空飛ぶ三日月(かってに付けました・・・)、ホルテン(ゴータ)229の主脚です。ロシアから「HORTEN 229:プリザラク・チューリンギー/ア・イー・シェペレフ著」という非常に良くできた構造本が出たのでおおいに参考にしました。

図は正面からですが、実際には黄色であらわした「ヒザかっくん部分」は脚の後ろ側についています。

図中紫であらわした円形の部分は機軸方向に後ろ向きに固定された油圧ジャッキで、図示はしていませんがピストンの後端には滑車が付いていて、前方から来たケーブルはこの滑車で前に折り返し、動滑車となり、シリンダー後端の固定滑車で曲げられて、主脚に付いた黄色い「ヒザかっくん部分」の先端につながっています。

赤と青であらわしたふたつ折りのダウンロックストラットは、多分電磁石で開閉するカンヌキを関節部分に持っています。

図中、ストラットの関節部の薄い青で示した部分は大きく後方にのびていて、「ヒザかっくん部分」の上に乗っかる形になっているようです。で、脚をしまう動作が始まると、まず、ストラットの関節のカンヌキが電気によって開放され、油圧ジャッキが伸び始めます。すると動滑車にケーブルが引っ張られて「ヒザかっくん部分」を上に引っ張ります。「ヒザかっくん部分」は薄い青のダウンロック関節部を押し上げ、「ヒザかっくん」をします。そして、そのまま脚を持ち上げる動作が続くのです。

ストラットの青い部分は、図示していませんが下側で引っ張りバネによって機体と結合されていて、このバネは常に脚出し方向に力を蓄えているので、脚出し時はケーブルを緩めるだけで脚が降ります。

つまり、脚入れ時は油圧によるケーブルがアクチュエータで、脚出し時は引っ張りバネとふたつ折りのダウンロックストラット自身がアクチュエータの役割をするのです。

普通の飛行機の緊急時の脚出し機構をそのまま日常に持ち込んでいるんですね。

油圧ジャッキは左舷に偏って付いているものの、左右の脚を一本で動かすので、脚の出し入れは左右ほぼ同時だと思われます。

タイヤカバーは独立した、これも左右を一本の油圧ジャッキで開閉させてます。

こうしてみると、かなり撃たれ弱そうな機構ですね。

統制物資の節約のために部品少なくしたのかな?

前脚 もどる 表紙へ