タミヤから急にソミュア S35が出たのでびっくりしたと同時にうれしくなって買ってしまいました。
キャタピラはハメ込み式の可動連結という点も素晴らしい。
なんとも作りたくなったので他のキット作る合間にちょこちょこいじってたらあっという間にできてしまいました。
わからないとこも多かったけど、思い入れはそんなにないのでやっつけました。楽しかった。
今回このキットを作るのにあたって、かば◎さんのブログでの考察と解説が非常にありがたかったです。感謝です!
ソミュア S35は、フランス陸軍最優秀と評価の高かった騎兵戦車です。
タミヤのキットに付属の素晴らしい説明によれば、フランス陸軍の戦車というのは歩兵の直協用と騎兵の突撃用に分かれていたそうで、このへんはどこの国も同じでしたが、フランスの場合は快速で装甲も厚いという、ちょっと欲張りさんなところが違っていました。
重装甲だと重くなるので、できるだけ容積は小さく、エンジンはでかくしなければならず、おかげで砲塔はコンパクトな一人乗り、車体はちょうど後ろ半分が機関部ということになったので、ごらんのような、ロールパンに砲塔が乗っかたような粘土細工のような独特のスタイルとなりました。きらいじゃないよ。
キットのハッチ類は全部固定なのですが、乗員が使うところだけはぜんぶ可動にしてみました。
車体の操縦手用バイザーと横の乗降ハッチ、砲塔の後部のハッチとキューポラの覗き窓2つ。
マーキングは第四胸甲騎兵連隊の32号車。架空ナンバーです。
砲塔の番号は実車は手描きらしく、結構いい加減なんでいい加減に手書きしてみました。きたねえ・・
第四胸甲騎兵連隊は、ドイツ軍が攻めてきた時、バラバラに歩兵隊に組み込まれて奮戦むなしく各個撃破されてしまったようですが、胸甲騎兵って響き、かっこいいよね! キュイラッシェールって読むのかな?
塗装はハンブロールの226が基本のグリーン、170が茶色、90が「スカイ」・・・フランス軍の迷彩とかよく知らないからタミヤの塗装指示に適当したがって気ままに塗ってみました。なんかスカイは変だよね・・・気持ち悪い取り合わせというか・・・ともあれ、キューポラ上の水色塗装がベレー帽みたいでおしゃれなので選んでみたっす。指揮官車?それとも胸甲騎兵の心意気?
砲塔と車体は別々に塗装されて納品だそうなので、実際は砲塔と車体で少し色調が違うのでしょうな。
キューポラは、実車写真とか見るとキットの指示と逆側(可動しない切れ込みバイザーのある側)が前っぽい。
この戦車の組みやすい点は、転輪にゴム部分がないこと! 基本色で塗っちまえばおしまいです! おもしろいのは、転輪のリムがキャラピラの溝に食い込む構造なのでキャタピラ側には他の戦車に見られる、怪獣の背びれみたいな飛び出したガイドがなく、キャタピラがフラットなことです。列車みたい。
自動車というよりは列車の思想な気がする。
パーツナンバーC1とC2をつけ忘れちゃった・・・見えないのでプライドが痛むだけで済みました。
このキットは、上部転輪を固定することになっていますが、先に出た新しい四号戦車ラングについてくる「ポリキャップ(小)」をこの写真のように使うと、上部転輪を組立後に可動で後バメできます。その場合、パーツナンバー「A9」は使わなくていいと思う。
この部分は最初は「ポリキャップ(小)」使用前提で設計されているような気がします。「A9」でフタをするつもりが、パーツが薄いので上部転輪を押し込んだ時に応えられずに抜けちゃう可能性が高いのと、コストカットのために、取説ではなかったことにしちゃったのでしょうか。
取説といえば、最近のタミヤのキットにはランナー表がなくて非常に不便です。昔はパーツの役目まで書いてあったのに、名称間違ってるって教えてくれる人が多いのでめんどくさくなったんでしょうか・・・
はめ込み連結キャタピラ!超便利です!エレール用に買っておいたフリウルが宙に浮きました。(いいんだ。いつかエレール作るんだ・・・・)
取説のように平面において押し込まないと、たまにボッチが死にますが、そのときは0.4ミリのドリルと真鍮線でつなげば問題なし!ぜんぶに穴開けることを考えれば気楽なものです。
キット指定は片側102枚ですが、今回は105枚使った気がする。実車は104枚?
てっぺんから撮ってみた。シャベルやツルハシやナタ(?)の取り付け方はよくわかりません。キットの説明のシャベルの取り付けはあんまりだったんで付けませんでした。
キットでは別部品のラジエータグリル基部は車体上部と一体鋳造だそうです。かば◎さんに教わるまで知りませんでした。
兵隊さんの服装の情報ってネットで検索してもあまり出てこないですが、フランスの戦車兵となるとイタリアより出てこない・・・フランス語知らないからってのもあるけどさ。というわけで人形は適当に塗ってみました。革のジャケットでしょうか。こういう角度だとサッカーしてるみたいだよね。
砲は最近のキットにしては珍しくデフォルトで可動です。しかもポリキャップで緩み止め機構付き!偉いよタミヤ!
せっかくの可動なのでもう一歩前進して、機関銃が砲と独立して動くようにしてあげました。チェコの戦車と同じく、この戦車もリンクを外すことによって機銃だけを振り回すことができます。しかし!チェコ戦車はリンクを外した機関銃が砲手のコントロールを外れて装填手のコントロールになるのに対し、この一人用砲塔は、機銃と主砲照準器が一体で、それらから主砲を切り離す形になっているため、多分主砲の照準精度は悪いです。フランスの戦車砲が精度が悪いとか書かれているのを目にしますが、案外このへんが理由かもね。
内部再現とかしないんで、砲耳をプラパイプの組み合わせで砲と字機銃が独立で動くようにして、さらに機銃については左右に振れるようにカルダンにしてみましたが、さいごに外装式の盾つけたら、左右方向にはそんなに自由には振り回せなくなってしまいました。がっくし。
砲耳はキットと違って実物では砲塔の外からも封じ込めた跡が見えるので、ドリルで穴開けて砲塔上下を接着後に後バメ。
フランス戦車の証である砲塔後部の腰掛けハッチは、このタイプは内側の「Д」字型スイングアームが、ハッチ側のヒンジについた常に上写真右下のようになろうとするバネによって押さえつけられる一方、砲塔側のヒンジは砲塔側のバネによって常に閉じようとしている力が働いてハッチの重さを0に吊り合わせていると思われます。ハッチ中央の角丸長方形の部分は、撮影時点でつけていないけどコの字型の取っ手がついていて、閉めた時に90度回すことでヒンジ位置をロックするんじゃないでしょうか(無責任に言ってみました)。
キューポラは横ののぞきぶたと後ろの双眼覗き蓋を可動にしてみました。摩擦で止まるよ。
かば◎さんのところで三方に小さいフックが付くと聞いたので、真鍮板で作って植えこんでみました。
なんか、下の縁のとこがもうちょっと色々ディテールがあるそうだけどもういいです!
操縦手用バイザーはキットのままだと開位置固定だけど、単純に一番上の膨らみの中を軸が通ってるだけなんでズボッと貫通させて真鍮線で可動に。
実車だと軸が外から見えるのでそのままぶった切っておしまい。とっても楽です。
操縦手席左には小バイザーがついてます。キットでは表現が非常に控えめなので、周りの4つのボルトを、伸ばしランナーを植えてそれっぽくしました。
この戦車のメカで一番変なのが左側面の乗降ハッチです。(次点は見えないけどラジエータの位置かな?)
  1. ポールダンスのポール
  2. ローラー
  3. 上ヒンジ上の三日月ロッカー
  4. 扉閉め用レバー
  5. 扉閉鎖ロックハンドルが付く部分
1)の車体側の軸はポールダンスのポールのように車体のスポンソンを貫通してます。車体上にはその軸のとこが凹みとしてわかるようになってます。つーか上から挿してるんだねきっと。
そのポールに、ハッチの上下2つの、後ろから見て左下がりの、螺旋を1/4にぶった切った形のヒンジが独立して巻き付いていて、これはポールの上をダンサーのように自由に上下に滑ることができますが、重力で下に降りていて、下側が車体のハッチ開口部にある、2)のローラーに乗っかっています。ハッチとヒンジは固定で、関節はありません。
さて、ハッチを開くと、ハッチの重みでヒンジの螺旋は車体側ローラーの上を転げ落ち、ハッチは車体側面にずり下がった形で90度開きます。
ハッチが開くと、3)の、上のヒンジに回転軸を持つ三日月型の部品が車体側面に突っ張って、ヒンジとの間に三角形を作り、ハッチを開位置でロックします。この時に後ろからハッチを押しても動かないはずです。
ハッチを閉めるには、4)のテコを車内方向へ引っ張ります。するとテコの先が三ヶ月ロッカーを上から見て反時計回りに回すので、車体に対するつっぱりが解除され、下側ヒンジの螺旋がローラーを登ってハッチが垂直に持ち上がりながら閉まるのです。開く時と比べて、ちょっと力がいると思う。
ローラーは重要で、プラモでも付けると閉じるときのスムーズさが全然違います。
この作例ではハッチを開けた時に軽すぎて自重で垂れ下がってくれないので、上に重力代わりのバネを仕込んでます。 5)の位置にはツルハシの頭に似た形の閉鎖ロックレバーがつきます。これは外についてるドアハンドルを引くとロック解除方向に回転するようです。 このハッチは結構やわなようで、無くなってる個体の写真がいっぱいです。
このキットは車体上下がポリキャップで取り外し自由なので作業が楽です。
操縦席正面のバイザーには、開いた時に車体側のピンに穴を止めて位置を固定する式のアームがついています。これは閉鎖時にはぶらぶらしているようです。その他の車体のバイザーは固定だと思うんだけど、ドイツ軍が使ってて右側が開いてるという恐ろしい写真がありますが、見なかったことにしよう。実車写真だと開くように見えないし。
車体に付いているパイプの手すりは案の定取り付ける前に折れたので真鍮線に替えました。取り付け部分の真鍮板が車内に飛び出してるのが見えるでしょうか。
実車の設計者が同じとか聞いたので、アカデミーの35(t)と並べてみました。
ヘッドランプの金網はファインモールドの菱形目のやつを、端っこを活かして切り取ってみました。ランプが黄色く見えるのは、フランス車はランプ黄色くないと!って強迫観念からです。
無線機アンテナの基部のゴムのジャバラは、キットの指定ではつや消しオレンジだけど、黒く塗っちゃった。現物写真とかないものでしょうかね。 YouTubeで動画を探したら、フランス軍のやつは被弾して盛大に爆発するのしか見つからなくて気の毒です。