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◆母と娘のヨーロッパ見てある記◆

  3月6日(水)晴 (最終日)

ロンドンを離れる
いつも通りに7時すぎに起床。朝食の後荷造り等々終えて、9時半ちかくにB&Bを出る。飛行機の出発は14:10だけど、おみやげの買い物もあるので、早めに出た。 地下鉄のアールズコート駅からヒースロー空港4番ゲートまで、35分くらいで着いた。運賃は1人2.3ポンド(約440円)と安くて、一番早い方法だ。カウンターへ行って みると、私たちの便のチェックインまで2時間以上時間があった。

待ち時間を利用して、昨日あいにく休館日でお会いできなかったロンドン漱石記念館の館長恒松さんに電話することにした。財布中から1ポンドのコインを集めると 8個あった。これで話せるだけ話そうと公衆電話からかけてみると、はじめてちゃんとつながった。やっぱり最初かけていた番号は市外局番が一ケタ足りなかった ことがはっきりした。

恒松館長は友人夫妻の仲人役をなさったかたで、いろいろ事前に噂は聞いていたが、本当に精力的にいろいろなお話を矢継ぎ早にされる方で、漱石にのめり込んで ついには自費で記念館を開設された人だけあって、電話口からも十分にそのパワーが感じられる話し振りだった。友人の紹介というだけで電話しているので、面識は 全くない。NHKテレビで近く漱石の特集番組があること、漱石作品の英訳も手がけられていて、5月に「硝子戸の中」の英訳本をアメリカの出版社から出される こと、漱石作品のスペイン語訳にも取り組んでおられること等々、恒松さんの話は尽きなかった。

私は手持ちの1ポンドコインがだんだん減っていくのが気が気ではなく、最後の1枚を投入すると恒松さんに「また必ずロンドン漱石記念館の方へ寄ります」と、お別れを 言って、お話の続きはメールでしましょうといって、電話を切った。ほんとうに3つも4つものことを、同時進行でこなされている活動的な方という印象だった。

財布には40ポンド残っていたので、これを全部使っておみやげの品を買うために、売店を見てまわった。ある売店で買い物をしてレジでお金を払う時、端数の数字に なって、あいにく私のほうも小銭が少しだけ足りずに(日本円で30円くらい)お札を出すと、「小さいの、ない?」とレジの女性に言われたので、小銭入れを見せて全部 出してもちょっとだけ足りないことを見せると、「こまったわね〜」という顔して、向うの方にいた若い売り子さんを呼んだ。

呼ばれた女性は手に小さな小銭入れの袋を持っていて、「いくら足りない?」とレジの女性に聞いて、小銭の不足分を自分の袋から出してレジの人に渡した。それで 私の出したお札はまた私に戻り、無事に精算がすんで私たちはお土産を手にした。最初私たちがキョトンとしていると、「小銭はサービスよ!」と愛想良く言ってくれた。 きっとつり銭が不足しているのだろうと思った。若い売り子さんが手に持っていたビニール袋には小銭がいっぱいだった。チップなどの小銭をプールして、少々の小銭 の不足のためにたくさんのつり銭を出さなくてもいいように、サービスで対応しているようだった。細かい所を気にしない大らかさを感じてしまった。

空港内が混んで来たので早めにチェックインを済ませることにした。私たちの順番が来て、パスポートや航空券のチェックのあと、スーツケース1個を預ける時になって、 係りの若い女性が何やら早口で3つくらい質問した。どうやら荷物のことらしく、1つ目は「自分達で荷造りしましたか?」という内容だったので、「Yes」と答えた。ところが 2つ目と3つ目の質問が、正確に聞き取れない。部分的に分かる単語とよく聞き取れない単語が混じっていて、結局全体の質問がはっきり飲み込めないので、Yesとも Noとも答えられず、頼りの娘も正確な内容はどうも自信がなさそうだ。

係りの女性は、ゆっくり話すということもなく、畳み掛けるように早口で質問するけど、YesとNoでは、答え方で全く意味が違ってくるので、うかつに返事が出来ない。 娘と私が困って顔を見合わせていると、係りの女性は諦めてどこかへ電話した。「日本人の親子がいるんだけど、質問の意味がわからないみたいだから、そっちへ まわしていい?」みたいなことをしゃべっている。どうやらOKの返事が出たようだ。

まもなくフロアにいた案内係りのインド人の若い女性が呼ばれて、私たちと荷物と両方を、少しはなれた別室へと連れて行った。そこには机があって、その向うには 制服を着たインド人の中年の男性と女性が“取調べ官”といわんばかりのキツイ顔をして座っていた。男性の方が立って、スーツケースを右側にある長い台の上に 乗せなさいという。重たいのでてこずっていると 手を貸してくれた。開けなさいといわれて鍵を開けると、何やら中をごそごそと探っている。「あ〜ぁ、朝せっかくきれいに荷造りしたのに〜」と思い、スーツケースに 手をかけようとすると「触ってはいけない」と制止された。

荷物の中からお土産に買った黒い紙箱を取り出すと、ジロリと私を見て「これ何?」。「マグカップです」といって、カップを持って飲む真似をするとやっと納得してく れた。隅々まで点検 して、中身が少しぐちゃぐちゃになったままグイグイと力任せにフタを閉めている。「あぁ〜」と思ったがなすすべもない。身につけていたバッグの中身もしっかり点検 された。娘の小型のデジカメはさんざん上・下・裏返しとぐるぐる回され、「これ何?」としっかり怪しまれた。もしかしたら、私たち、爆弾持っていないか怪しまれて いるのかも、とその時気がついた。で、新型のカメラと説明して納得してもらって、それから荷物は透視の検査を受けて、私たちも通常の金属探知やボディーチェックを うけて、やっと搭乗ゲートのフロアに出られた。

英国航空の成田行きに乗り込み、14:10予定通り出発。これから約10時間半のフライトだ。機内泊ののち、予定よりも30分早く3月7日、朝10時20分成田に着いた。 入国手続きをして、福岡行きの国内便に乗り換えることもあって、私と娘は搭乗機の確認のためカウンターへ行った。するとカウンターには日本語と英語で3つの 質問を書いた紙が、搭乗者に分かりやすいように張ってあった。テロ事件の後、特にこの質問を徹底するようになったと断り書きも書いてある。

1.荷物は自分自身の手で荷造りしましたか?
2.荷物から離れたことはありますか?
3.人に預かった品物はありますか? その中身は何か知っていますか?

その紙を見て私と娘は思わず顔を見合わせた。そういうことだったのかと。昨日ヒースロー空港で私たちがはっきり言葉を理解できず、従ってはっきりとした返事が できず、私たちを悩ました質問は2と3だったのだ。英文もゆっくりよめば理解できる。なあるほどと思う半面、自分の英語力のなさを改めて知る。ヒースロー空港で 別室へ連れて行かれて、直接荷物を調べられたわけがやっとわかった。なんだかモヤモヤしていたものが、やっとすっきりと気が晴れた。

それにしてもヒースロー空港でも日本語までとは言わないけれど、ただ口で言うだけでなく、せめて外国人向けに英語で書いた3つの質問をカウンターに貼ってい てくれれば、ヒアリングに弱い私たちだって理解できたのにネー、サービス精神がないネーと、くやしまぎれに娘と言い合った。

それにしても、成田空港のキレイさはどの国の空港に負けないくらいだったが、国際空港なのに歩いているのは「日本人ばっかり!!」と娘が 驚きの声をあげるほど、日本人ばかりだった。何たってここは国境を接していない島国日本だもの。そして私たちは無事日本に帰ってきた。お昼は 久々に日本食を堪能して、娘と旅の打ち上げをした。
(おわり)


旅の会計(ご参考までに)
用意したお金
現金   1人30万円 × 2 = 60万円
夫より餞別 現金で700ドル = 約9万円
予備費として現金       =  6万円
―――――――――――――――――――――
     合計            約75万円

使ったお金
往復航空券(2人分)        18万円
ユーロパス10日間(2人分)    15万円
1日目のホテル代           1万
                 ―――――――――
                 小計  34万円(旅行代理店へ支払い)

宿泊費・食費・交通費・雑費等毎日の支出(当時のレートで計算)
  2231.86ユーロ × 117円 = 約26万1,127円
   539.92ポンド  × 190円 = 約10万2,584円
                 ――――――――――――― 
               小計    約36万3,711円

両替時にかかった手数料(トラベラーズ・チェック+日本円+アメリカドル)
                 ――――――――――――――
               小計    約2万2,000円

収支決算  約75万円 - 支出計74万6,891円 = 3,109円 (黒字!)

(黒字分は、成田で昼食をした時に使ってしまいました。)
安宿に泊まってグルメにもブランド品にも縁のないチープな“見て歩き”の旅でしたので、
2人で1ヶ月の旅行としては75万円で何とかなりました。

※ロンドンで宿泊費その他数回カードを使いましたが、日々の支出には現金換算で 計上しています。そのため実際には3万円程度の現金が残ったことになります。 そのうち約2万円分は、当時発行されたばかりのユーロのお金が珍しかったので、 お札のいろいろな券種やコインそのものをお土産として持ち帰り、残り約1万円分 のイギリスポンドのコインや少額紙幣は、ヒースロー空港までの地下鉄代、電話代、食事代、 お土産代に現地で使いきりました。
感想
次回のヨーロッパの旅は、私は夫と、娘は未来のフィアンセ?(まだ未定)と、もっとホテルも食事も買い物も、 優雅な旅をしてみたいな〜と願っています。ぜひ夢が叶うように、またヘソクリがんばらなくっちゃ。                     


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