中国産疫病の退散を願ってスオードのキ-44を作ったのはもう三年くらい前でしょうか。改めて見直すと、スオードのキ-44・・・・似てねえ・・・・
というわけでもっと鍾馗らしいキットを作りたくなったので、ハセガワの1/32に手を出しました。
出たとき買ったはずだけど出てこないので新しく書い直した・・・
ハセガワの1/32はすばらしい!似てます!
ああ、素敵な頭でっかちと細い主翼!
開発初期にノモンハン事変があったので、かなりI-16の行き方を取り込んでいると思います。銀塗装も、ソ連のI-153が銀塗装で登場したとき、敵味方からびっくりするほど見えないって言う話があったので、多分実験して銀にしたんだと思う。
でかすぎてうちのコンデジのレンズじゃ変な写り方しちゃう。
1/32戦闘機の完成は多分小学生の時のタカラレベルの雷電以来です。
今回は実に完成まで8ヶ月くらいかかったのですよ。
今回もサブタイプは二型乙。
機銃が機首に二丁だけってのは、単にホ-103が品薄で一機あたり4丁用意できなかったのではないかなと最近思い始めました。
色気を出して動翼とフラップと足とキャノピは全部可動。
ドロップタンクは取り外し式に。
ドロップタンクは初期は亜鉛メッキの銀色まんまだったらしい。
動翼も一応銀ドープにしてみましたが、灰色の機体もあったんじゃないかな?なかったとは言えないと思います。
しかも今回は電動ギミックも突っ込みました。こんな事やってたらまあ完成しないわな・・・
でも完成した・・・いいの。これでいいの・・・
まずエルロンと操縦桿が連動。・・・でも操縦桿の剛性不足で操縦桿からはうまく動かせねえでやんのぎゃははは・・・orz
何故か右翼から動かしたときだけ思ったように動く・・・
もうこれでいいよもう!
次は昇降舵。
こっちは操縦桿から操作できる。
でも舵面動かしたほうが操縦桿が大きく動きます・・・
方向舵はフットバーと連動。
可動範囲大きくできなかった・・・
カウルフラップもコックピットから操作できるようにしてみたけども・・・
思うようには大きく動きませんなw
プロペラピッチも各ブレードが連動して変更できる!
でも自動じゃない・・・
主脚はリンクカバーとかも全部連動ですよ。
隙間?汚い?わたしにはきれいに見えるが?・・・orzうそです。汚いです・・・
限界です・・・・
尾輪も引き込み可動です。
キットの尾輪カバーには考証ミスがあることに気がついたので、作り直してます(後述)。
キャノピ周りはキャノピと横へ開く側面扉と照準器の蓋を可動に。
後部中央のレールは太さ1mmのT字を作りました。
エンジンには小さいモータと減速ギアを仕込んで、スロットルレバーで2段階の電圧に切り替えられるようなギミックを入れたのですが、ご覧の通り調子わりいWWW
そして今回の最大の試練、フラップの電動化です!
思いついたが地獄の始まりでした〜
でもほら、今回仕込んだギミックで一番ちゃんと動いてるかもしれない。えへへ〜・・・
途中で止めることもできますよ。
あとステップを引き出せるように。
胴体側面のステップは諦めました。負けです。勝ったことねえや。
で、ここから工作過程。まず尾輪です。尾輪は緩衝部を取り込んだ後ろの二つ折れストラットが油圧ジャッキで折り畳まれて引っ込むわけですが、もちろん油圧ジャッキとか省略です。
そしてこのキット、スオードのもですが、問題なのがこの尾輪収納扉 の解釈です。
ぼくも最初は「この飛行機の尾輪扉は大きく胴体えぐってるな〜」くらいに思ってて、普通にピアノヒンジで可動にしようと思ってたわけですよ。
でも、こんかい実機取説の尾輪の図解をよく見るてみると(いままでボケっと流し見してた・・・)、この扉って、九九双経や百式重爆の爆弾倉扉と同じに、同体表面をスライドして持ち上がるんですな。こんな機構の尾輪扉持ってるのこの飛行機だけかもしれません。オーバーエンジニアリングです。
よく考えたらキットの尾部のストリンガーのラインが尾輪収納扉部分で切断されてるのは、構造的におかしいわけですよ。そこだけ強度がガク減りになるなんですから。
しかし実機写真見ても扉の影とかで上まで切れてるみたいに見えるトリッキーな収容部です。飛行してる時の写真を見ると、ちゃんと扉部分の切欠きはストリンガーの下です。
ので、正確なラインはストリンガー下まで塞がってるわけです。塞いだ。
なるべく塞いだあとが見えないように・・・きたねえなw
正しい大きさの尾輪扉と正しい構造のヒンジ。
尾輪との連動はあきらめてま〜す。いいの!
この飛行機には上記の尾輪扉もですが、初めて中島が挑戦する高速戦闘機で、しかも陸軍からの縛りは少ないとあって変なギミックてんこ盛りです。
上のヤリスギ感あふれる尾輪扉もそうですが、最大のギミックは空戦フラップでしょう。
最初から可動にするつもりではいたのですが、手で引っ張って出し入れすることを考えてたら、なんか左右連動とかめんどくさくなって、「いっそ電動にしちゃおうか!」ってIQ低いなりに頑張ってひと月くらい作業放ったらかしで考えてしまいました。
中島の蝶型フラップは、一個の油圧ジャッキでラックギアを駆動してピニオンを回し、その先につながったケーブルを動かして内側(ケーブル) と外側(ラックギア)で内外の移動量に差をつけながら斜め後ろに押し出すという凝っていながらなかなか軽量で確実なシステムなのですが、そんなもの1/32の飛行機に収まらないので、要は外翼側に軸を持った円運動であると割り切って、スクリュージャッキで外翼に軸があるアームをスライドさせることにしました。意外とうまくいった。
スクリュージャッキはオス側は真鍮パイプに焼き鈍した真鍮線を螺旋に巻きつけてはんだ付け。メス側はプラパイプで、オス側の螺旋に食い込む真鍮のピンを一本突き刺して接着しただけ。
モーターが2つなのは、スイッチ/配線を単純化するためですっていうか逆転させるいい方法思いつかなかったんだよ〜ん。笑っていいとこですよ。
2つのモータのそれぞれ+線と-線をつないでコモンとし(用語あってるかな?)て電池のマイナス側につなぎ、電池のプラス側はでっかい板にして、そこに2つのモータの残りの+-線を独立したバネスイッチで押してる間だけそのモータに電気が行くって方法。
ちなみに実機では操縦桿頂部のフラップ出し入れスイッチで操縦桿とスロットルレバーから手を離さずにフラップを出し入れできるのですが、フラップレバーは別にちゃんとあって、操縦桿のボタンは押すとそのフラップレバーにつながったソレノイドがフラップレバーを動かすという楽しい仕組みです。
四式戦には最初から空戦フラップはついてないみたいです。操縦桿はドイツ式になってしまうので。
それなら別にファウラーフラップじゃなくてゼロ戦や飛燕みたいな単純フラップでも良かったんじゃね?とか思いました。
一番苦しめられたのは主脚です。リンクが小さいので可動範囲がかなりきつい。ので最終的にリンクの機体側の軸をユルユルにしちゃった。インチキです。てへへ。チクショ〜〜〜〜〜〜!!!!
ついてるテグスはリンク扉連動用のロッドとして機能します。
主脚自体もハセガワキットの常で主翼より分厚いのでいろいろ削ってなんとか主翼に収まるようにできた。1/32なのにこの余裕の無さ!
タイヤカバーも連動機構を再現してますよ。
脚カバーは厚すぎて使えなかったんで金麦缶で置き換え。
エンジンにモータを仕込むのはもう最初から絶対条件でした。チョロQゼンマイ(100円ショップのパチもん)のギアを使って減速してます。
モータ脇に押し込まれた太いランナーはモーターのズレ防止用のいわゆる、クサビ。
1/32ならプロペラピッチも変えたいよねって変更できるようにしてみた。
でも思いついたのがエンジン組んだあとだったのと、1/32でもスピナーが小さすぎたために、回転中に変更できるギミックは思いつけず、ピッチ変更はブレードを直接指で摘んで動かす形に。負けです。
これがまた機構を考えるのに数週間浪費したw
こんな具合に連動させてます。
1/32なら操縦桿と動翼は連動できて当然!と思って挫折したことが過去数回ありました。すべて敗北、キットを捨てるハメになりました。
今回はじめてまあどうにか不本意ながらも組み込めました。
方向舵が一番簡単だった。
上写真の一番左の銀色部分でエルロンを動かします。固くて上の動画の解説みたいなことになっちゃった。
多分ベルクランクの設定。面倒になって妥協しちゃったw
途中ひん曲がってるのはひん曲げて左右の角度を無理やり合わせたからです。野蛮です。
昇降舵は途中で反転させないといけません。こっちはすんなり。
方向舵はテグスで直結なので問題なし。作動角小さいけどね。
スロットルレバーでモーターをコントロールしようって計器盤の前にスロットルレバーと連動する回転式の接点を作りました。
最初ボタン電池を三個使って三段階にしようとか思ってたんだけども、ボタン電池って三個以上直列って禁じ手だと知ったので二個に減らしました。三個使うと真ん中の電池にストレスがかかって危険なんだって。火事になってもつまらんからね。
二個に減らした写真は撮り忘れた。
ちなみにフラップは二個直列の3Vで動きます。
ここまでやったらなんかカウルフラップも動かしたくなったのでチャレンジです。機構考えるのに数週間(以下略)
実機のカウルフラップは油圧ジャッキが機首フェアリング内にぐるっと輪をかいたフラップ一枚ごとのリンクを、左右に押したり引っ張ったりして半回転させ、リンクの軸がフェアリングから突き出た先についたクランクで各フラップをパクパクさせるのですが、できねえわそんなの!
というわけでおとなしく極細ワイヤーロープを輪っかにしたのに上下にレバーつけて、それにつながったコックピット床下のレバーをピンセットで前後させることでワイヤーをねじって、ワイヤーに接着されたカウルフラップがパクパクするという仕組みにしました。
カウリングとプロペラは取り外し可能のはめ込み式。
望遠照準器は先っぽの蓋が回転するようにしました。
ちなみに、電池の交換は風防が付いた機首上面部品をアンテナごと外して行います。
アンテナ柱は中空になっていて、中をアンテナ線のテグスが通り、機首上面部品裏についたバネで引っ張られてるので、アンテナ線にはいつもテンションが掛かってます。