。

なんでこんな半端なことをしているかというと、タイヤが全部しまえるようなスペースを操縦席下に確保できなかったので最初から半分はみでちゃうから、どうせなら体裁にこだわってフレームに切り欠きとかつくって工数を増やしたり強度を落としたりするようなことはせずに、脚柱も機外を通しちゃえ!って言うことなのでしょう。

日本人にはできないし、もしやったら上司におこられそうな割り切りです。でも、ぼくはロシアの設計の、そこが好き。

 

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